So-net無料ブログ作成
検索選択

映画評 「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」 [映画評]

映画を楽しむための鉄則は「期待し過ぎないこと」と、このブログにも何回か書いてきた。
ついその鉄則を忘れて、きっと面白いはず、などと期待して劇場に行ってしまうと、先日見た「プロメテウス」のときのような途方もない失望につながる。

私は、熱烈な、というわけではないが「踊る」のファンである。
劇場版は、すべて劇場で見てきた。
しかし、素晴らしかった第1作から、2作目、3作目とだんだん質が下がってきて、特に満を持して公開したはずの3作目のひどさは目を覆いたくなるほどだった。
シリーズ最終とうたわれた今作も、ネットで試写会などでの評判を読むと、惨憺たるものだった。
私は、8月の20日過ぎには期待を表明していたのだが、そうしたネットでの評価を見て、期待しないように気をつけた。
きっと、どうせ、つまらない。
あの3作目からして、もう面白いものは作れない。

(ちなみに8月のブログはこちら)
http://matoko.blog.so-net.ne.jp/2012-08-24

と、ここまで目線を下げたことで、結果的に映画を楽しむ鉄則を踏まえたことになった。
もちろん、完全な映画ではなかった。
いろいろ言いたくなるところはある。
「おいおい」と思わせるところはある。
もう少し真面目に詰めてくれよ、と顔をしかめるところもある。
しかし、「踊る」は「踊る」として楽しませてくれた。
十分楽しませてくれた。

最初のシーンから、シリアスさとはかけ離れた漫画的な光景が展開される。
ただ、「始まったものが終わる」という寂しさの暗喩になっているので、心には届く。
そして、あのオープニングテーマ。
まったく、なんという曲なのだろう。
あのメロディが響くだけで、心が騒ぐ。
なにがしかすごいことが起こるような、胸の高まりが抑えられなくなる。
「踊る」のよさの何割かは、このテーマが占めているのではないかと思わせる名曲である。

ストーリーは、相変わらずのハチャメチャぶり。
リアリティはまるでない。
警察上層部の品の悪さはいつもの通りだが、ちゃんと見ている方をイライラさせてくれた。
悪が立たないと青島の青臭い正義が生きてこないが、そこはしつこいほどいらだたせてくれた。

くすっと笑えるところもいくつも。
劇場内は、いつもより、少し年齢が高めだったように思う。
私も含め、おじさんおばさん、という世代が多かった。
そして、ちょっとしたくすぐりに、劇場はしっかり反応した。
みんな、「踊る」が好きなのだ。

上層部に抗議するために立ち上がり、犯罪を起こしてしまう警察内部の人間たちの描き方は、あまりにも中途半端。
ここは惜しい。
もう少しなんとかならなかったか。
そうすれば、傑作の領域にまでたどり着けたかも知れないのに。

最後のすみれさんの大立ち回りも、さすがにいくらなんでも。
まあ、見せ場としてはすごかったが。

ほかにも、なんやかんやたくさんある。
完璧な映画、作品としての完成度、などを求めるのなら、まったくのダメダメ映画である。
しかし、見る人を楽しませる、という点では、きちんとラインは超えていた。
3作目はもちろん、空前の大ヒットとなった2作目よりも、今作の方がよかったと思う。
ファイナルを銘打った作品で、おおこけしなくてよかった。
本当によかった。
映画途中で、おめでとう!ありがとう!と大声で言いたくなるくらいだった。

本編が終わり、「Love Somebody」のメロディが流れ、これまでのいろいろなシーンが映し出される。
あんなこともあった、こんな人も出ていた、と懐かしく思う。
終わってしまうことへの寂しさが募る。
曲が終わり、劇場が明るくなって、本当に終わりなんだ、と劇場の人が了解するまで少し時間があった。
最後の最後で、やっぱりまだ何かが続きそうです、的な映像があることをどこかで期待していたのだろう。

スタッフ、出演者の皆さんには、このような超人気シリーズを続けることの、途方もないプレッシャーがあったと思う。
そんななか、今作は、有終の美を飾ったと言っていいのではないだろうか。
皆さんの努力に、敬意を表したい。

何年か後、いや何十年か後でも、「踊る」の続編が作られたら、私は喜んで見に行く。
青島さん、すみれさん、室井さん、真下さん、それからあの人にもあの人にも、私はまた会いたい。
いつか、そんな期が熟す時を、期待しないで待っていよう。
nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(1) 

nice! 0

コメント 2

葦立 茂蔵

 淋さんの思い入れが感じられる長めの文章でしたね。

 ところで、多分このブログを読んでいる人の9割は知らないと思いますが、昔土曜日のお昼に「笑って笑って60分」というジェリー藤尾ファミリーの番組があって、そこにはゴールデンハーフスペシャルのエバという女の子や、今は笑点の座布団運びの山田隆夫がリーダーをしていた「ずうとるび」の江藤というキャラが出ておりました。
彼らのコントに、つまらない事があってふてくされている江藤に、エバが「そういう時には踊るんだよー」、「踊るー?」というのが有ったことを思い出しました。毎回同じパターンがあったように記憶してます。

 長い文章の割には落としどころ無く、つまらなくて失礼しました。
by 葦立 茂蔵 (2012-09-11 01:21) 

淋

エバちゃん、いましたね。
今でいうと、ローラみたいな感じでしょうか。
by (2012-09-12 00:19) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この記事のトラックバックURL:
メッセージを送る