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映画評 「彼らが本気で編むときは、」 [映画評]

荻上直子さん監督の、「彼らが本気で編むときは、」を観た。
「かもめ食堂」「めがね」でお馴染みの監督で、登場人物への温かいまなざしが特徴と言えるだろう。
LGBTをテーマとして映画を撮られることに違和感はない。

この映画、何と言っても、女性として人生を歩もうとしているトランスジェンダーの主人公を、生田斗真さんが演じているのが話題である。
生田さんと言えば、年末には「土竜の唄」で、ふんどしで「バッチ来~い!」と叫んでおられた。
この振り幅が生田さんの魅力であろう。
映画俳優として、どんどん大きくなっていただきたい。

物語は、奔放に暮らす母親が、何度目かの家出をしてしまい、小学生(11歳)の女の子トモが置き去りにされたところから始まる。
トモが、預かってもらう叔父のマキオの家を訪ねると、彼は恋人リンコと生活していた。
トランスジェンダーのリンコに、はじめトモはドン引きだが、だんだん互いにひかれてき・・・
というストーリーである。

トモは、どうしようもない母親には頼らない覚悟をしており、強い女の子を装っている。
しかし、そこは11歳であり、弱い面も多々ある。
そんな揺れ動く年頃を、子役の柿原りんかさんが懸命に演じている。
彼女の存在が説得力を持つかどうかにこの映画の成否はかなりかかっており、その大切な役割をしっかりやりきられたと思う。

叔父のマキオ役は、売れっ子の桐谷健太さん。
テンションの高い役が多かった気がするが、この映画では落ち着いた演技。
こういうのもいい。

出演陣では、田中美佐子さんを久し振りに見られたのがうれしかった。
最初、よく似た人かなと思ったが、やはり田中さんだった。
もう60近いということに驚きだが、年相応であり、かつ、お綺麗だった。

映画では、性的少数者を、弱者として描き、傷つきやすく純粋なものとしている。
一方、いわゆる「世間」は、偏見に満ちていて、冷たい。
現実、そういう面もあるかもしれないが、この描き方がステレオタイプに過ぎて、面白味がないばかりでなく、映画の深みも与えられていない感がある。
2時間に収めるためには、わかりやすさも必要であり、あっちもこっちもというのは難しいと理解するが、もうワンパンチ欲しかった気がする。

この映画は、カップルで観てもいいし、親子連れで観るのもありだと思う。
いい意味でも悪い意味でも、安心して観ることができる。
一方、とんがった映画、小さくても輝く佳品、を求めるとちょっと肩すかしかもしれない。

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