12月下旬の読書記録 [読書記録]
12月下旬の読書記録は以下のとおり。
別に目標に掲げたわけではなかったのだが、結果として、一日一冊ペースで一年間を通したことになる。
実際には多少貯金もあるのだが、365冊を読んだ。
正直、読むのが速い方だとは思わない。
速読術も持っていない。
下記で言えば、「予想どおりに不合理」については、一週間くらいかかって読んだ記憶がある。
ただ、並行して何冊も読んでいるので、ひとつの本にかなりの日数がかかっても、すぐ読めてしまう本もあるので、トータルでは一日一冊ペースになっている。
感覚としては、面白く、ためになる本ほど、時間がかかる。
さくっと読めてしまう本は、それはそれで気持ちがよくはあるが、あまり残らない。
数より良書をじっくり読むことが、いい読書であると改めて肝に銘じよう。
12月16日 「ファシリテーション入門」 堀 公俊
12月17日 「今がわかる時事用語」
12月18日 「Hamburgers」 Key Hetherly
12月19日 「観光都市たいとう」 大東文化大学法学部 中村昭雄ゼミナール
12月20日 「他人を見下す若者たち」 速水 敏彦
12月21日 「1枚で売れ」 青木 精一
12月22日 「呆然!これはびっくり地方自治ニュース」 チホウ政治じゃーなる編
12月23日 「勝つ経済」 宮内 義彦、田原 総一朗
12月24日 「予想どおりに不合理」 ダン・アリエリー
12月25日 「退職・転職で失敗しない方法」 清水 喜正
12月26日 「カップヌードルをぶっつぶせ」 安藤 宏基
12月27日 「電子書籍の衝撃」 佐々木 俊尚
12月28日 「投資の戦略」 ジム・ロジャース
12月29日 「ゴールデンスランバー」 伊坂 幸太郎
12月30日 「憲法なんてしらないよというキミのための日本の憲法」 池澤 夏樹
12月31日 「KAGEROU」 齋藤 智裕
別に目標に掲げたわけではなかったのだが、結果として、一日一冊ペースで一年間を通したことになる。
実際には多少貯金もあるのだが、365冊を読んだ。
正直、読むのが速い方だとは思わない。
速読術も持っていない。
下記で言えば、「予想どおりに不合理」については、一週間くらいかかって読んだ記憶がある。
ただ、並行して何冊も読んでいるので、ひとつの本にかなりの日数がかかっても、すぐ読めてしまう本もあるので、トータルでは一日一冊ペースになっている。
感覚としては、面白く、ためになる本ほど、時間がかかる。
さくっと読めてしまう本は、それはそれで気持ちがよくはあるが、あまり残らない。
数より良書をじっくり読むことが、いい読書であると改めて肝に銘じよう。
12月16日 「ファシリテーション入門」 堀 公俊
12月17日 「今がわかる時事用語」
12月18日 「Hamburgers」 Key Hetherly
12月19日 「観光都市たいとう」 大東文化大学法学部 中村昭雄ゼミナール
12月20日 「他人を見下す若者たち」 速水 敏彦
12月21日 「1枚で売れ」 青木 精一
12月22日 「呆然!これはびっくり地方自治ニュース」 チホウ政治じゃーなる編
12月23日 「勝つ経済」 宮内 義彦、田原 総一朗
12月24日 「予想どおりに不合理」 ダン・アリエリー
12月25日 「退職・転職で失敗しない方法」 清水 喜正
12月26日 「カップヌードルをぶっつぶせ」 安藤 宏基
12月27日 「電子書籍の衝撃」 佐々木 俊尚
12月28日 「投資の戦略」 ジム・ロジャース
12月29日 「ゴールデンスランバー」 伊坂 幸太郎
12月30日 「憲法なんてしらないよというキミのための日本の憲法」 池澤 夏樹
12月31日 「KAGEROU」 齋藤 智裕
国家公務員数の削減で思う [ヨモヤ]
今日で2010年も終わりだが、振り返ってみて、民主党政権への風当たりが一層強烈になった一年だった。
もちろん、一義的には内閣にその責任があるのだろうが、官僚側からの積極的な協力というのもあまりうかがえない。
危機感が共有されているようにも見えない。
民主党が衆院選マニフェストで掲げた項目のうち、「国家公務員の総人件費を2割削減します」という内容は、官僚の方々が嫌がりそうに見える。
しかし、それを掲げて選挙を闘い、支持を得た以上、子ども手当と同様に信念を持って貫かれるべきものであろう。
官僚の側も、協力してあたる必要がある。
あえて言うほどのこともない、あまりにも当然のことである。
人件費を減らそうとすれば、給料を減らすか人を減らすかの方策しかない。
2%の削減ならどちらかでも足りそうだが、2割となると、両方をやるしかないだろう。
その進捗はどうか。
総務省が、年末に2011年度の国家公務員定員の審査結果を発表した。
それによると、各府省の出先機関の減員などにより、11年度末の定員は10年度末に比べて1300人純減するという。
人の数だから、減るか増えるかしかないのに「純減」という表現を使っているところがあやしいが、減少は前進ではあろう。
しかし、その比率はどうか。
国家公務員数は30万人を超えているのに、減ったのは1300人。
これでは、1%にもはるかに満たない。正直、誤差の範囲であろう。
ちなみに地方公務員は、平成21年度では前年比41,231人の減少。
減少は、平成7年から16年連続になるうえに、単年度でも1.5%の削減となっている。
これで十分かどうかという議論はさておき、国家公務員数と比べ、かなり進められていることがわかるだろう。
にもかかわらず、国は地方の行革の甘さを指摘する。
まずは、自らを律することから始めないと、全く説得力がない。
このことに限らず、内閣と官僚組織が、一丸となっている様子がうかがえない。
新聞などによれば、官僚側はマニフェストに振り回されて借金が積みあがっていくことにいらだちを高めているのだとか。
その気持ちもわからないではないが、自分達の身を削らずにすべて政治のせいにしているのでは、少しも伝わってくるものがない。
すべての公務員が、国の将来のために当事者意識を持って取り組まなければならない時期だと痛感するのだが。
もちろん、一義的には内閣にその責任があるのだろうが、官僚側からの積極的な協力というのもあまりうかがえない。
危機感が共有されているようにも見えない。
民主党が衆院選マニフェストで掲げた項目のうち、「国家公務員の総人件費を2割削減します」という内容は、官僚の方々が嫌がりそうに見える。
しかし、それを掲げて選挙を闘い、支持を得た以上、子ども手当と同様に信念を持って貫かれるべきものであろう。
官僚の側も、協力してあたる必要がある。
あえて言うほどのこともない、あまりにも当然のことである。
人件費を減らそうとすれば、給料を減らすか人を減らすかの方策しかない。
2%の削減ならどちらかでも足りそうだが、2割となると、両方をやるしかないだろう。
その進捗はどうか。
総務省が、年末に2011年度の国家公務員定員の審査結果を発表した。
それによると、各府省の出先機関の減員などにより、11年度末の定員は10年度末に比べて1300人純減するという。
人の数だから、減るか増えるかしかないのに「純減」という表現を使っているところがあやしいが、減少は前進ではあろう。
しかし、その比率はどうか。
国家公務員数は30万人を超えているのに、減ったのは1300人。
これでは、1%にもはるかに満たない。正直、誤差の範囲であろう。
ちなみに地方公務員は、平成21年度では前年比41,231人の減少。
減少は、平成7年から16年連続になるうえに、単年度でも1.5%の削減となっている。
これで十分かどうかという議論はさておき、国家公務員数と比べ、かなり進められていることがわかるだろう。
にもかかわらず、国は地方の行革の甘さを指摘する。
まずは、自らを律することから始めないと、全く説得力がない。
このことに限らず、内閣と官僚組織が、一丸となっている様子がうかがえない。
新聞などによれば、官僚側はマニフェストに振り回されて借金が積みあがっていくことにいらだちを高めているのだとか。
その気持ちもわからないではないが、自分達の身を削らずにすべて政治のせいにしているのでは、少しも伝わってくるものがない。
すべての公務員が、国の将来のために当事者意識を持って取り組まなければならない時期だと痛感するのだが。
それなりの一年 ~東証大納会に思う~ [経済を眺める楽しみ]
今日の大納会をもって、今年の株式市場が幕を下ろした。
振り返ってみれば、去年の12月30日の終値が10,546円。
今日が10,228円だから、少し下がったことになる。
アメリカや中国のなどの高値更新振りから比べれば、世界的な株価上昇の流れには乗り損ねたとも言えるだろうが、この円高局面のなかでそれなりであったと言えなくもない。
少なくとも、ヨーロッパのような危機には陥らなかった。
まあ、こんなものなのだろうと思う。
良くも悪くも、10,000円近辺を行ったり来たりというのが、今の日本の実力なのだ。
大きく上がることなどあるわけがないが、かといって暴落するほどではない。
そんな感じ。
個々の銘柄を見ると、明日への希望が持てるものも多い。
今年度、来年度と売上を伸ばしていく見込みの企業が、それこそ山ほどある。
だから、投資をするのなら、そうした企業を選んで、株価が割高でないか確認すればいい。
全体を見てしまうと、日本経済を見誤る。
全体像として描かれる日本経済はお先真っ暗だが、実態はそうでもないようだ。
多くの投資家が、来年はいい年でありますように、と願いをかける。
そして、多くの場合、それはかなえられてこなかった。
だから、来年もそこそこでありますようにと願おう。
いい年などを願うのは、日本経済では分不相応なのだ。
来年も、そこそこの相場の中で、きちんと準備をした投資家がそこそこの利益を出していくという一年になるのではないか。
それでいいと思う。
振り返ってみれば、去年の12月30日の終値が10,546円。
今日が10,228円だから、少し下がったことになる。
アメリカや中国のなどの高値更新振りから比べれば、世界的な株価上昇の流れには乗り損ねたとも言えるだろうが、この円高局面のなかでそれなりであったと言えなくもない。
少なくとも、ヨーロッパのような危機には陥らなかった。
まあ、こんなものなのだろうと思う。
良くも悪くも、10,000円近辺を行ったり来たりというのが、今の日本の実力なのだ。
大きく上がることなどあるわけがないが、かといって暴落するほどではない。
そんな感じ。
個々の銘柄を見ると、明日への希望が持てるものも多い。
今年度、来年度と売上を伸ばしていく見込みの企業が、それこそ山ほどある。
だから、投資をするのなら、そうした企業を選んで、株価が割高でないか確認すればいい。
全体を見てしまうと、日本経済を見誤る。
全体像として描かれる日本経済はお先真っ暗だが、実態はそうでもないようだ。
多くの投資家が、来年はいい年でありますように、と願いをかける。
そして、多くの場合、それはかなえられてこなかった。
だから、来年もそこそこでありますようにと願おう。
いい年などを願うのは、日本経済では分不相応なのだ。
来年も、そこそこの相場の中で、きちんと準備をした投資家がそこそこの利益を出していくという一年になるのではないか。
それでいいと思う。
財務省が「何とかする」? [ヨモヤ]
ノーベル化学賞受賞者の野依良治氏と小林誠氏らが、菅首相を首相官邸に訪ね、来年度の科学技術振興予算が首相の指示で増額されたことに謝意を伝えられたらしい。
科学研究費補助金が過去最大の増額となったことについて、野依氏は「画期的なこと」とたたえられたという。
こうした謝意を受け、菅首相は、
「最初は大丈夫かなと思ったが、財務省は『何とかしろ』と言うと何とかする」
と述べられたらしい。
これは、財務省の労をねぎらうリップサービスなのだろうか。
おそらく、予算編成の時期には、ほとんど家に帰れないような状況になるだろうから、少しくらい褒められてもバチは当たらないかも知れない。
しかし、これが首相の本音だとしたら、ちょっと心配だ。
税収を上回る借金を計上する予算の中で、歳出を増やす作業は、民間で言えば採算無視で経費を増やすようなものである。それは、売上を増やすことに比べれば、その場の作業は明らかに容易い。
借金をしない中でやりくりをしたのなら話は別だが。
また、「何とかしろ」で何とかしてくれるのなら、
「国民生活に悪い影響を与えないように配慮しつつ、借金を大幅に減らせ」
といった指示を与えていただきたい。
言葉尻をとらえてとやかく言うのはとても美しくないことだが、
1000兆円にも積み重なる借金を抱え、景気もいつまでたっても回復しないという状況で、財務省が「何とかする」と言われると、どうしても「?」が頭の中に点滅する。
予算編成のあり方を、根本から見直すことが必要だと思うのは、私だけだろうか。
科学研究費補助金が過去最大の増額となったことについて、野依氏は「画期的なこと」とたたえられたという。
こうした謝意を受け、菅首相は、
「最初は大丈夫かなと思ったが、財務省は『何とかしろ』と言うと何とかする」
と述べられたらしい。
これは、財務省の労をねぎらうリップサービスなのだろうか。
おそらく、予算編成の時期には、ほとんど家に帰れないような状況になるだろうから、少しくらい褒められてもバチは当たらないかも知れない。
しかし、これが首相の本音だとしたら、ちょっと心配だ。
税収を上回る借金を計上する予算の中で、歳出を増やす作業は、民間で言えば採算無視で経費を増やすようなものである。それは、売上を増やすことに比べれば、その場の作業は明らかに容易い。
借金をしない中でやりくりをしたのなら話は別だが。
また、「何とかしろ」で何とかしてくれるのなら、
「国民生活に悪い影響を与えないように配慮しつつ、借金を大幅に減らせ」
といった指示を与えていただきたい。
言葉尻をとらえてとやかく言うのはとても美しくないことだが、
1000兆円にも積み重なる借金を抱え、景気もいつまでたっても回復しないという状況で、財務省が「何とかする」と言われると、どうしても「?」が頭の中に点滅する。
予算編成のあり方を、根本から見直すことが必要だと思うのは、私だけだろうか。
民主党が沖縄の役に立った [ヨモヤ]
残念な内容と結果だった2010のM-1において、唯一勝者となったのはスリムクラブ。
彼らの来年のブレイクは、ほぼ約束されたと言っていいだろう。
彼らのネタは、雰囲気だけでも十分におかしかったのだが、気の利いたボケの言葉も笑いを増幅させた。
なかでも決勝ラウンドにおいて
「なんとかならんかね」とのツッコミに対する
「民主党ですか」のボケには笑わされた。
この爆笑を受け、ネットでは、スリムクラブが沖縄出身であることに引っ掛けて
「初めて民主党が沖縄の役に立った」
などと取り上げられていた。
うまいことを言う人がいるものだ。
スリムクラブは、キャラが立ち過ぎているだけに、持続性にはやや心配があるが、M-1最後の星として、是非活躍してもらいたい。
オードリーや南海キャンディーズなどとの競演も、怖いもの見たさとしてある。
彼らの来年のブレイクは、ほぼ約束されたと言っていいだろう。
彼らのネタは、雰囲気だけでも十分におかしかったのだが、気の利いたボケの言葉も笑いを増幅させた。
なかでも決勝ラウンドにおいて
「なんとかならんかね」とのツッコミに対する
「民主党ですか」のボケには笑わされた。
この爆笑を受け、ネットでは、スリムクラブが沖縄出身であることに引っ掛けて
「初めて民主党が沖縄の役に立った」
などと取り上げられていた。
うまいことを言う人がいるものだ。
スリムクラブは、キャラが立ち過ぎているだけに、持続性にはやや心配があるが、M-1最後の星として、是非活躍してもらいたい。
オードリーや南海キャンディーズなどとの競演も、怖いもの見たさとしてある。
M-12010回顧 [ヨモヤ]
今回のM-1は、最後にして、おそらく過去最悪の大会になってしまったと思う。
出場者の選考、出場者の出来、笑い飯の優勝など、どれもが「お笑いの頂点」を決める舞台としてふさわしくなかった。
この舞台にまで上りつめられただけで、出演した9組は賞賛されるべきだとは思うが、出るのが大変であればあるだけ、それにふさわしいパフォーマンスをしていただきたかった。
そんな悲しい大会だったが、記録として、一組一組間単に振り返ってみたい。
【カナリア】
彼らを見るのは初めてではないのだが、あまり印象に残っていない。
この日も、その印象どおり。
中盤までは、まあまあ良かった。序盤のすべり加減を徐々に取り返していた。
しかし、後半は残念ながら尻すぼみ。
よくトップバッターは不利と言われるが、どちらにしても決勝に残れるものではなかった。
【ジャルジャル】
私は、彼らが優勝するのではないかと思っていた。
コントのイメージが強いが、ここに出てくる以上、磨いたものを見せつけてくれるのだろうと期待した。
ネタは、斬新ではあった。
ただ、ああした設定は、初めて漫才をやる人間でも思いつくレベル。
また、いくら新しくても、笑えなければそれまでである。
そして、あまり笑えなかった。
見終わった瞬間、「ダメだ」とわかった。
【スリムクラブ】
2010年のM-1における勝者。
最大の衝撃。
テンポや存在感、違和感が注目されるが、発している言葉も非常に面白い。
一本目の「塔を建てた」
二本目の「民主党」
のけぞって笑った。
参った、という感じ。
今年のM-1は酷かったが、彼らを発掘したことで、存在意味が出た。
逆に、彼らがいなかったらどんなに酷かったのだろうと思うと、ぞっとする。
【銀シャリ】
漫才らしい漫才というのもいいものだ。
奇を衒わず、しゃべりだけで勝負するのは、本来の姿と思える。
しかし、ABCを歌うネタは、カナリヤのドレミの歌と似ていた。
不運といえば不運だが、よくあるネタという証明でもある。
こういうコンビも注目されるべきとは思うが、M-1決勝を勝ち抜くまでのインパクトはなかった。
【ナイツ】
ナイツは、うまいし面白い。
ハズレがない。
しかし、みんながそう思っている分ハードルが上がる。
この日のネタも面白かったが、見ている方が勝手に膨らませている期待値を超えるものではなかった。
良くも悪くも、いつものナイツであった。
【笑い飯】
残念ながら、私は彼らの漫才であまり笑ったことがない。どうして彼らがM-1の舞台で高く評価され続けているのか理解ができない。
これまでで唯一面白かったのは、「チンポジ」くらいか。
この日は、特にひどかった。
一本目は、「鳥人」の劣化コピー。このネタを持ってくる笑い飯もどうかしているが、それを評価する審査員にも不信が募る。
二本目は、さらにそれの劣化コピー。どう笑えばいいのか、努力したがかなわなかった。
私は、予選はともかく、これまで決勝の舞台での審査に異論はなかった。
しかし、今年の笑い飯だけは、あまりにも残念だった。
今年は出場しない方が、M-1のためにも、彼らのためにもよかったと思う。
優勝して、かえって男を下げてしまった。
【ハライチ】
いつものノリボケ。
それなりに面白く、私も何回か笑った。
しかし、いつものネタでは、優勝はできない。
わかりそうなものだが。
【ピース】
今、一押しの芸人。
しょっちゅうテレビに出ている。
しかし、ここへの出場は、ちとゴリ押し感もないではない。
漫才は、思っていたより巧みで、面白かった。
しゃべりも上手なんだなあ、と感心した。
ただ、爆笑には遠かった。
【パンクブーブー】
私は、パンクブーブーの漫才が大好きだ。
そのネタのクオリティと、本を現実化する能力は、当代随一だと思う。
この日も、一本目までは、いつものパンブーだった。
しかし、二本目が・・・
一本目と同じパターンでは、さすがに乗れない。
M-1リターンズで披露済みというのも、ファンとしては困る。
ネタが始まった瞬間、「ひどい大会のひどい締めくくりになってしまった」と絶望した。
来年の年末には、M-1がない。
ある意味、心安らかに過ごせるが、楽しみがないのは残念である。
キングオブコントが順調に育ってはいるが。
出場者の選考、出場者の出来、笑い飯の優勝など、どれもが「お笑いの頂点」を決める舞台としてふさわしくなかった。
この舞台にまで上りつめられただけで、出演した9組は賞賛されるべきだとは思うが、出るのが大変であればあるだけ、それにふさわしいパフォーマンスをしていただきたかった。
そんな悲しい大会だったが、記録として、一組一組間単に振り返ってみたい。
【カナリア】
彼らを見るのは初めてではないのだが、あまり印象に残っていない。
この日も、その印象どおり。
中盤までは、まあまあ良かった。序盤のすべり加減を徐々に取り返していた。
しかし、後半は残念ながら尻すぼみ。
よくトップバッターは不利と言われるが、どちらにしても決勝に残れるものではなかった。
【ジャルジャル】
私は、彼らが優勝するのではないかと思っていた。
コントのイメージが強いが、ここに出てくる以上、磨いたものを見せつけてくれるのだろうと期待した。
ネタは、斬新ではあった。
ただ、ああした設定は、初めて漫才をやる人間でも思いつくレベル。
また、いくら新しくても、笑えなければそれまでである。
そして、あまり笑えなかった。
見終わった瞬間、「ダメだ」とわかった。
【スリムクラブ】
2010年のM-1における勝者。
最大の衝撃。
テンポや存在感、違和感が注目されるが、発している言葉も非常に面白い。
一本目の「塔を建てた」
二本目の「民主党」
のけぞって笑った。
参った、という感じ。
今年のM-1は酷かったが、彼らを発掘したことで、存在意味が出た。
逆に、彼らがいなかったらどんなに酷かったのだろうと思うと、ぞっとする。
【銀シャリ】
漫才らしい漫才というのもいいものだ。
奇を衒わず、しゃべりだけで勝負するのは、本来の姿と思える。
しかし、ABCを歌うネタは、カナリヤのドレミの歌と似ていた。
不運といえば不運だが、よくあるネタという証明でもある。
こういうコンビも注目されるべきとは思うが、M-1決勝を勝ち抜くまでのインパクトはなかった。
【ナイツ】
ナイツは、うまいし面白い。
ハズレがない。
しかし、みんながそう思っている分ハードルが上がる。
この日のネタも面白かったが、見ている方が勝手に膨らませている期待値を超えるものではなかった。
良くも悪くも、いつものナイツであった。
【笑い飯】
残念ながら、私は彼らの漫才であまり笑ったことがない。どうして彼らがM-1の舞台で高く評価され続けているのか理解ができない。
これまでで唯一面白かったのは、「チンポジ」くらいか。
この日は、特にひどかった。
一本目は、「鳥人」の劣化コピー。このネタを持ってくる笑い飯もどうかしているが、それを評価する審査員にも不信が募る。
二本目は、さらにそれの劣化コピー。どう笑えばいいのか、努力したがかなわなかった。
私は、予選はともかく、これまで決勝の舞台での審査に異論はなかった。
しかし、今年の笑い飯だけは、あまりにも残念だった。
今年は出場しない方が、M-1のためにも、彼らのためにもよかったと思う。
優勝して、かえって男を下げてしまった。
【ハライチ】
いつものノリボケ。
それなりに面白く、私も何回か笑った。
しかし、いつものネタでは、優勝はできない。
わかりそうなものだが。
【ピース】
今、一押しの芸人。
しょっちゅうテレビに出ている。
しかし、ここへの出場は、ちとゴリ押し感もないではない。
漫才は、思っていたより巧みで、面白かった。
しゃべりも上手なんだなあ、と感心した。
ただ、爆笑には遠かった。
【パンクブーブー】
私は、パンクブーブーの漫才が大好きだ。
そのネタのクオリティと、本を現実化する能力は、当代随一だと思う。
この日も、一本目までは、いつものパンブーだった。
しかし、二本目が・・・
一本目と同じパターンでは、さすがに乗れない。
M-1リターンズで披露済みというのも、ファンとしては困る。
ネタが始まった瞬間、「ひどい大会のひどい締めくくりになってしまった」と絶望した。
来年の年末には、M-1がない。
ある意味、心安らかに過ごせるが、楽しみがないのは残念である。
キングオブコントが順調に育ってはいるが。
これでは勝っても残らない ~亀田兄弟のマッチメークと試合内容~ [ヨモヤ]
2010年12月26日は、テレビ業界としても、ある意味歴史的な日だったのではないか。
NHKが「坂の上の雲」、TBSが「亀田祭り」、フジテレビが「女子フィギュア」、テレビ朝日が「M-1」と、超強力コンテンツを並べたからだ。
発表された、視聴率を見ると、関東ではフィギュアが圧倒、関西ではM-1が勝利という結果となった。
亀田祭りは、どちらの地区でも他の2番組の後塵を拝した。
女子フィギュア M-1 亀田祭り
関東地区 29.0% 18.7% 13.8%
関西地区 22・7% 23.4% 17.5%
亀田兄弟について、視聴率が落ちたからどうのと言いたいわけではない。26日は、相手が悪かった。
しかし、注目度がイマイチ上がらなかったのは、とかく言われることであるが、亀田兄弟のマッチメークのあり方にもよるだろう。
「日本人初の3階級制覇」と言われても、偉業という感じがまるでしない。
また、人気の低迷には試合内容も影響している。長谷川の試合にあるような感動がない。
私は、亀田兄弟を応援している。ボクサーとしても評価しているつもりだ。
それでも、
興毅については、防衛戦を行わず、王座決定戦でチャンピオンになり、強い相手とは戦わず、という状況では、3階級制覇の意味が問われるし、
大毅については、14位という格下の相手を選びながら見せ場のない試合を行い、言い訳が減量苦では、期待して見ている方が浮かばれない。
いろいろ言われながら、兄弟で世界王者になっているという事実は揺るがない。
亀田兄弟の努力と研鑽と精神力は素晴らしいと思う。
だからこそ、いい試合を見せてもらいたい。
勝てる相手を選ばずに、強い相手と戦って欲しい。
若いのだから、敗戦は取り返せる。
しかし、強い相手を避けているという印象は、なかなか取り返せない。
NHKが「坂の上の雲」、TBSが「亀田祭り」、フジテレビが「女子フィギュア」、テレビ朝日が「M-1」と、超強力コンテンツを並べたからだ。
発表された、視聴率を見ると、関東ではフィギュアが圧倒、関西ではM-1が勝利という結果となった。
亀田祭りは、どちらの地区でも他の2番組の後塵を拝した。
女子フィギュア M-1 亀田祭り
関東地区 29.0% 18.7% 13.8%
関西地区 22・7% 23.4% 17.5%
亀田兄弟について、視聴率が落ちたからどうのと言いたいわけではない。26日は、相手が悪かった。
しかし、注目度がイマイチ上がらなかったのは、とかく言われることであるが、亀田兄弟のマッチメークのあり方にもよるだろう。
「日本人初の3階級制覇」と言われても、偉業という感じがまるでしない。
また、人気の低迷には試合内容も影響している。長谷川の試合にあるような感動がない。
私は、亀田兄弟を応援している。ボクサーとしても評価しているつもりだ。
それでも、
興毅については、防衛戦を行わず、王座決定戦でチャンピオンになり、強い相手とは戦わず、という状況では、3階級制覇の意味が問われるし、
大毅については、14位という格下の相手を選びながら見せ場のない試合を行い、言い訳が減量苦では、期待して見ている方が浮かばれない。
いろいろ言われながら、兄弟で世界王者になっているという事実は揺るがない。
亀田兄弟の努力と研鑽と精神力は素晴らしいと思う。
だからこそ、いい試合を見せてもらいたい。
勝てる相手を選ばずに、強い相手と戦って欲しい。
若いのだから、敗戦は取り返せる。
しかし、強い相手を避けているという印象は、なかなか取り返せない。
残念・・・ 感動と納得感なきM-1ラスト [ヨモヤ]
私は、M-1グランプリをとても楽しみにしていた。
9月頃から、その放送日時や出演者が気になり始める。
12月に入ると、放送日にあわせて体調を整えようなどと感じ始める。
そのくらい、大切なイベントである。
そんな思いをしているのは、きっと、私だけではないと思う。
ちなみに、私は予選会にも2回ほど出場した経験がある。あえなく、1回戦負けではあったが。
突然発表されたM-1の終了。
「M-1が自分達のすべてです」と語っている若手芸人が何人もいることを知りながらの唐突な終了宣言には、正直戸惑いを感じた。
なにやら大人の都合もあるのだろう。
フェアだとは思わないが、私などが何を言っても終わりは終わりである。
ただ、最後のM-1が、すばらしい大会であればいいとは願った。
見終わった瞬間、正直、最悪のシナリオになってしまったと思った。
「笑い飯の悲願達成」。
一見ドラマ仕立てだが、こうした予定調和は、最もM-1らしくない。
「南海キャンディーズ」や「サンドイッチマン」「オードリー」といった芸人が、ハプニング的に現れるのがM-1のいいところだった。
過去の実績やコンビの背景などに関係なく、その年、いやその日、一番面白い芸人がチャンピオンになるのがM-1のいいところだった。
笑い飯の優勝には、そのどちらもない。
笑い飯の一本目は、去年大ウケを取った「鳥人」の焼き直し。
てっきり、どこかで、
「こんなん、去年やったわ」
とひっくり返すものだと思ったら、そのまま。
プロの芸人さんたちが高い点数をつけるのだから、技術的にはすごいのかも知れないが、焼き直しをここに持ってくる段階で、私なら全く評価しない。
少なくとも、9組のトップの点数になることはありえないだろう。
期待された「ジャルジャル」「ピース」といったところの不発も残念だった。
ジャルジャルは奇を衒い過ぎて自爆の格好だが、奇を衒うのなら、もっとはじけなければいけない。キングオブコントのときの方がずっとよかった。
ピースは実力を発揮したとは思うが、決勝に残る破壊力のあるネタではなかった。
「パンクブーブー」は、よく敗者復活から還ってきたと思うし、一本目も面白かったが、決勝のネタはいただけない。
M-1リターンズで披露済みというのも興醒めだったが、一本目とかぶる内容だったのは致命的だった。
もちろん、「スリムクラブ」の芸が漫才の頂点に立っていいのかどうかという疑念はある。
しかし、この日一番の笑いを取ったのは間違いなく彼らだったし、一番M-1らしかったのも彼らだった。
彼らをねじ伏せられるだけの笑いと芸を見せるコンビがほかにいたのならともかく、残念ながらそうしたコンビがいなかった今回、スリムクラブがチャンピオンになるべきだった。
はじめて、M-1で感動できなかった。
はじめて、M-1が納得できなかった。
実に悲しい、実に残念な、ラストイヤーになってしまった。
残念だ。
本当に残念だ。
9月頃から、その放送日時や出演者が気になり始める。
12月に入ると、放送日にあわせて体調を整えようなどと感じ始める。
そのくらい、大切なイベントである。
そんな思いをしているのは、きっと、私だけではないと思う。
ちなみに、私は予選会にも2回ほど出場した経験がある。あえなく、1回戦負けではあったが。
突然発表されたM-1の終了。
「M-1が自分達のすべてです」と語っている若手芸人が何人もいることを知りながらの唐突な終了宣言には、正直戸惑いを感じた。
なにやら大人の都合もあるのだろう。
フェアだとは思わないが、私などが何を言っても終わりは終わりである。
ただ、最後のM-1が、すばらしい大会であればいいとは願った。
見終わった瞬間、正直、最悪のシナリオになってしまったと思った。
「笑い飯の悲願達成」。
一見ドラマ仕立てだが、こうした予定調和は、最もM-1らしくない。
「南海キャンディーズ」や「サンドイッチマン」「オードリー」といった芸人が、ハプニング的に現れるのがM-1のいいところだった。
過去の実績やコンビの背景などに関係なく、その年、いやその日、一番面白い芸人がチャンピオンになるのがM-1のいいところだった。
笑い飯の優勝には、そのどちらもない。
笑い飯の一本目は、去年大ウケを取った「鳥人」の焼き直し。
てっきり、どこかで、
「こんなん、去年やったわ」
とひっくり返すものだと思ったら、そのまま。
プロの芸人さんたちが高い点数をつけるのだから、技術的にはすごいのかも知れないが、焼き直しをここに持ってくる段階で、私なら全く評価しない。
少なくとも、9組のトップの点数になることはありえないだろう。
期待された「ジャルジャル」「ピース」といったところの不発も残念だった。
ジャルジャルは奇を衒い過ぎて自爆の格好だが、奇を衒うのなら、もっとはじけなければいけない。キングオブコントのときの方がずっとよかった。
ピースは実力を発揮したとは思うが、決勝に残る破壊力のあるネタではなかった。
「パンクブーブー」は、よく敗者復活から還ってきたと思うし、一本目も面白かったが、決勝のネタはいただけない。
M-1リターンズで披露済みというのも興醒めだったが、一本目とかぶる内容だったのは致命的だった。
もちろん、「スリムクラブ」の芸が漫才の頂点に立っていいのかどうかという疑念はある。
しかし、この日一番の笑いを取ったのは間違いなく彼らだったし、一番M-1らしかったのも彼らだった。
彼らをねじ伏せられるだけの笑いと芸を見せるコンビがほかにいたのならともかく、残念ながらそうしたコンビがいなかった今回、スリムクラブがチャンピオンになるべきだった。
はじめて、M-1で感動できなかった。
はじめて、M-1が納得できなかった。
実に悲しい、実に残念な、ラストイヤーになってしまった。
残念だ。
本当に残念だ。
危機の現実感がない ~借金漬けに財政をあずかる人はどう感じているのだろう~ [公会計]
財務省は、平成23年度末の国と地方の借金を合わせた長期債務残高が、22年度末に比べ約23兆円増え、約891兆円になるとの見通しを発表した。
こういう発表をされるときの財務省のスタンスは、
「だから、もう大変なんですよ」
ということである。
そして、こうした状況を招いたのは
「政治家の方がねえ」
「国民の理解がねえ」
という誰かよその人の責任であるようにおっしゃられていることが多い。
どこか、他人事である。
国が借金を重ねても、景気がよくなっているのならいい。
現実は、景気は低迷、借金が多いことで将来不安は増大、という状況である。
「借金をしていなかったらもっとひどいことになっていた」
という論法もあるのだが、世界で一番借金を重ね、にもかかわらず先進国で唯一というようなデフレ状況を続け、国際的な地位も低下の一途、という状況でそう言われても、「確かにそうだ」とはとても言い切れない。
私は、国債の発行をイコール「間違い」だとは思わない。
必要な財政出動もあるだろう。
しかし、財政をあずかっている人たちから伝わってくる、「当事者意識のなさ」には強い危機感を覚える。
みなさんにかかっているのだ。
どんなに困難で、複雑な利害が絡んでいても、みなさんの責任で解決すべきことなのだ。
借金が増え、危機的な状況なのだとしたら、あやまるのはみなさんなのだ。
こういう発表をされるときの財務省のスタンスは、
「だから、もう大変なんですよ」
ということである。
そして、こうした状況を招いたのは
「政治家の方がねえ」
「国民の理解がねえ」
という誰かよその人の責任であるようにおっしゃられていることが多い。
どこか、他人事である。
国が借金を重ねても、景気がよくなっているのならいい。
現実は、景気は低迷、借金が多いことで将来不安は増大、という状況である。
「借金をしていなかったらもっとひどいことになっていた」
という論法もあるのだが、世界で一番借金を重ね、にもかかわらず先進国で唯一というようなデフレ状況を続け、国際的な地位も低下の一途、という状況でそう言われても、「確かにそうだ」とはとても言い切れない。
私は、国債の発行をイコール「間違い」だとは思わない。
必要な財政出動もあるだろう。
しかし、財政をあずかっている人たちから伝わってくる、「当事者意識のなさ」には強い危機感を覚える。
みなさんにかかっているのだ。
どんなに困難で、複雑な利害が絡んでいても、みなさんの責任で解決すべきことなのだ。
借金が増え、危機的な状況なのだとしたら、あやまるのはみなさんなのだ。
書評 「ゴールデンスランバー」 [読書記録]
伊坂幸太郎さんの「ゴールデンスランバー」を読んだ。
伊坂さんは、「陽気なギャングが地球を回す」「重力ピエロ」「グラスホッパー」などの作品を生み出しておられる、いわばトップランナー。
小説世界からはかなり距離を置いている私としては、これがはじめて彼の作品に触れる機会となった。
文庫本で600ページにもなる大作。しかし、破綻はない。
どうつながるのか見当もつかない冒頭のシーン、どう考えても物語につながらなさそうな登場人物、興味深くはあるが関係なさそうなエピソード。
こうしたひとつひとつの細かい伏線が、すべて活かされていく。
その手際は、職人芸というより、神がかってさえいるように見える。
ラストシーンもとても気が利いている。
この本を「つまらない」と感じる人は、まずいないだろう。
面白いし、先々を知りたくなる。
こうした才能が日本にいることはひとつの誇りである、とさえ言いたくなる。
しかし、あえて言うなら、どーんとしたものが残らないのも事実である。
そういう作品ではない、といえばそれまでだが、宮部さんの「火車」のような魂の震えまでは感じられない。
人に安心して薦められる作品であるが、
「読まなきゃいけない本?」
と聞かれたら、
「ううむ」
とうなってしまうだろう。
伊坂さんは、「陽気なギャングが地球を回す」「重力ピエロ」「グラスホッパー」などの作品を生み出しておられる、いわばトップランナー。
小説世界からはかなり距離を置いている私としては、これがはじめて彼の作品に触れる機会となった。
文庫本で600ページにもなる大作。しかし、破綻はない。
どうつながるのか見当もつかない冒頭のシーン、どう考えても物語につながらなさそうな登場人物、興味深くはあるが関係なさそうなエピソード。
こうしたひとつひとつの細かい伏線が、すべて活かされていく。
その手際は、職人芸というより、神がかってさえいるように見える。
ラストシーンもとても気が利いている。
この本を「つまらない」と感じる人は、まずいないだろう。
面白いし、先々を知りたくなる。
こうした才能が日本にいることはひとつの誇りである、とさえ言いたくなる。
しかし、あえて言うなら、どーんとしたものが残らないのも事実である。
そういう作品ではない、といえばそれまでだが、宮部さんの「火車」のような魂の震えまでは感じられない。
人に安心して薦められる作品であるが、
「読まなきゃいけない本?」
と聞かれたら、
「ううむ」
とうなってしまうだろう。







