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映画評「怪物くん」 [映画評]

子ども向けの映画にも、いいものはいくらでもある。
ちと古いが「学校の怪談」シリーズはよかったし、「ガメラ」も好きだった。
テレビ局が作った映画にも、いいものはいくらでもある。
「こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 〜勝どき橋を封鎖せよ!〜」は、今年のベストムービーである。

だから、「怪物くん」に全く期待していなかったわけではない。
いい映画であるように願った。
しかし・・・。

こういう映画を観てしまうと、なんと書けばいいか難しい。
褒めるところがちょっと見つからないので、書けば悪いところだけになってしまう。
こうした映画を作ってしまった製作サイド、監督、脚本家には、冷静になって自分たちの映画をご覧いただきたい。
本当に胸を張って、世に問えるものに仕上がっているだろうかと。
自分の子どもに、誇りをもって見せられるだろうかと。

とにかく、脚本がよくなかった。この脚本でいいところを探すのは、日本の男子マラソンが次のオリンピックで金メダルを取るくらいに難しい。
演出も冴えなかった。笑えもしないし、熱くもなれない。
役者はそれなりにやっていたのかとも思うが、この映画では誰がなにをやっても、という感じだろうか。

こういう映画を作ってしまうから、
「子ども向け映画はつまらない」
「テレビ局が作る映画はダメだ」
ドラマを映画化してもろくなものはできない」
などとレッテルを貼られてしまう。

「怪物くん」は、残念というより、悔しささえ感じてしまう映画であった。
繰り返すが、作った人たちは、一映画ファンとしてこの映画を見返してほしい。
胸を張れるだろうか。
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なんとも残念な稀勢の里の昇進劇 [ヨモヤ]

稀勢の里の大関昇進が決まった。
しかし、どうにも釈然としない。
ある意味、日本相撲協会らしいといえば言える、灰色の昇進劇であった。

大関昇進の目安は三役で3場所合計で33勝以上とされている。
別にそう決められた規則があるわけではないが、99年の出島以来、12人連続で33勝以上を挙げている。
出島の前は千代大海で32勝どまりなのだが、直近の場所を13勝2敗で優勝しているので、ムードとしては文句なしだっただろう。

しかし、稀勢の里は3場所合計で32勝。目安の33勝に届かなかった。
それなのに、千秋楽を向かえる前に、審判部が場所後の昇進を決めてしまった。
つまり、千秋楽は勝っても負けても大関だったのである。

なんじゃそりゃ、としか言いようがない。
審判部としては、「おそらく千秋楽の稀勢の里は負ける。負けて昇進というのもかっこ悪い」
という判断をしたのだろうか。

私は、稀勢の里の相撲が好きだ。
常に全力でぶつかる懸命な取り口には好感が持てる。
それだけに、今回の大関昇進のグダグダさには大いにがっかりした。

せっかくみなが祝うべき昇進が、すっかりけちがついてしまった。
33勝に届かなかったのだから、素直にもう一場所見ればいいのに、待っていたらチャンスを逃すと思われているのだろうか。
稀勢の里に罪があるわけではないが、こんなことを続けていたら、ファンはさらに減っていってしまうだろう。
反省をしない人たちである。

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大阪の選挙に見る民意 [ヨモヤ]

日本中の注目を集めた大阪府・大阪市のダブル選挙は、橋下前府知事の率いる維新の会の勝利に終わった。
府・市の両方を、統一した考え方の首長が占めたことにより、大阪都構想に弾みがついたと言えそうだ。

府と市が足並みを揃えることのメリットは、大阪都構想にとどまるものではない。
むしろ、かなりの長期を要するであろう都構想よりも、日々の行政のなかでの連携の方に、大きな意義があるのではないか。

都道府県と政令市の連携がうまくいかないという事例は、古くから取沙汰されている。
神奈川県横浜市の関係が微妙であるとよく言われるが、京都府と京都市や広島県と広島市の関係なども、複雑ななものがあるのではないかと推察する。
都道府県と政令市が、縄張り意識や対抗意識で「薄く」にらみ合い、決めるべきことが決まらない、進めるべきことが進まないという状況は、あちこちで発生していると聞く。
この選挙を契機にいろいろなことが動き出せばいいと思う。

今回の選挙は、特定の政党の支持を得ていない候補者に、民主自民共産といった既存政党が総相乗りした挙句に破れたという点でも、エポックメーキングなものになった。
有権者が、いかに既存の政党に期待していないかということだろう。

また、選挙において「反独裁」を訴える戦術も、おそらくピンと来なかったのではないかと思う。
橋下候補は、異例とはいえ、法にのっとった仕組みのなかで行政を運営し、今回の選挙に臨まれている。
選挙や支持なしに暴走されているわけではない。
その橋下候補を「独裁」と決めつけることは、有権者の気持ちとしてはどうだったのだろう。
むしろ、もっと政策論を戦わせてほしかったと思う人も多かったのではないだろうか。

この選挙はいろいろな意味で大きい。
世の中をいい意味で変える第一歩になることを願う。
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書評「世界カワイイ革命」 [読書記録]

櫻井孝昌さんの「世界カワイイ革命」を読んだ。
図書館でなんとなく目に留まって手にしたのだが、読んでよかったと思える一冊であった。
巡り合いに感謝。

内容は、「カワイイ」をキーワードに、世界にいかに日本のポップカルチャーが広がっているかということをレポートしたもの。
「カワイイ」は「KAWAII」として、急速に世界共通語となっているという。
その流れは、アメリカではなく、ヨーロッパで顕著であるようだ。
ちなみに「KAWAII」は、いろいろな言語でWikipediaにも掲載されている。
以下に主な言語を掲げる。残念ながら、英語以外は全くわからない。
英語
http://en.wikipedia.org/wiki/Cuteness_in_Japanese_culture
フランス語
http://fr.wikipedia.org/wiki/Kawaii
スペイン語
http://es.wikipedia.org/wiki/Kawaii
イタリア語
http://it.wikipedia.org/wiki/Kawaii

海外での日本文化の祭典として、パリで「JAPAN EXPO」というイベントが開かれ、20万人もの来場者で大変な盛り上がりになっていることは知っていた。
しかし、スペインでも「サロン・デル・マンガ」、イタリアでも「ROMICS」と、複数の国でメガな規模でのイベントが開かれていることは知らなかった。

ヨーロッパの若者たちにとって、日本のファッションは「クール」とかいう次元ではなく、オリジナルであり、ある種の憧れであるようだ。
日本から見ていると、フランスやイタリアは非常に洗練されたファッションをしているようなイメージがあるが、それは一部の大人たちであり、若者ファッションには個性がないらしい。
そこへいくと、確かに日本の若者ファッションには個性がある。
ヨーロッパで日本のファッションに興味を持っている若者からすれば、原宿は聖地であり、109はいつか行ってみたい夢の場所であるらしい。

日本では、日本発で世界で流行っているポップカルチャーというと、アニメやゲームである感覚がある。
確かに、それらは入口として機能しているようだ。
「NARUTO」や「ONE PIECE」の人気は、世界に広がっている。
しかし、今や日本への関心はそこにとどまっていない。
ファッションというさらに普遍的な分野にも広がっている。

これをもっとうまく活かしていきたい。
工業製品だけでは、日本の生きる道は狭まるばかりだ。
細部へのこだわりと、ある種アバンギャルドなごちゃ混ぜ感は日本人の個性であり、なくなることはないだろうから。

いろいろなことに気づかせてくれる、お勧めの一冊である。
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まずは誰かを好きにならないと ~「交際相手なし」過去最高に思う~ [ヨモヤ]

厚生労働省所管の国立社会保障・人口問題研究所が5年に1度実施している、独身男女の未婚理由の調査結果が発表された。

これによると、18~34歳の未婚者のうち、「異性の交際相手がいない」とする男性が61・4%、女性が49・5%と、いずれも過去最高となったらしい。
男の半分以上に彼女がいないというのもちょっとどうかとは思うが、生活実感にあった調査結果であるともいえる。
男同士、女同士でつるんでいる傾向が強いような気がするし、仲間感覚で出かけたりしている関係が増えたような気がするからである。
軽い関係、とでも言うのだろうか。
お互いが踏み込まない。

一方、結婚意思がある人の割合は男性が86・3%、女性で89・4%と依然として多いようだから、どこまでも超然としているということでもないようだ。

結婚したからえらいというものでもないし、結婚しなかったから寂しいというものでもないだろう。
同様に、彼女や彼氏がいないから寂しいという決めつけもおかしいと思う。
だから、未婚者が増えたからといって、寂しい国になったとも言えないとは思う。

ただ、誰も好きにならず、誰からも好きになられず、という暮らしは、それほど豊かではないかも知れない。
「まわりにろくな男がいない」とはよく聞く言葉だが、だったらもう少し世界を広げてはどうだろう。
誰かを好きになることは、とてもステキなことである。

どんどん、自分だけが好きな人が増えているような気がする。
もちろん、自分のことを好きになるのは大切なことである。
しかし、狭い枠にとどまって自分以外を否定してしまうのは、それこそ「寂しい」ことである。

恋愛は面倒だが、楽しい面倒である。
まずは、誰かをスキになってみてはどうだろう。
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書評「『通貨』を知れば世界が読める」 [読書記録]

浜矩子さんの「『通貨』を知れば世界が読める」を読んだ。

浜さん、このごろ人気である。
この本の副題にもあるが、「1ドル50円時代」を予測する斬新さが受けている面と、その超然とした居姿が共感を呼んでいる面があるのだろうか。
いい意味で(本当にいい意味です)魔女っぽい雰囲気をただよわせておられ、おっしゃることに説得力を与えている。
もちろん、通貨が注目される時代に、その専門家としてきちんと発言されていることが評価されているのでもあろう。

この本は、通貨をめぐる覇権争いの過去を振り返ることで、世界を読み解こうというもの。
通貨とは何か、という根本の問いかけからはじまって、イギリスの時代、アメリカの時代、ユーロの挑戦と、歴史を紐といていく。
その意味で、通貨の全体像をおさらいするためには、コンパクトにまとまって読みやすい一冊だといえる。

ただ、なぜ1ドルが50円になるのか(45円でも55円でもなく)、いつごろなるのか、なったらどうなるのか、といった読者の関心事項には答えは出されていない。
著者としては、そもそもそういう本として書かれたのではないのだろう。

これから世界に何が起こるのか。それを見極めたいと思う人には、おそらく本作は物足りないだろう。
一方、そもそも通貨とはなんなのだろうということを、立ち止まって考えてみたい方には、いいきっかけとなる本かも知れない。
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日本シリーズを振り返る ~残念な7試合~ [ヨモヤ]

2011年プロ野球日本シリーズは、ソフトバンクが中日を破り、8年ぶりに日本一の座についた。
シリーズ開幕直前に、巨人のお家騒動が勃発し、注目が分散してしまう面はあったが、第7戦までもつれたことで、それなりの盛り上がりとはなった。
シリーズが終わって少し経った今、改めて振り返ってみたい。

総括すれば、極端な貧打シリーズだったと言える。
両チームとも投手がいいため、なかなか点が取れないだろうとは予想されていたが、投手の出来を打者の不出来が上回るような、そんな低調な試合が続いた。
ちなみに、試合結果は以下のとおりである。

  ソ 中
● 1 - 2 ○
● 1 - 2 ○
○ 4 - 2 ●
○ 2 - 1 ●
○ 5 - 0 ●
● 1 - 2 ○
○ 3 - 0 ●

中日が勝った3試合は、いずれも2対1のロースコア。
これでよく3つ勝てたとも言えるが、負けた4試合の得点が2、1、0、0では、どうしようもない。
投手がいい、というより誰が投げても打てないシリーズになってしまった。

中日のチーム打率・155は、7試合シリーズでは史上最低。34安打、9得点も同ワースト記録で、チーム2本塁打も同最少タイ。第2戦から6試合連続本塁打なしは史上初。
これだけ打てないと、見ていてちっとも面白くない。
ギリギリの最少点をしのぎあっているというより、単に打てないだけ、という感じである。

7戦までもつれたにも関わらず、非常にコクのないシリーズになってしまったというのが率直な感想だが、その責任の一端は、もちろん、勝ったソフトバンクにもある。
シーズン中の強さはどこへやら、ポストシーズンに弱いいつものソフトバンクの姿であった。
初回から送りバントで一点を取りにいく野球をしてしまうから、常に1点勝負に自らを追い詰めてしまう。うまく先制できればいいが、できないと焦りが焦りを呼んで、ズルズルとロースコアに引きずり込まれる。
相手のチーム打率が2割に遠く及ばないなか、3試合も負けてしまったのは、いかがなものだろう。

私は、いい投手がいい投球をしての投手戦は、決して嫌いではない。
ホームランが飛び交う試合よりも、一点を守りあう試合の方が、観ていて面白い。
しかし、それも互いが力を出し合ってのものである。
今回のシリーズのように、あまりにも打てない試合を続けて見せられては、好投手が好投している印象も失せてしまう。
チャンスさえ滅多に作れないのでは、手に汗握ることさえできない。

正直、大変残念なシリーズだった。
真剣勝負のスポーツには起こりえることではあるが。
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バフェット氏の予想が的中することを願いたい [経済を眺める楽しみ]

「オマハの賢人」とも言われるアメリカの超有名投資家ウォーレン・バフェット氏が来日した。
投資先であるいわき市の工具メーカー、タンガロイの新工場完成記念式典に出席するためとのことであるが、記者会見も行った。

バフェット氏は、
「東日本大震災で一時的な中断はあったが、日本人が前進を止めることはない。敬意を表する」
と述べられ、
さらにオリンパスについても、
「日本だけでなく、米国でもエンロン事件があった。大きな驚きだが、これで日本の他の企業への投資の見方が変わるわけではない」
と述べ、震災後も日本への投資姿勢に変化が無いとの見解を示されたとのことだ。

多分にリップサービスもあるだろう。
また、自身の投資先の記念式典に来日して、日本への悲観的な見通しを述べるはずもない。
しかし、それだけではなく、本音の部分でも日本企業への信頼があると信じたい。

昨年度の決算と比べ、今年度は苦戦となる企業が多いようだ。
流通業のなかには、復興需要により持ち直すところもあるらしいが、製造業は、震災によるサプライチェーン寸断、タイ水害、円高などのマイナス要因の方が圧倒的に大きい。
ただ、こうした逆風も日本企業はなんとか乗り越えていけると信じたい。

安く買って高く売ることが専門のバフェット氏。
今年が日本の最安値であることを願いたい。
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もう十分下がったかと思ったがまだ下がある ~日本株の下値が見えない~ [経済を眺める楽しみ]

日本株の下値が見えない。
21日の日経平均は、終値ベースで年初来安値を更新した。震災直後の急落時より、さらに下の水準に達していることになる。
7月ごろには復興期待で10,000円を超えていた時期もあったのだが、今となってははるかな過去の出来事のようである。

ここまで下がれば、さすがに反発もあるだろうと期待したいところだが、それも望み薄のようだ。
なぜなら、アメリカ株が急落しているからである。
アメリカ議会での財政赤字削減協議の行き詰まりや、高債務国の利回り上昇など欧州債務危機への懸念から、リスク回避の動きが加速しているようだ。
この流れでは、22日の日本株も弱含みで推移することは避けられないだろう。

今年の日本には、震災という特殊要因があり、経済が低迷するのもやむを得ない面もある。
それに加えて、円高、タイの水害といくつもの障害があり、なかなか立ち直りのきっかけがつかめない。
しかし、それにしても、という感もある。
トヨタソニーといった日本を代表する企業の長きにわたる低迷は、これから先の日本経済に対する不安感を助長する。
牽引する業界や企業というのが、ちょっと見当たらない。

今が底で、これからよくなる一方、というのなら望みもあるのだが、ヨーロッパの先行きは不透明だし、アメリカ経済に期待するのも無理筋であるなか、まだ先は見えない。
恐慌、とは少し違うが、ズルズル沈み込んでいきそうな不安を覚える、株式市場の様相である。
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調査結果の発表には気をつけないと ~大阪の選挙に絡んで~ [ヨモヤ]

朝日新聞の見出しに、こんな内容があった。
大阪都構想賛成 府民も大阪市民も3割どまり」

先日他の新聞社で発表された世論調査では賛成の人が多かったから、選挙期間中に有権者の考え方が変わったのだろうか。
3割しか賛成がいないとなると、かなりの人が反対となってしまう。

しかし、中を読むと、こんな内容の記事であった。

「大阪都構想の賛否は、大阪府知事選の調査では、賛成37%、反対27%、その他・答えないが36%で、賛成が上回った。都構想で特別自治区に分割される大阪市長選の調査でも賛成35%、反対23%と賛成が多かったが、その他・答えないも42%に上った。」

つまり、大阪都構想については、賛成とした人が反対とした人を大きく上回っていたのである。しかも、「3割どまり」とされているが、四捨五入すれば4割近くに達している。
確かに、賛成だけで過半数に達しているわけではないが、ちょっと恣意的なものが感じられなくもない見出しである。

この調査結果なら、こんな表現も可能だろう。
「大阪都構想への賛成 反対を大きく上回る」
「賛成が反対を上回るも浸透はまだまだ」

選挙に及ぼす意図を持って書かれた記事ではないと信じているが、特に選挙期間中の報道には気をつけていただきたいと思った次第である。
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