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映画評 「あさひなぐ」 [映画評]

映画ヒロイン失格」は、本当に面白かった。
笑えて、しかも最後はじんと来て。
あの映画を見せられたら英勉監督の次作に期待する。
大いにする。
しかし、映画において期待というものは往々にして裏切られるものであり、この夏に公開され「トリガール!」には失望させられた。
毎年見ている「鳥人間コンテスト」についての映画で、私の故郷である彦根が舞台。
これだけ条件が揃ったにも関わらず、ちっとも楽しめなかった。

しかし、「ヒロイン失格」を作った人なら連続の失敗はないだろう。
「トリガール!」が残念だった分、「あさひなぐ」の方はいいのではないかと勝手に期待を膨らませた。
そして、その期待はまたもや空振りに終わった。

もちろん、今作が乃木坂ファン向けのライトな作品であることは理解している。
歴史的な傑作を作ろうという気持ちは、はなから誰にもない企画なのだろう。
それにしても、と思う。
この題材であればもっと面白くできただろうに。
乃木坂を使い、漫画原作を使い、となればそれなりの動員が期待できるから、いい作品を作れば多くの人がうなっただろうに。

「あさひなぐ」は、つまらなくて仕方がない、という作品ではない。
ありがちな設定ではあるが、青春スポ根ものとしてそれなりに楽しめるし、
コメディとしても0点ではない。
しかし、登場人物のキャラクター設定は不十分でふらつきっぱなしだし、
伏線的なものも全く活きてこない。
ラストも、ほにゃららー、という感じ。

見せ場となる薙刀のシーンも、さっぱりである。
これは、出演者の問題もあるだろうが、責の多くは作り手にあると思う。
とにかく雑なのである。
どうせ、アイドルのコメディ映画なのだからこのくらいでいいや、という感じが伝わってくる。
映画ファンとしては、愉快ではない。

主演は、乃木坂46のツートップとでも言うべき西野七瀬さんと白石麻衣さん。
そのほかにも、桜井玲香さん、伊藤万理華さん、生田絵梨花さんなど、乃木坂メンバーが出演されている。
皆、ちゃんと演じているが、正直、彼女たちに特別な印象はない。
スパルタ尼僧を演じられた江口のりこさんは、「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」にも出ておられた。
演技派として、これから来る方かもしれない。
「ちはやふる」組からは、森永悠希くん。
今作では出番は多いもののわけのわからない役を当てられてしまったが、「ちはやふる」ではまた頑張ってほしい。

2作連続で外されて、さすがに英勉監督への信頼はなくなった。
楽しみにしていただけに残念である。
わかりやすくコメディ設定にして、早々に観客を引き付けるという手法は活きているのだが、その先がないと醒める。
映画はもっと遠くに連れて行ってくれないと。

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白鵬引退後は毎場所こんな有様? [ヨモヤ]

相撲が人気である。
国技館は多くの観客を集めているし、テレビの視聴率もいい。
しかし、土俵のレベルは人気にふさわしいものになっているだろうか。

今場所は、3横綱2大関が休場となった。
これは99年ぶりのことだという。
99年前にもそんなことがあったということに驚くが、これだけ寄ってたかってお休みになるというのは何たることだろう。
他にこんなスポーツがあるだろうか。
失礼ながら、そんなに怪我するとは、
ちょっと太り過ぎじゃないの、
運動不足なんじゃないの
などと思われても仕方がないだろう。

普通、上位が5人もいなければ、残った横綱や大関は連勝を続けるだろうし、関脇や小結の星も伸びると考える。
しかし、皆が皆優勝を意識した結果なのか、序盤からバタバタと上位陣に黒星が続いた。
優勝は、金星を4つも献上した横綱日馬富士
11勝での優勝は、1996年九州場所以来という。
これだけ星が下がっても、まだ優勝できない日本人力士たちには、歯がゆさを通り越して、ユーモラスささえ感じてしまう。

今場所のようなしっちゃかめっちゃかな場所は、さすがにそうはないと思いたいところだが、白鵬がいなくなったら、毎場所こんな感じかもしれない。
横綱と言っても、鶴竜は今年の5場所で2桁勝ったのが1場所だけなので、負けても誰も驚かないし、
稀勢の里も、3場所連続休場であり、多くを望むのは酷だろう。(私は、横綱への昇進自体に無理があり過ぎたと思っている)
期待は、高安、御嶽海といったところだが、今場所を見ると、正直ガッカリである。

とんでもない強さを見せ続けてきた白鵬も、すでに32歳。
コンディション的にも、モチベーション的にも、そろそろ最後のときが近づいている。
白鵬不在で、今場所のように、誰でも優勝の可能性があるというのもたまには面白いが、毎場所続くとさすがに興が醒める。
力士一同に奮起を求めたいところだが、この10年以上白鵬一人に全く歯が立たなかった面々だけに、期待する方が野暮というものだろうか。

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消費税を上げれば真面目?  ~ 財政再建原理主義に感じる疑問 ~ [公会計]

9月20日付の日経「大機小機」というコラムに、「消費税問答を採点する」と題した小文が掲載されていた。
教師が、消費税の引き上げについて生徒に考え方を述べさせ、それについて採点するという形式のもので、要約すると以下のようになる。

教師「消費税の引き上げについて述べよ」
学生A「税率を下げるべき。そうすれば、経済が活性化して財政再建にもプラス」
教師「『ただの昼飯はない』という経済の大原則を理解していない。成績はD(落第)」
学生B「10%への引き上げは中止し、もっと経済状態が良くなるのを待つべき」
教師「今は戦後2番目に長い景気拡大局面。最新データを踏まえていないので成績はC」
学生C「消費税を10%に引き上げ、増収分は全て社会保障や奨学金などの充実に使うべき」
教師「増収分を全て使ってしまったら財政は全く改善しない。成績はB」
学生D「予定通り2019年10月に10%に上げ、増収分はできるだけ財政再建に充てるべき」
教師「その通り。安倍首相が考えを変えなければ、首相も君も成績はA」
学生たち「では、どんな答えならAプラスをもらえるのか」
教師「これから先の財政を展望すると、少なくとも消費税率を15%へとさらに引き上げる必要がある。そう答えれば成績はAプラス」

最後に、学生たちが「消費税を15%にするような主張をするような政党はない」と言い、
教師が「それこそが財政再建を進める上での最大の問題」
と喝破するのがオチとなっている。

どうやらこのコラムを書いた方は、消費税を上げることが「善」であり、厳しい道を行く正しい政策と信じておられるようだ。
そして、それはマスコミや産業界の多くの人が持っている信念のように思える。

さてさて。

まずは、これはコラムであって社説ではないことを踏まえる必要がある。
気楽に読めばいいコーナーである。
だから、「マジ」で読むのは野暮というものであろう。
成績がAだのAプラスだの言っているので、設定は大学なのかもしれないが、教授ではなく教師となっているから、中学生くらいを相手にしているのかもしれない。
まあ、それなら単純な足し算引き算の話として理解すればいいだろうか。
国の財政は大幅な歳入不足が続いており、それを埋めるためには収入を増やすか、支出を減らすかしかない。
難しいことを考えなければ、税を増やすのが一番簡単な方法で、それを言っただけということかもしれない。

もし、このコラムの設定が大学だとすれば、経済学なのか財政学なのか政治学なのかなどによっても、立場は変わって来なければおかしい。
財政学なら、消費税の引き上げを善とするかもしれない。
経済学なら、消費税増税による短期長期の正負の影響を勘案しなければ結論は出ない。
政治学なら、選挙の勝ち負けも含めて考えるだろう。

気になるのは、
消費税の引き上げを訴える政治家が真面目な政治家、
消費税引き上げをためらう政治家は人気取りだけを考えたダメな政治家、
と安易なレッテル貼りをされる方が見受けられることである。
実際には、そんな簡単なものではない。
経済全体への影響を考える必要があるし、時期にもやり方にも配慮が必要である。
実際、過去2回の消費税の引き上げでは、日本経済は深刻なダメージを受けた。

また、財政再建に向けては、
消費税以外の税源を考えるべきでもあるし、
そもそも歳出の見直しこそ優先すべきであろう。

年がら年中、税のことを考えているのは億劫だが、選挙のときくらいはちゃんと考えたい。
感覚的、感情的にならずに、事実や過去の経験を踏まえて、真面目に。

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映画評 「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」 [映画評]

「モテキ」「バクマン。」で連続ヒットを飛ばした大根仁監督の新作、「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」を観た。
前作の「SCOOP!」は私にはピンと来なかったし、脚本を手掛けた「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」も「はにゃ?」という出来栄えだったのだが、得意のフィールドで大根節が全開となっている。

漫画原作であり、全編コメディ。
キスシーンがやたらと出てきて、そこで引いている人も多いようなのだが、それも含めてニヤニヤ笑いながら観るべき映画
「そんな奴いない」
とか
「中身が薄い」
とか思いながら観るものではない。

では、スカスカの映画かというと、そんなことはない。
自分らしく生きることってなんだ、
成長するってなんだ、
人を好きになることってなんだ、
などを伝える力も十分持っている。

また、雑誌編集部の空気や、
アパレル広報の現場など、
いわゆる業界の様子も楽しく描写されている。

奥田民生になりたいボーイを演じるのは、妻夫木聡さん。
「怒り」ではゲイを、「ミュージアム」では猟奇的殺人者をと、いろいろな役に挑戦されている。
今作は、そのままの感じでピタッとはまっていて、応援したくなるし、微笑ましくなる。
いい俳優さんである。
狂わせガールを演じるのは、水原希子さん。
ルックスが整い過ぎていることがかえってコミカルに見えてしまうことさえある彼女だが、今作ではそれが見事に活きている。
体を張ったはまり役であった。
脇を固めるのは、新井浩文、リリー・フランキー、松尾スズキといった鉄板の面々。
いつもながらきっちり仕事をされている。
女優の中の女優、安藤サクラさんの演技にも注目してほしい。

私は、「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」を十分に楽しんだ。
大根仁監督の才気が見えるいい作品であると思う。
特に、「大人」が楽しめる映画になっている。

私が観た劇場は「あれっ?」と思うほど人が少なかったのだが、どうやらそれはたまたまではなく、全国的に不入りのようだ。
この題材はウケなかったらしい。
しかし、観て損するような映画ではない。
ネットの不評や興行的な失敗を聞いて観に行くのをやめるのは惜しい。

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名前からしておめでたいオリックス福良監督の続投  ~ 球団社長との笑顔の握手に感じる強烈な違和感 ~ [ヨモヤ]

プロ野球オリックスの福良監督の来季続投が決まった。
福良監督、福で良である。
これはめでたい

オリックスは、1996年以来優勝から遠ざかっている。
これはパ・リーグはもちろん、セも併せてももっとも優勝してから間隔が開いていることになる。
よく「チームを立て直す」というが、こう何十年間も低迷していて、ファンに対してどのような気持ちを持っているのだろうか。
それでも監督の責任を問わない姿勢。
これはめでたい。

オリックスは、3年連続でクライマックス・シリーズへの進出を逃がすが、この3年間で一度もCSに進出できないのはパではオリックスだけである。
この3年間の指揮を執っていたのは福良監督。
西武で3年連続CSを逃がした田辺監督は当然のように交代となったし、
過去2年間CSに進出していたロッテの伊東監督は、今年の不振の責任を取って辞められる。
そんななか、3年連続Bクラスの福良監督は続投である。
これはめでたい。

現在は、まだペナントレースの最中。
優勝を決めたソフトバンクでさえ、チームを緩めないように懸命の戦いを続けている。
そんななか、続投を決めた西名弘明球団社長と福良監督は、満面の笑みで握手。
なんという緊張感のなさだろう。
ギスギスしがちな世の中で、これはめでたい。

球団社長は、
「今年の成績に満足はしていない。ただ若手を登用したり、去年の最下位からは4位と上がっている。来年はこれをステップアップにしてもらいたい。優勝とは言わないが、せめてCSに行ってもらいたい」
とおっしゃったそうだ。
3年目の監督が、最下位から4位に上がって評価してもらえるのか。
これはめでたい。
まだ、ドラフトもキャンプもしていないのに、早くも来年の優勝はギブアップで、CSに行けば評価してもらえるのか。
これはめでたい。

もちろん、この3年間の低迷を、すべて福良監督の責任にするのは酷である。
しかし、監督が責任を取らなかったら誰がとるのか。
吉田、T-岡田、中島、小谷野、ロメロ、マレーロとそれなりの戦力を備えながら、首位と30ゲームも開けられて、ニッコリ続投決定で、応援してきた人は喜ぶのだろうか。

強いころの阪急から見ている私としては、このところ低迷が歯がゆい。
また、パ・リーグファンとしては、ほとんどお荷物のようになっているオリックスに何とかしてもらいたい。

オリックスと言えば、日本を代表するような大企業。
お願いですから、もう少し気持ちを入れて球団経営していただけないでしょうか?
もしその気がないのでしたら、球団を手放すこともご検討されてはいかがでしょうか?
パ・リーグファンとして、プロ野球ファンとして、切にお願いいたします。

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イチロー様 今年もおみそれしました [ヨモヤ]

だって、今年前半のイチローを見たら、誰だって限界だと思う。
いい選手は前半がダメでも後半盛り返してくるものだけれど、それはまだ若いうち。
44歳になろうという人間が、後半成績を上げてくるとは思わないでしょう、普通。

私が、
「ここまで来ると覚悟せざるを得ないイチローとの別れ」
というタイトルのブログを書いたのが、5月24日。
その段階での打撃成績は、
51打数8安打で打率.157、打点1。
さすがに1割台ということはないにしても、そこから2割5分台まで率を上げてくるとは思わなかった。
スタメンで使ってもらっているのなら、4の3とかいう試合をちょこちょこやれば一気に打率は上がるが、今年のイチローはほぼ代打専門。
率を上げていくためには、好調を続けなければならない。
それができるようにはとても思えなかった。
それは、私だけではないと思う。

9月20日のメッツ戦を終えて、イチローの打率は.263
2割5分を大きく超えている。
7月~9月の打率は3割台。
19日の試合では、2安打と17年連続敬遠、
20日の試合では、最終回に同点タイムリー。
この人、いったい何なんだ。

前半の成績を見ると、本人の意思とは関係なく、現役続行は難しいものと思えたが、
ここまで上げてくれば、来年も続けることに奇異の目を向ける人はいないだろう。
ファンとしては、いつまでも見ていたい。
そして、来年も予想を覆してほしい。
来年も、「何なんだ!」と思わせてほしい。
イチローが言う50歳までは、まだ何年もある。

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下がるよりはいいけれど  ~ 衆院解散で株価急騰の不思議 ~ [経済を眺める楽しみ]

連休明けの東京株式市場は、全面高の様相となった。
20,000円の節目などまるでなかったかのように上昇し、終値は20,299円の年初来高値。
急騰と言っていい。

アメリカの株高、円安、地政学的リスクの後退などの要因もあるが、この上昇の原因は何といっても一気に具体化した衆議院の解散。
まだ首相の口から語られたわけではないが、すでに市場では既成事実となっている。

では、なぜ解散となると株価が上がるのか。
理由とすると、
その1
「安倍政権の勝利が予想され、金融緩和を行うアベノミクスが継続される期待が高まり、円安・株高材料になった」
その2
「経験則から、解散は株高につながるという連想が広がった」
といったところだろうか。
なんでも戦後の解散日から投票日にかけての値動きは全23回のうち18回で上昇し、直近の9回中8回で上昇しているのだという。
ここまではっきり傾向が出ると、それは乗りやすいだろう。

大義なき解散と言われ、現段階では争点らしい争点も見えてこない。
政権交代が行われる可能性は非常に小さいと思えるし、ドラスティックな経済政策を掲げての解散にもなりそうにない。
つまり、選挙の結果は現状維持になる公算が大である。
それでいて株価が上昇するということは、市場は今の状況を居心地よく感じているということだろうか。
ちょっと不思議と言えば不思議である。

さて、これから選挙戦が進めば、消費税の行方や金融緩和の継続などについても議論となるだろう。
是非与野党には、真剣な議論をお願いしたい。
そして、マスコミもしっかり伝えていただきたい。
耳目を集める話題もあっていいが、総選挙のときくらい、地に足がついた経済政策論争を聞きたい。
これからの日本経済をどうしていくのかという真面目な討論を聞きたい。
そして、判断したい。

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映画評 「三度目の殺人」 [映画評]

いい映画を作るのは難しい。
いわゆる巨匠が作れば必ずいい映画になるものではないし、
深刻な題材を扱えばいい映画になるものでもないし、
金をかければいい映画になるものでもない。
いい脚本、いい役者、いい監督という必然に、
いろいろな偶然が重なって、初めていい映画が生まれるのではないかと思う。

是枝裕和監督は、日本でも屈指の信頼感の高い監督である。
「誰も知らない」「そして父になる」「海街diary」「海よりもまだ深く」
と、評価の高い作品を次々に生み出している。
それでいて、一部のマニア受けではなく動員にもつながっている。
これはすごいことである。
そして本作「三度目の殺人」も、素晴らしい作品であった。
いい映画を作るのは難しいが、「いい映画」という枠さえも超えた作品であった。

裁判劇であるが、誰も救われない。
真実も、どこにも見えてこない。
誰が本当のことを言っているのか、
誰も本当のことを言っていないのか、
誰が誰を守ろうとしているのか、
何もわからない。
自分が考えるしかない。

はじめは、被告に寄り添うより裁判に勝つことだけを優先している福山雅治さん演じる弁護士が、一番冷たい存在に見えた。
しかし、いろいろな人の証言で振り回され、真実を探していくうち、最も人に近づこうとする人間になっていった。
だが、近づこうとすればするほど、真実は遠ざかり、人も遠ざかる。
正しい人間も、
正直な人間も、
どこにもいないようにさえ見えてくる。
それでも、裁判は進み、判決は出る。

被告役の役所広司さんは、いつも通りの、いやいつもにも増しての名演。
得体のしれない人間を、時に弱く、時に激しく、そして人間臭く演じられた。
いつもはつらつとしている広瀬すずさんは、今回は抑えた演技。
李相日監督の「怒り」に続き、陰のあるシリアスな役どころだが、こういうのもきっちりこなして、女優としての幅を広げている。
話題の斉藤由貴さんが、なんだかそれっぽい役で出演されているのはご愛敬。

「三度目の殺人」というタイトルが何を意味しているのかも、人によって解釈が分かれるだろう。
意味深なタイトルで、
「チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」
奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール 」
などとはずいぶん違う。(両作とも嫌いではありません)
このタイトルの意味を考えるだけで、映画がさらに深まる仕掛けになっている。

いろいろな見方ができる映画で、人によって受け取り方が違うだろう。
観終わった後で話をしてみたら、「ああ、そういう見方もあるのか」「へえ、そう感じたんだ」などと映画がさらに広がるのではないだろうか。
2時間の尺の中に、いろいろな要素が散りばめられている。
どったんばったんした急展開はないが、映画的な楽しみ、悦びに満ちた良作である。

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大義なき解散を批判するなら この機会に憲法を見直しては? [ヨモヤ]

安倍総理が、臨時国会冒頭にも衆院を解散するという公算が高まっている。
産経、朝日と「両サイド」が報じており、この流れはもう止まらない、止められないという声もある。

「なぜこの時期か?」
という問いには、「自民党が勝てそうだから」との説明がなされている。
内閣支持率が復調する一方、
対する民進党はゴタゴタ続き、
小池新党も準備が整わない、
というタイミングにあり、今なら勝てるとの目算から解散されるというのである。

選挙は勝たなければどうにもならず、勝てる時期を選ぶのは合理的であろうが、それでも政権を守るためだけに解散するというのは納得が得られにくいだろう。
「加計学園などの疑惑隠しだ」
との声は上がるだろうし、それ以上に、
北朝鮮情勢が緊迫する中での政治空白には疑問も多い。

とは言っても、解散は首相の専権事項であり、いわば「伝家の宝刀」。
これを持っているからこそ、首相は強いのだとも言える。

さて、衆議院の解散については、憲法に次のような規定がある。
第69条  内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

この条文は、不信任案の可決、信任案の否決の場合の自動的な解散を規定している。
では、総理が自由に解散できることが憲法のどこかに書いてあるかというと、そうではない。
あくまでも解釈によって、首相の専権事項とされているのである。

まだ解散が決まったわけではないが、この時期の解散には、客観的に見て「大義」がない。
そんなものなくてもいい、と思う人もいるだろうが、首相の専権事項だからといって、恣意的に解散権が使われることへの抵抗を感じる人も少なくないだろう。
しかし、今の法律の規定では、首相が思いつけばいつでも解散ができる。
それこそ、一年に複数回の解散だって可能である。

そんな馬鹿な、と思うのなら、憲法ごと見直してはどうだろう。
解散権についての規定を明文化し、誰が、いつ、どのようなタイミングや案件でのみ解散できると書き込んではどうだろう。
憲法改正というと、途端にアレルギー反応を示す方が少なくないが、そういう方の多くが今回の解散に批判的だと思う。
戦前回帰だなどと思考停止して騒がずに、不備なところから直していくきっかけにしてはどうだろう。

現在の制度では、解散権は、首相の「伝家の宝刀」であり、力の源泉である。
それはわかるが、きっちり4年間政権を維持し、課題を解決していくという当たり前のことが前提されていないのが残念である。
必ず3年ごとに選挙がある参議院のあり方も含め、見直すべきことは山ほどあるように思うのだが、一歩も動かない。
現行制度の居心地がいい、という人が大勢おられるからなのだろう。
機能しているとはとても思えないのだが。

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パの5球団は恥じるべき  ~ 補強できないのなら退出も視野に入れて欲しいくらい ~ [ヨモヤ]

ソフトバンクが、2年ぶり20度目のリーグ優勝を決めた。
9月16日での優勝決定は、史上最速だという。

最速優勝を決めるくらいだから当然なのだが、他の5球団をブっ千切っている。
2位の西武に14.5ゲーム差である。
14.5ゲーム差ということは、一方が15連勝し、他方が15連敗してようやく追いつくということであり、もはや別次元。
一時は競り合っていた楽天とは17ゲーム差、
4位のオリックスとはなんと29ゲーム差である。
さらに5位の日本ハムとは38ゲーム差、
最下位のロッテとは43ゲーム差。
こうなると、同じプロ野球とは思えない。

なぜこんなことをことさらに書くかというと、来年も同じ6球団でペナントレースが行われるからである。
ソフトバンクの選手には油が乗り切った選手もいれば、これからさらに伸びてくる選手もいる。
来年、さらに強さが増す可能性もあるということだ。
残りのパの5球団は、普通にやったらまた負ける。
ボロボロに負ける。

ファンは、そのチームが好きで応援しているのであり、弱いからというだけで嫌いになったりはしないかもしれない。
しかし、今年のようなペナントを毎年見せられたら、さすがに興が醒めまくる。

さらに言えば、ファンはチームを応援しているのであって、親会社を応援しているのではない。
もし資金がなくて補強ができないというのなら、球団経営から手を引くことも考えていただきたい。
親会社が変わっても、チームが残ればファンとしては問題ない。
むしろTBSからDeNAに変わって大成功したのと同じようなことが起きる可能性もある。

もちろん、お金を使えばチームが必ず強くなるというものでもない。
ソフトバンクにしても、豊富な資金力で補強をしているように見えるが、実際にメンバーを見ると、ほとんどが自チームで育成した選手である。
しかも、千賀をはじめ、育成からどんどん活躍する選手を生み出している。
だから、お金を出してFAで補強したり、名の知れた外国人を獲ったところで、額面通り働くかどうかはやってみないとわからない。
それにしても、とりあえず来年戦えるだけの戦力を揃えなければどうしようもない。
5月終了段階くらいで先がはっきり見えるシーズンにはしないでもらいたい。

ソフトバンクのように強くて、地元に支えられているチームがあるのは、パにとって幸運である。
強過ぎると弱音を吐くより、目標とできるチームがあることを喜ぼう。
そして、来年こそは、いいペナントを見せてもらいたい。
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消費税への嫌悪感は健在 [公会計]

ここに来て、各種世論調査で安倍内閣の支持率が上昇している。
人気が上がるような大きな意思決定をしたとも思えないのだが、春先に下がり過ぎた反動だろうか。
若しくは、実感がないと言われながらも続く景気の拡大が、現政権の支持につながっているのだろうか。

この経済状況を見て、
「消費税を引き上げない理由がない」
「消費税を引き上げる条件は整っている」
などと主張する方も多いが、国民の中にある嫌悪感は全く消えていない。

時事通信の世論調査で、2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げについての項目があったらしいが、それによると、
「引き上げを見送るべきだ」が58.1%
「予定通り引き上げるべきだ」が34.3%
だったという。
痛みを伴う政策だから反対が多いのは当然と言えば当然だが、現在の財政状況や経済状況などを踏まえてもやはり反対というのだから、これは永久に賛成してもらえない政策なのかもしれない。

消費税については、すでに2回延期されている。
もし再度延期されても、それほどの驚きはない。
いや、多くの人が再延期を予想しているだろう。
国の財政が厳しいのは誰もが承知しているが、こうなっては消費税以外の選択肢をしっかり探るべきではないだろうか。
上げる上げると言って延期するということの繰り返しより、すっぱりあきらめて別の財源を探った方が建設的である気がする。

消費税を上げられないから財政再建ができない、
ではなく、まずは王道の歳出削減を行い、合わせて日本にふさわしい税制を探る。
当たり前のことなのだが、もう何十年もそれができていない。
財務省が予算を作るというやり方自体を見直す必要があるのかもしれない。

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日本が人の育成に資本を投じなくてどうする  ~ 国際比較は恥ずべき結果 ~ [経済を眺める楽しみ]

日本は天然資源に恵まれていない。
だから、人が頑張るしかない。

日本は人口が減り、高齢化が進んでいく。
だから、人を大切にしていかなければならない。

当たり前のことなのだが、それができているだろうか。
ここで発表された国際指標からは、どうもできていないようだ。

まず、経済協力開発機構(OECD)が発表した、加盟各国のGDPに占める教育機関への公的支出の割合について。
日本は3.2%で、なんと34カ国中、最低となってしまった。
高等教育でも幼児教育でも、日本は、諸外国と比べると私費負担がやたらと重いようなのだ。
日本が教育に力を入れなくてどうするのかと思うが、実態は他国に置いて行かれている。
平均より低い、とかではなくて、最低である。

また、世界経済フォーラムが示した、それぞれの国がどれだけ健康で教養のある人材を育成して維持できるかを示す「人的資本指数」でも、日本は前年の4位から17位に急落した。
なんでも、女性の社会進出が遅れている点が不利に働いたのだという。

もちろん、こうした国際指標には疑問もある。
国情や文化、歴史はそれぞれであり、単純な比較は意味を持たないことが多い。

それでも、である。
日本は、人に投資していかなければ成り立っていかない。
これまでは、過去の遺産で何とかやってきた感があるが、これからはそうはいかない。
むしろ、他を圧するくらいに人に資本を集中していくべきであろう。

お金の使われ方がいびつなのだと思う。
消費税を上げる上げないも大切だが、使われ方を見直すことが優先であろう。
それがなされていることも知っているが、今回示した結果を見てもわかるように、他国はずっと先に行っている。
もっと抜本的にやらなければ。
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映画評 「散歩する侵略者」 [映画評]

「散歩する侵略者」は、国際的に評価の高い黒沢清さんの監督作。
黒沢作品では、「クリーピー 偽りの隣人」も「リアル~完全なる首長竜の日~」も全くピンと来なかったのだが、今作は楽しく見ることができた。

「散歩」というのどかな言葉とかみ合わないが、これは宇宙人による地球侵略の話。
しかし、ハリウッド製のSF大作ではなく、つながりの物語である。
宇宙人は残忍極まりないのだが、なんとなく憎めなかったり。

不思議な雰囲気のある映画で、
舞台のようにも見えるし、
ヒチコック的にも見えるし、
古い日本映画の空気も感じる。

黒沢作品らしく、というべきか、へんてこりんな展開もある。
宇宙人を追う組織の間抜けさや意味のなさは、狙ってやっておられるにしても、興をそぐ。
まあ、パロディみたいなもの、と理解するのだが。

残念だったのは、ラストに後日談的な付足しがあったこと。
あの部分はなくして、いったいどうなったんだろうと観客に考えさせた方がよかったのではないかと思う。
それはそれでもやもやするだろうが。

主演の夫婦に松田龍平さんと長澤まさみさん。
松田さんはとぼけた感じを巧みに出され、
長澤さんもやるせなさをにじませておられた。
それでいて、どこかおかしいのがこの映画。
「トリガール!」でさわやかなイケメンを演じていた高杉真宙くんが、あっけらかんとした宇宙人を演じている。
ジャーナリスト役の長谷川博己さんとの掛け合いが楽しい。

「散歩する侵略者」は、不思議な魅力を持つ怪作。
スカッともしないし、ハラハラもしないかもしれないが、映画全体を包む漠然とした不安が、どこか心地よい。
観る人を選ぶ映画かもしれないが、私は楽しかった。

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120キロプロジェクト 残り1か月 [120キロプロジェクト]

50歳過ぎ腰痛持ちの私が、勝手に取り組んでいる120キロの速球を投げるプロジェクト。
寒くなる前の10月をゴールと設定し、
4月に80キロからスタートし、5月90キロ、6月95キロ、7月100キロ、8月105キロと伸ばしていく予定で開始した。
途中、予想通りの腰痛発症の危機もあったが、いろいろな人のサポートをいただきながら、中間目標はすべてクリアしながら進めることができた。
残りあと1か月。

10月に120キロを目指すのなら、9月は115キロくらい投げておきたいところだが、今月の計測はしない予定である。
なぜなら、110キロを超えて投げようとすれば相当無理をせざるを得ず、そうなるとそこで体が悲鳴を上げる心配があるからである。
どうせ体を壊すとすれば、最終チャレンジの日がいい。
今は、よりよいフォームを探すことに心がけながら、怪我をしないことに注意を払いたい。
なんだか後ろ向きだが、体と相談しながらというのも、年齢相応の進め方である。

あと1月となり、これまでを少し振り返ってみる。
速い球を投げるには、まず肩を作る必要がある。
お付き合いいただける方のご協力で昼休みにキャッチボールをして、少しずつ積み上げてきた。
毎日投げるとやり過ぎな気がしたので、投げるのは週2回くらい。

今年の夏は雨が多く、外でキャッチボールができないことも少なくなかった。
そうしたときは、バッティングセンターで投げた。
お世話になっているのは、
守備練習も出来、スピード測定も行って来た狭山スポーツセンターと、
狭山スポーツセンター.jpg
駅から歩いて行ける狭山スポーツスタジアムである。
埼玉スタジアム.jpg

自宅では、上半身を細々と鍛えた。
本当は走ったりも方がいいのだろうが、腰痛のためできない。
だから、コツコツとアルインコのマルチチューブを引っ張ってきた。
立ってやると腰が痛くなるので、座ってやるのがコツである。

やり過ぎて両サイドがちぎれてしまったので、現在は2代目を使っている。
ゴム.jpg
これがスピードアップにどれだけつながっているのか不明だが、そういえばこの頃肩が凝っていない。
チャレンジの成功云々はともかくとして、アルインコのマルチチューブはお勧めである。

さて、10月の本番は、東日本野球のメッカ、東京ドームシティ内にある「スポドリ!」を予定している。
一発勝負で決めたいと思っているが、惜しかったりしたら、女々しくも再チャレンジするかもしれない。
逆に、110キロもいかないようなら、それはそれであきらめよう。

全く個人的に勝手に始めたプロジェクトだが、協力してくださったり、見守ってくださったりする方もいてくださる。
皆さんのためにも、というほどのものではないが、お時間、お気持ちをいただいたことを忘れず、最後まで頑張りたい。

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映画評 「君の膵臓をたべたい」 [映画評]

「君の膵臓をたべたい」という小説が嫌いだ。
気色の悪い展開の連続で、最後まで読み通すのが苦痛だった。
だから、映画化されても観に行く気はなかった。
あの小説を映画でなぞりたいとは全く思えなかったからである。

しかし、映画はヒットした。
ジョジョ」や「東京喰種」といった大作がすってんころりんしていくなか、公開7週目でも興行成績第7位。
いわゆる「腰の強い」動員となり、興収は30億円を突破。
わかりました、わかりました、食わず嫌いせず、観てみます。

映画は、小説と比べるとぐっと良くなっていた。
小説のダメなところが上手に緩和され、「観られる」内容だった。
個人的には大コケした「ジョジョ」の方が好きだが、本作がヒットするのもわかる気がした。

なんといっても、主演の浜辺美波さんがいい。
映画のなかで「クラスで3番目にかわいい」と言われるシーンがあるのだが、失礼ながらそのとおりで、圧倒的にかわいいわけではない。
だが、その演技で映画をグイグイ引っ張っていく。
へんてこりんな役に説得力を吹き込んでいた。
そういえば、「咲 -Saki-」でも主役を張って麻雀を打ってた子だ。
共演の北村匠海くんの演技もいいのだが、「クラスで一番地味な男の子」という設定の割にイケメン過ぎるのがいかがなものか。
映画だから、見た目のいい人を主演に持ってこなければならないという事情はわかるが、真剣に向き合うのなら、別のタイプの俳優を使うべきだったと思う。
というわけで、小説よりはいいが、まあその辺りの映画である。
いい映画を作りたい、作らなければいられない、という執念はうかがえない。

出演陣で気になったのは、「トリガール!」に続いて見かけた矢本悠馬さん。
私の大好きな「ちはやふる」メンバーである。
矢本さんは27歳だが、「トリガール!」では大学生、本作では高校生を演じている。
今やコミカルな役どころは、矢本さんに集中している感じである。

不治の病ものは、映画の定番中の定番である。
昔も今も、繰り返し作られている。
ド定番だけに、ひねらなければ見向きもされないところであり、本作は「え?」と思わせるタイトルと、明るく元気な主人公という新機軸で当たりを取った。
現実に病と闘っておられる方からすれば、なんじゃこれ、だろうが、ファンタジーとして楽しむべきものであろう。
本作の場合、原作のヘンテコさを脚本でなんとかしているうちに、別のヘンテコさが出てしまっている。
まあ、あまりシリアスにとらえず、ひたすら浜辺美波さんを楽しむ作品だと思う。

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