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書評 「鉄の骨」 [読書記録]

このゴールデンウィーク中に、何か手ごたえのある本を読みたいなと思っていたところ、図書館から予約資料の準備ができたとのメール連絡。
受け取りに行ってみると、ハードカバーで500ページを超えるボリューム。
よし、これを読んでみるか、と。

というわけで、何日かかけて読むつもりだったのだが、池井戸潤さんの「鉄の骨」は、なかなかに興味深く、すらすらと一日で読めてしまった。
これでは、GW後半もなにかガツンと読まなければ・・・

500ページを超える分量をぐいぐい読ませるのだから、面白かったのは確かだろう。
役所に勤める身としても、入札の現場や官製談合の実態など、真に迫るものがあったように感じる。
また、中堅ゼネコンに勤める主人公の悩みや戸惑いや怒りも、よく理解できた。
役所の職員や銀行員の描き方はちょっとステレオタイプで興醒めなところはあるが、わかりやすくはある。

ただ、小説という点では、もう一つだったのかな、という気がする。
少なくとも傑作という感じはしない。
いろいろな伏線が張ってあったのだが、十分な回収がされたかというと、正直尻切れなイメージはぬぐえない。
魅力的に描かれていた登場人物たちも、その退場はあっけなく、なにやら不完全燃焼。
物語も昇華した感はなく、バタバタっと終わってしまった。
残念というかもったいない。

池井戸さんは、「下町ロケット」で直木賞を受賞されるなど、今乗っている作家のひとりである。
私にとっては、今作はもうひとつであったが、経済の現場に熟知した小説家として、いつかほかの作品も読んでみたい。

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葦立 茂蔵

 この方、単行本から文庫本に代わる段階などでも、相当に推敲を繰り返されると聞いたことがあります。
 今度「下町ロケット」を読んでみようかと思います。
by 葦立 茂蔵 (2012-05-04 10:37) 

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