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映画評 「沈黙 -サイレンス-」 [映画評]

マーティン・スコセッシ監督の「沈黙 -サイレンス-」を見た。
マーティン・スコセッシと言えば、「タクシー・ドライバー」「レイジング・ブル」「ケープ・フィアー」などで知られる巨匠。
原作は、遠藤周作の代表作。
キリスト教徒であった著者が、
神とは、信仰とは、赦しとは、といった重いテーマを描いた作品であり、
それをスコセッシ監督ががっちり受け止めている。

終始暗いトーンの映画であり、
最後に救われることもない。
辛く苦しい時間が経過していく。
本当に、延々と続いていく。
しかし、このキツイ原作に正面から取り組み、
逃げも隠れもせず、
正々堂々と組み合っている姿には感服せざるを得ない。
妥協のない、いい映画だった。

楽しくはないし、
爽快な気持ちには絶対なれない。
だが、スコセッシ監督の題材から一歩も引かない気持ちに吸い寄せられる。
この原作を映画化したら、こういう作品になる。
まったくポップではないし、多くの客を呼ぶとも思えないが、いいものを作ろうとしたらこうなる。

さて、本作ではどうしても日本人俳優の活躍に目が行く。
窪塚洋介さんは、非常に大切な人物を演じていて、これが再ブレイクのきっかけになればいいと願うが、今一つ行動が理解できないため、感情移入ができなかった。
この映画での数少ない不満点でもある。
窪塚さん自体は頑張っておられたと思うが。
信仰に殉じる純朴な男を演じる塚本晋也さんは素晴らしかった。
また、一番の悪役をイッセー尾形さんが演じていたのがはまっていた。
今、グイグイ来ている若手女優の小松菜奈さんも出演しているのだが、出ていると知らなければ見過ごしていたかもしれない。
日経の映画評に「汚れ役」とあったので、遊女か何かを演じているのかと密かに期待したが、言葉通りに泥などで顔が汚れた役だった。
大男役で、高山善廣さんが出ていたのはちょっとクスッとした。

「沈黙 -サイレンス-」は、重い作品である。
何故、神は沈黙しているのか、という根源的な問いに加え、
日本において宗教が成立するのかといったテーマも投げかけられる。
痛快ではないが、見る価値のある優れた作品である。
今の時代に、
この題材を、お金と時間をじっくりかけて、しっかりと映像化しようとする映画魂に敬意を表したい。
アメリカ映画の底力は、こういうところにある。

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ポン太

まさにそのとおりでした。


信じるもののために、信じるからこそ、その信じるものを棄てた姿に、言葉を失いました。彼は正しいのか、正しくないのか、いろんなことが同時に心に浮かんできました。深く考えさせられる映画でした。
by ポン太 (2017-01-30 19:56) 

淋

見る側の覚悟も問われるような映画でしたね。
by (2017-01-31 03:41) 

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