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大納会時の株価は19年ぶりの高値も高揚感はない [経済を眺める楽しみ]

大納会を迎えた30日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日比51円48銭高の1万9033円71銭となった。
大納会の終値を比べると、これで4年連続の上昇。
去年の年末の終値と比べると1582円94銭、率にして9%上昇し、平成8年以来19年ぶりの高値での取引終了であるという。
さらに、東京証券取引所1部に上場している株式の時価総額は571兆8328億円となり、年末としては過去最高だったバブル期の平成元年に次ぐ水準となったようだ。

しかし、大納会時の値で比較すると19年ぶりの高値と言われても、今年の6月には2万1000円目前まで上昇していた経緯があるから、1万9000円では高揚感は持てない。
むしろ、なんとか格好がついたかな、という感じである。

ただ、日本経済の実力からすれば、年間9%の上昇というのは出来過ぎと言えなくもない。
日経平均は大企業だけから構成されているから、日本経済の実力そのものを示しているものではなく、潜在成長力とされる2%を上回るのは妥当であるが、それにしても10%近い上昇は望外のものととらえるべきではないだろうか。
上場企業の業績が好転しているのは円安の恩恵によるところが大きく、過信は禁物である。

2016年も、それほど悲観することはないと思うが、急上昇もないだろう。
アメリカの利上げによる新興国のダメージが心配されるほか、
中国のソフトランディングが可能なのかどうか、
テロが経済に暗い影を落とさないか、
原油価格の低迷が資源国の経済を傷めないか、
など不安要素は満載だが、どれもそれほど深刻なものにはならないのではないかと予想する。
企業業績は相変わらず順調に伸びているようだし、アメリカの利上げが一段の円安につながるようなら、株式市場には追い風となるだろう。
利上げの影響は読み切れないが。

2015年の相場が順風満帆だったとは思わないが、これくらいの波乱なら御の字である。
2016年も、大きな波乱なく、企業業績に応じて株価が推移する普通の相場であることを祈りたい。

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書評「君の膵臓をたべたい」 [読書記録]

評判となっている住野よるさんの「君の膵臓をたべたい」を読んだ。
住野さんにとっては、これがデビュー作であるという。

今年の流行語で言えば「安心してください」となるのかも知れないが、本作はカニバリズムについてのお話ではない。
愛し過ぎたゆえに、食べてしまわざるを得なくなった、といったえぐるタイプの作品ではない。
もっとずっと軽い。

本作について語るには、あまりにも印象的なタイトルについて触れないわけにはいかないだろう。
残念ながら私には、成功しているとは思えなかった。
もちろん、それは作品のクオリティについての話である。
タイトルが衝撃的であり、それによって話題を呼んでいる面は確実にあるから、商売的には成功している。
それをよしとするのなら、それでよしということだろう。
タイトルありきのような内容になってしまっていて、私には興醒めだった。

私が反省しているのは、ちょっと期待し過ぎたなあということである。
勝手に、「飼育」などの大江健三郎さんの初期のような作品を夢想していただけに、そのギャップにヘナヘナと来てしまった。
さらさら読めるが、ずしりとは来ない。
それなりに面白いが、残りはしない。

はじめから、「そんな奴おらんわ」突っ込みたくなる展開なのだが、あまりにもあり得ない展開に、叙述トリックなのではないかと途中からずっと勘繰っていた。
このヘンテコリンなストーリーはすべて何かの伏線であって、アンフェアなほどの大どんでん返しを予期していたのである。
主人公は存在していなかった、とか、
実は主人公とヒロインは同一人物だった、とか、
そんな無茶な展開があるのではと。
実際には、そんなこともなく、なんだかもやもやしたままお話は終わってしまった。

人づきあいが苦手なはずの主人公は、クラスの人気者の女の子と、妙に小粋な会話を交わし続ける。
小説だからどんな会話をしてもいいが、文学にあるべき緊張感はすっかり失われていた。
はじめから文学するつもりはないということかも知れないが。

「君の膵臓をたべたい」は、若い世代が、重くない本を読みたいと思った時に手に取るべき作品であろう。
人生、希望を捨てずに生きて行こうという気になるかも知れない。
酸いも甘いも噛み分けた世代の文学ファンが読んだら、「ダメだ、こりゃ」と思ってしまうだろう。
仕方がない、はじめからターゲットに入っていないのだから。

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映画評 「映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!」 [映画評]

昨年末に大ヒットを記録した劇場版『妖怪ウォッチ』の第2弾、
『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』
を観た。
去年ほどの大フィーバーとはなっていない「妖怪ウォッチ」だが、まだまだ人気は健在。
公開第1週目の興行収入では、なんと大本命である「スター・ウォーズ」を上回ったのだという。
スター・ウォーズが公開週で1位にならない国はあまり多くないと思われるから、これは大金星と言えるだろう。
2週目も、それなりに混んでいた。

私は前作も観たのだが、去年は不覚にも上映中にかなり長い眠りについてしまった。
映画を見ながら寝ることはたまにあるのだが、おそらく最長不倒的な長時間睡眠となり、ストーリーがほぼわからなかった。
というわけで、今年の目標は、「なるべく寝ないこと」「寝たとしても短時間に留めること」とした。

今年の映画は、タイトルにもあるようにショートストーリー5本立て。
タモリに扮したウィスパーをホスト役に、「世にも奇妙な物語」風に進められていく。
軽妙なテンポでいい話系の話が連続し、飽きる暇があまりない。
それぞれ、展開やオチはよくあるパターンで、驚きはまるでないのだが、ほのぼのとはさせてくれる。
ケータやイナホのキャラクターも活かされていた。
テレビで十分な内容じゃないかと言えばそのとおりだが、それを言ってはおしまいな気もする。
ただ、最後の1本は少し長過ぎ、若干意識を飛ばしてしまった。

「映画 妖怪ウォッチ」は、ファンのための映画であろう。
メダルが欲しい人や、
ジバニャンやコマさんといったキャラクターが好きな子供たちにとっては、
それなりに楽しめる作品になっていると思う。
ただし、そんな人はいないとは思うが、細田守作品的なクオリティを求めている人や、
「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」的な奇跡を期待している人は、
肩すかしを喰らうだろう。
そういう映画ではない。

お正月休み、子供連れでリラックスして映画を観る。
観終わった後に、マクドナルドかなんかで、親子で感想を言い合う。
そういう時間も悪くない。
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科学的根拠のないことを信じることはそのまま差別につながるのだろうか ~大分県で六曜記載のカレンダー回収に思う~ [ヨモヤ]

大分県は、県や6市町村でつくる「国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会」が発行した来年のカレンダーに「大安」や「仏滅」などの「六曜」を記載していたとして、回収を進めることを発表した。
作ってしまったカレンダーを回収するとなると、作成費はふいになるし、大量の紙も無駄になる。
今の時代、こうした話題はすぐに新聞記事になり、ネットにも広がり、多くの人が知ることになる。
そして、ああでもない、こうでもないと話題にされる。
それをわかったうえで決定されたのだろうから、大分県も、ある意味覚悟をもって回収されたのだと思う。

回収の理由について大分県は、
「六曜に科学的な根拠はなく、公的な刊行物に掲載するのは不適切。チェックが不十分だった」
とし、
「科学的根拠のない迷信を信じることが差別につながる場合がある」
と説明されている。

この説明を聞いて、なるほどと思われる方もおられるだろうし、そうした運動をされている方としてみれば、当然の決定と受け取られるだろう。
しかし、より多数の人が、「そこまで気にしなくても」と感じたことと思う。

結婚式には「大安」がいいとか、お葬式は「友引」を避けるとかいったことは、迷信という受け取り方ではなく、日本の風習・習慣になっている。
誰も、「科学的」に「仏滅」が悪いなどとは思っていない。
ただ、何か行事やイベントをする際には知っておきたい情報である。
六曜とは違うが、二十四節気もカレンダーに記載してあると便利だ。
「啓蟄」だからといって、本当にその日に「冬籠りの虫が這い出てくる」とは信じないが、暦の機能としては意味がある。

さらに、
「科学的根拠のないことを信じてはいけない」
という発想には、なにやら危険なものを感じてしまう。
これを徹底すればほとんどの宗教は成り立たない。
ひょっとして六曜を記載させたくない人は、宗教自体にも懐疑的なのかも知れないが、それは世界ではむしろ非常識な発想である。

また、科学的根拠のないことを信じることが差別につながるという考え方は、
「では科学的根拠のあることでなら差別をしてもいいのか」
という短絡に結びつきかねない。
人にはいろいろな個性があり、性格や人格は数値では測れないが、科学的に数値化できる特徴もある。
もちろん、「科学的根拠があれば差別をしてもいいなどとは言っていない」ということになるのだろうが、「科学的根拠のないことを信じることが差別につながる」という発想は、そう裏返されても仕方がない側面を持っている。

もっと言えば、曜日自体にもかなり宗教的な要素が入っており、ではこちらはいいのかともなってくる。

今回の騒動については、もともと六曜を記載してさえいなければ起きていなかったことではある。
大分県は回収したことでニュースになったが、他の公共機関でも六曜の記載には慎重なところもあるのかも知れない。
ちなみに、「埼玉県民手帳」には、ごく普通な感じで六曜が記載されていることがネットで確認できる。
見た目、大変便利そうである。

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MステでのBABYMETALは伝わったか ~彼女たちにとって1曲限りのテレビへの出演は正直微妙~ [ヨモヤ]

個人的には、紅白歌合戦よりもミュージックステーションのBABYMETALに注目していた。
Mステスーパーライブには、AKBや嵐やSMAPやエグザイルのほか、ミスチルやラルクやゲスなども出ていたが、他のミュージシャンにはそれほど興味は持てず、ただBABYMETALがどんなパフォーマンスをし、それがどのように受け入れられるかに注目した。

彼女たちが披露したのは、ブレイクのきっかけとなった「ギミチョコ!!」。
ファンの中には他の曲を聴きたかった人も多いと思うが、ベビメタを知らない人たちに届けるのにはいい選曲だろう。

BABYMETALは、スゥメタル、ユイメタル、モアメタルの女の子三人組のグループだが、彼女たちが人気を博し、支持されている原因の大きな部分は、神バンドと呼ばれるバックバンドにある。
彼らの演奏は海外でも高く評価されており、神バンドが奏でる分厚い音とセットとなって初めてBABYMETALがBABYMETALとなる。
しかし、テレビでそれを再現するのは難しい。
いろいろな制約があって、どうしてもゴールデンボンバー的当てぶりになってしまう。
それはそれで楽しい面もなくはないが、BABYMETALの魅力はかなり減されてしまう。

また、1曲だけでは、彼女たちの神髄はうまく伝わらない。
いきなり、
「あタタタタタタ たーったた ずっきゅん」
と歌いだされても、客の頭に浮かぶのは
「?」ばかりであろう。
実際、ジャニーズ系、AKB系、エグザイル系のファンが多かったと思われる客席の反応は、ドン引きに近いものに見えた。

もちろん、三人のパフォーマンスは、いつも通りレベルの高いものであった。
ダンスは切れるし、歌はさらにうまくなっている。
1曲限りで、しかもショートヴァージョンというのが残念だったが、それは彼女たちの日本での立ち位置からすればやむを得ないところだろう。

とは言うものの、彼女たちに世界的なスーパースターになってもらいたいと思っている私としては、「わかる人にはわかる」といった感じになってしまうのは、ちょっと残念である。
誰もが見たい、聴きたいと思えるような存在になって欲しい。
そのためにはやはり、泣く子も黙るヒット曲が欲しい。
2016年には、それが生み出せればいいのだが。

あまりBABYMETALのことをご存知ではない方のために、世界中でライブをしている彼女たちの映像のなかか、パリでのライブ映像を。
https://www.youtube.com/watch?v=1Lysvg2v_BU

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ソフトバンク松田にメジャーに行って欲しかった3つの理由 [ヨモヤ]

ソフトバンクの松田内野手が、海外FA権を行使して目指していた米大リーグ球団移籍を断念した。
悩みに悩んだ末の結論とのことであり、それぞれが決断すべきことと十分わかっているが、個人的にはメジャーに行って欲しかった。
それは、以下の理由による。

1 ほとんどの人が「実は行かないんじゃないの」と思っていただけに
 今回の松田のメジャー行きには、多くの人が、「本当に行く気はないのでは?」と感じていたのではないだろうか。
 アメリカでやってみることに揺らぎがなければ、条件云々など言いはしない。マイナー契約でもなんでもとにかく渡米して、実績を積んでメジャー行きを勝ち取ろうとするはずである。
 メジャーのチームの条件を云々している段階で、これはあまり本気ではないな、と思っていた人も少なくない。
 松田と言えば、闘将のイメージがある。ソフトバンクでも、侍ジャパンでも、闘いの先頭に陣取る。そんな松田が、駆け引きをしているとは考えたくなかった。
 結果的に残留を決めたことで、ネットを見ると、「最初から行く気はなかったんでしょ」という声が一層高まっている。
 それは残念である。

2 日本人野手が苦戦しているだけに
 このところ、日本人プレーヤーがメジャーで苦戦している。特に野手が。
 新庄が4番を打ったり、福留がオールスターに出たり、井口や田口がワールドシリーズ優勝に貢献したり、といった時代もあったのだが、このところはさっぱりである。
 日本を代表するプレーヤーとして海を渡った西岡や中島、田中らは、試合に出ることさえほとんどできなかった。
 失礼ながら松田は、そこまでの選手ではない。
 だからこそ、日本人野手がメジャーでもできることを証明して欲しかった。
 日本人野手がメジャーで苦戦しているのは、レベルの違いによるものではなく、向き不向きや環境やコンディションによるものなのだということを、身をもって実証して欲しかった。

3 ソフトバンクが強すぎただけに
 強いチームがいることはプロ野球を盛り上げるが、強すぎるチームの存在は、興を削ぎかねない。
 ペナントレース、日本シリーズで見せたソフトバンクの盤石の戦いぶりは他チームを全く寄せ付けないものであっただけに、少し戦力ダウンしてもらいたかった。
 4番打者である内川不在でも圧勝だった日本シリーズを見ると、李大浩と松田がいなくなって、ようやく他チームと力が接近してくると思っていた。
 李大浩が抜けても、和田が加わり、松田が残留となると、ソフトバンクの戦力は巨大なままである。

 以上3つ掲げたが、一番の理由は、メジャーで元気に活躍する松田の姿を見たかったということである。
 今回の決断で、その機会はほぼ永久に失われた。
 それはやはり残念である。

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“練習は裏切らない” ~ 「クリスマスの約束2015」 今年も届けられた宝石のような時間 ~ [ヨモヤ]

一年間、ずっとこの日を待ちわびているという人もいるだろう。
クリスマスを待っているというのではなく、「クリスマスの約束」を待っているという人が。
小田和正さんによるライブ番組「クリスマスの約束」には、それくらいの力がある。

7組のアーチストに手紙を書き、そのすべてに振られてしまいながら制作された第一回がなんと言っても圧巻であるが、その後の回も、珠玉といっていい歌声に彩られている。
第1回が2001年だから、かれこれ15年間続いていることになる。
今年の放送も素敵だった。
毎年期待され、その水準を超えて行く。
途轍もないことをされていると感服する。

2015年のメインは、トライセラトップスの和田唱さんとのコラボ。
のっけのマイケル・ジャクソンのカバー「Heal The World」でぶっ飛ばされた。
二人とも素晴らしい。
洋楽カバーののちの「恋するフォーチュンクッキー」は、みんなへのプレゼント。
知らぬ間に、顔がほころんでしまうのを止められなかった。
この素晴らしいライブが、トライセラの再評価につながればより嬉しい。

スキマスイッチ、根本要さん、水野良樹さん参加による通称委員会バンドが奏でた「Hello,Good bye」にもしびれた。
小田さんから届けられた約束の時間は、まさに宝石。

番組のホームページに、プロデューサーの以下のコメントが掲載されていた。
「小田さんがいつも言っている“練習は裏切らない”の信条そのもの。日本一クオリティの高い音楽番組になったと思います。打ち震えました!」
スタッフが興奮する気持ちもわかる。

小田さんが、集まったアーチストとともに作り出された素敵な音楽。
あくまで楽しく、聴く者を豊かな気持ちにさせてくれる。
それを支えているのは、徹底した自己研鑽。
泥臭い努力と単調な練習。
好きだからこそできること。
プロだからこそゆずれないこと。
今年も、すごかった。

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クルーグマン教授の警句に耳を傾ける必要はないか ~ことここに至ってもなお考えたい消費増税の是非~ [経済を眺める楽しみ]

ポール・クルーグマン教授と言えば、その辛辣な言いぶりで有名である。
わかりやすいコラムでもお馴染みだが、歯に衣着せぬ指摘が多いため、世界中の政策担当者からは煙たがられていることだろう。
2008年にノーベル経済学賞を受賞されてすっかり箔がついたが、それまではエキセントリックなイメージの方が強かった。
しかし、数々の予言を的中させてきた世界経済の目利きでもある。

そのクルーグマン教授が「現代ビジネス」のインタビューで、2016年の世界経済は明るくないと展望している。
当たらないことを願うが、これまでの教授の実績からして、簡単に聞き流してはいけないと思う。
教授のコメントを引用させていただきながら、世界経済の先行きについて考えてみたい。

教授は、
「FRBは利上げをするべきなのか? その答えは、明確に、『NO』といえる」
とし、アメリカの利上げに対して、はっきりと反対を表明されている。
利上げを急ぐことは危険であり、世界経済に混乱を招くと危惧されているのである。
教授によれば、アメリカ経済は十分な回復はしておらず、こうした状況で利上げを行うことは、雇用の悪化や消費の減退を招くと指摘しており、アメリカは、2000年代に日本が犯した間違いに学ぶべきであると主張されている。
日本から見ていると、ようやくアメリカ経済は正常な状態に戻ったのだ、と感じていたが、クルーグマン教授の目には、明らかに時期尚早と映っているようだ。

また、ヨーロッパ経済は相変わらずひどいとされている。
ギリシャ、スペインはわかるとして、日本では理想的な国と言われることが多いフィンランドや、デンマーク、オランダもかなり傷んでいるようだ。
中国についても投資バブルの崩壊を懸念されている。
人民元が主要通貨入りしたことを称賛する人がいるが、
「人々は人民元を現金で持ちたいと思うか、また人民元建ての債券を持ちたいと思うか。まったくそんなことはないでしょう」
として、その不安定さを指摘されており、そう言われれば確かにそうだとうなずける。

では、その日本経済はどうか。
クルーグマン教授は、消費増税について強い懸念を持っておられるようだ。
教授は、
「日本ではいま再び消費増税の動きが出てきています。これは絶対にやってはいけないことで、危ない兆候だと危惧しています」
とし、2017年度からの実施が予定されている消費税の10%への引き上げに大反対されているのである。
教授の主張は、
「日本は日本銀行が金融緩和をすることで、円安になり、株価が上がり、ようやく経済が上向きになろうとしているところです」
「円安の効果が実体経済に現れてくるには、時間がかかる。その効果が出てくるのを待たずに、むしろ消費増税で水を差すというのはもってのほかです」
というものである。

日本では、10%への引き上げはすでに不可避なものとしてとらえられていて、軽減税率の行方にばかり注目が集まっている。
そして、軽減税率を設定することによって穴が空く財源をどうするのかというところに議論が集まっている。
そこには財政再建への思いはあっても、経済全体への目配りは十分ではないように思える。
8%への引き上げ時の景気の落ち込みは記憶に新しいが、それはそれとしてやらなければ仕方がないという判断なのであろう。
しかし、「決まったことだから実施する」というのではなく、この時期での消費増税が真に経済財政にとってやるべきことなのかどうかということは、最後の最後まで突き詰めて考えていくべきである。
そして、2度目の延期についても、最後まで選択肢から外すべきではないと思う。

クルーグマン教授は、
「アメリカも中国も、ヨーロッパも日本も、正しい政策が実行されなければ、さらに状況が悪化していきます。われわれはそんなリスクに直面しているのです。2016年は、世界中がもがき苦しむ年になりそうです」
と結んでおられる。
2016年は、4年に1度のアメリカ大統領選挙とオリンピック・パラリンピックの年。
明るい1年になることを願うが、教授の見立てはかなり悲観的である。
教授の懸念を、簡単に聞き流してはいけないと思う。
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映画評「orange オレンジ」 ~長い長い我慢の時間~ [映画評]

サッカーの実況中継で、アナウンサーが、
「ここは我慢の時間帯です」
と言うことがある。
相手に攻め込まれ、たまにボールを奪ってもすぐに奪い返される。
どうしても攻撃の糸口がつかめず、ひたすら耐えるしかない時間帯。
苦しい時間である。
お金を払って楽しみに観に行っているはずの映画でも、たまに「我慢の時間帯」を過ごすことがある。
つまらない、ダメな映画とわかったが、途中で席を立つのもなんなので、最後まで我慢をするだけという作品。
「orange オレンジ」は、序盤で「こりゃあアカン」とはっきりわかってしまった。
しかも上映時間はこうした映画にしては破格に長い139分。
長い長い我慢の時間を過ごす羽目になってしまった。

どこが悪かったか?
と聞かれると、もう止めどもなく出てきてしまう。
よく「突っ込みどころ満載」などと言われることがあるが、突っ込むことさえもったいなくなるようなハラホロヒレハレぶり。
今年見た映画の中では「リアル鬼ごっこ」が断然のワーストだと思っていたが、「リアル」には上映時間が85分と短いという美徳があった。
どちらもヒドイ作品だが、短いだけ「リアル」の方がましだったという気になった。

甘々な恋愛映画であることは十分予想していたが、個人的にはそういう作品は嫌いではない。
漫画原作に対する偏見も全くない。
現に「海月姫」や「ヒロイン失格」は思い切り楽しかった。
「orange オレンジ」も予告編を見る限りにおいては、それなりの仕上がりを期待していた。
しかし出来上がったものは、残念という評価では済まない代物だった。

酷い映画の原因ナンバーワンとなるのは、例によって脚本である。
この本を書き上げ、自分以外の誰かに提示し、世間に公開しているという精神の太さにはつくづく感服するが、商業ベースに乗せることを考えれば、まわりの人たちがしっかりチェックするべきだろう。
映画会社の人も、なんとも思わなかったのだろうか。
ちょっと信じられないひどさであった。
もちろん、作品の全責任を負うのは監督である。
監督さんには、今一度お金を払う観客の立場に立って本作を見返していただき、次回以降の糧にしていただきたい。
鑑賞に堪えられるものになっているかどうか、自身の目と魂で確かめていただきたい。

ヒロインの土屋太鳳さんは、映画の初めから最後まで、徹頭徹尾ぶりっ子的演技をされていた。
そういう演出だったのだろうか。
演技もできる女優さんなのだろうと思うが、今作のお芝居はちょっと・・・
ただ、まともに演じるには無理があり過ぎる脚本ではあったと同情できなくはない。
脚本と演出に殺されていたのは山崎賢人さんも同様。
意味不明の行動ばかりであり、最後まで全くついていけなかった。
二人を囲む友人たちはなかなかいい味を出していたように思うが、その頑張りが活かされるような作品ではなかった。

舞台は松本。
好きな街なので、映画は酷さはあきらめるとして、せめてもっと街並みや風俗などを映してほしかった。
そこも中途半端だったので、一層ストレスが募った。

私には、「orange オレンジ」を人にお勧めできる勇気が出ない。
土屋太鳳さんや山崎賢人さんのファンの方々も、できれば避けた方がいいのではないかと思う。
ガッカリしてしまうだろうから。
彼らの動いている姿が見られれば何でもいいという方は別だが。
あまりにも酷い脚本なので、「こことこことこことこことこことこことここが酷かった」などの酷さ探し競争の題材に使うのはありかとも思うが、それはビデオでやればいいのかとも思う。
2000円近く払ってそれをするという貴族のお遊びもありかも知れないが。

この映画を観た人が、「やっぱり邦画はダメだ」とならないことを祈りたい。
いい映画もたくさんあるのだから。
とにかく長い長い映画だった。

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東京オリパラにかかる経費の見込みが当初の6倍に ~国民一丸になれる日はいつ来るか…~ [ヨモヤ]

そのまま受け取っている方はほとんどいないとは思うが、前大阪市長の橋下さんは、任期満了に伴い市長を退任し、そのまま政界を引退する考えを示されている。
橋下語録は数あれど、そのわかりやすさが大きなインパクトを与えたのが「ぼったくりバー」発言。
これは、国が行う公共事業の費用の一部を地方自治体が負担する直轄事業負担金についての言葉で、明細もなく一方的に請求書を送りつけてくる国のやり方を痛烈に批判したものであった。

その「ぼったくりバー」という言葉を思い出させてしまうのが、東京オリンピック・パラリンピックにかかる費用の試算。
組織委員会が準備や運営に必要な費用を試算し直したところ、およそ1兆8000億円と当初の見込みの6倍に上り、組織委員会の財源だけでは大幅に不足することが分かったというのである。
見込みの1.2倍とかならなんとか理解もできるが、6倍とは。
これでは「安くしておきますよ」と呼びこんでおいて、店に入ったらガンガン吊り上げていくやり方と変わらない。

人件費の高騰も費用がかさむ要因だというのだが、確かに多少は上がっているとして人件費の上昇率は6倍とはほど遠い。
予想できなかった経費が次々に判明したというのだが、最初の見通しがあまりにも甘かったと言われるのも当然だろう。
ロンドンでも最初の見込みの3倍かかったとされているが、よその国のことはいざ知らず、日本の常識では、最初の見込みの6倍もかかるプロジェクトなど普通ならあり得ない。

もちろん、足らない分は国民が負担することになる。
これだけ見込みとの差が出てしまったのでは、最初に見込んだ段階では費用がかからないことを売りにするために実態以上にコンパクトに見せかけ、後戻りができなくなってからどんどん足してきたと思われても仕方がない。
この見込み誤りを、誰がどのように責任を取られるのだろう。

私は、日本国内でのオリンピック・パラリンピックの開催には賛成である。
巨額の財政負担が見込まれるが、それでもやる価値があるものだと思う。
しかし、こうも相次いで組織委員会の失態を見せられてしまうと、賛成の根拠がだんだん揺らいできてしまう。
明るく楽しく幸せ一杯の五輪・パラリンピックを開催したいところだが、現在の混沌からはそれが見えてこないのが本当のところである。
国民が一丸となって成功に向かいたいのに、そうした機運に水を差しているのがほかならぬ組織委員会であるというのが、なんとも残念である。
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