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斎藤、大石、福井の生の声、素の顔が見たかった [ヨモヤ]

毎年、ドラフトは胸が高まるものだが、今年はより一層。
高校時代にハンカチ王子として人気をはせた斎藤を筆頭に、同じく早稲田の大石、中央の沢村など、大学生に即戦力とされる投手が揃ったからである。

最注目は、もちろん、斎藤。彼の存在が、この世代のレベルを引っ張り上げたとも言われている。
結果、4球団競合の末、日本ハムが交渉権を獲得。沢村は巨人が単独指名。
早稲田大学は、斎藤、大石、福井と3人の投手が1位で指名されるという、ある種快挙を達成した。

しかし、残念だったのは、彼らの会見が開かれなかったことである。
2日後にリーグ優勝が懸かる早慶戦を控えていることがその理由であり、わからなくもないし、大学の方針にとやかく言っても仕方がないが、それでも残念であることに変わりはない。
マスコミは、再三、会見を申し入れたらしい。まあ、そりゃそうだろう。
早大は広報室を通じて
「複数の球団から高い評価をいただき、その中で日本ハムの指名を受けたことに感謝します」
という斎藤のコメントを紙で出したというが、字でもらっても何も感じられない。

大学という教育の場で、優先すべきものはほかにあるという判断なのだろうか。
誰が、どういう理由で、会見しないという方針を決めたのだろうか。
選手達は、会見したくないと思っていたのだろうか。

慶応大学の江藤省三監督は
「よその学校の方針だけに何とも言えないが、選手にとっては最大の晴れ舞台。うちならやるつもりはある」
とおっしゃったという。
胸に落ちる言葉である。
3投手とも、プロへ進む夢を持ってずっと野球をやってきただろう。野球少年として、ドラフトでの清原の涙や野茂の晴れやかな笑顔を覚えてもいるかも知れない。
ドラフト直後の生の言葉、素の表情を見せる機会は、その場しかない。あとになってから感想を述べても、誰の記憶にも残らない。

私も、大学野球のリーグ戦の真っ只中であり、日本シリーズの直前であるこの時期にドラフト会議を行うことに、違和感を覚える。
しかし、それはそれとして、選手達の晴れやかな、ひょっとしたら複雑な表情を見たかった。
実に残念である。
取り返しがつかないだけに、実に残念である。

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