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退職年齢の引き上げは不可避か ~70歳まで現役が現実味~ [公会計]

社会保障費の増大が、大きな問題となっている。
総人口が減少に転じ、働く世代が減ってくるなか、担税力が弱く、給付を受ける立場の高齢者が増えてくるのだから、それは必然である。
そうなるかもしれない、という状況ではなく、確実にそうなる。
日本の備えは万全だろうか。

高齢化の進展は、日本に限った話ではない。
ヨーロッパ最強の経済大国、ドイツでも同じである。
ドイツ人の現在の平均寿命は男性78歳、女性83歳というから、日本の男性81歳、女性87歳よりは短いが、これが延びつつある。
また、日本同様、というか日本以上に出生率が低く、少子化が進んでいる。
社会保障の先行きに不安が生じるのは当然である。

こうした状況のなか、ドイツ連邦銀行が、退職年齢を69歳に引き上げるよう提言したという。
法定退職年齢については、すでに現行の65歳から2029年までに67歳に引き上げることが決まっているらしいのだが、これをさらに引き上げるべきというのである。
ドイツ国内では、大きな議論を呼んでいるらしい。

年金をはじめとする社会保障費を維持可能なものとしていくためには、退職年齢の引き上げはわかりやすい特効薬となり得る。
納税者が増え、
給付を受ける人が減る、
という一石二鳥になるのだから当然である。
失業率が急低下している日本では、ミスマッチを考えなければ、人手不足の解消にもつながる。

一方、「そこまで働かされるのは勘弁してよ」という率直な気持ちを持つ人も多いだろう。
もちろん、生涯現役でいたいという方も多いだろうが、せめて65過ぎたらのんびり暮らしていたい、そのための年金制度じゃないの、と思う人も少なくないはずだ。

財政がもたなければ、個人がどう思おうと年金支給開始年齢についてさらに引き上げていくことが避けられない。
日本では、年金が政争に使われることが多く、どうしても長期的な展望に立って議論がなされにくい。
これまでどうだった、誰の責任でこうなった、ということを検証することも必要とは思うが、そこに固執すると先に進めない。
退職年齢の引き上げ、年金支給開始年齢の引き上げは、国民にとっては苦い薬である。
だからこそ、オープンに議論してほしいものである。

「銀魂」の実写化はただ受け入れる [ヨモヤ]

空知英秋さん原作『週刊少年ジャンプ』に連載中の「銀魂」の実写映画化が進んでいる。
アニメが面白く、一時は心底惚れ込んだ作品なのだが、直近のテレビシリーズでがっかりし、今は淡々と受け入れている。

「銀魂」という作品は、散々「終わる終わる」といって不安をあおって肩透かしをするのが得意技だった。
どんなに騙されても、作品がよければ満足できた。
しかし、「これが本当に最後」と言っていたはずの映画の後に放送されたテレビシリーズが散々の出来で、思い入れはほとんど消えてしまった。
絵は雑で、ストーリーも興覚めだった。
私が好きだった「銀魂」は、そこにはなかった。
別れてしまった人のことのように、その後どうなっても淡々と聞いている。
「へえ、そうなんだ」という感じで。

実写版のメガホンをとるのは、「HK 変態仮面」の福田雄一さん。
福田さんの監督作は観たことがない。
脚本を担当された「逆境ナイン」は観たが。

実写版の主要キャストは以下のような面々。
坂田銀時  小栗旬
志村新八  菅田将暉
神楽    橋本環奈
お妙さん   長澤まさみ
桂小太郎  岡田将生
土方十四郎 柳楽優弥
沖田総悟  吉沢亮
平賀源外  ムロツヨシ

想像以上に豪華な面々であり、面白くなる要素がたくさんある。
なかでも菅田くんの新八は楽しみだ。
柳楽くんの土方もはまりそうである。
しかし、期待しないで待っていよう。
一度別れてしまったのだから。
期待は、曽利文彦監督の「鋼の錬金術師」の方に託そうと思っている。

やはり対処すべきは将来への不安 [経済を眺める楽しみ]

一部の新聞やネットのつぶやきなどを見ていると、日本は、「一億総不満足状態」のように思える。
仕事はないし、あってもブラックだし、
自由はなく息苦しいし、
結婚したくても金も出会いもないし、
子供を産みたくても、そんな環境はどこにもない。
という感じ。
しかし、実態はそこまで真っ暗でもなさそうだ。
内閣府が発表した「国民生活に関する世論調査」によると、
「現在の生活にどの程度満足しているか」との問いに、「満足」と答えた方が横ばいの70.1%おられたそうだから。

満足度を項目別で見ると
「所得・収入」は48.1%と50%に満たなかったものの、
「レジャー・余暇生活」は62.2%、
「住生活」は81.4%、
「食生活」に至っては88.0%という高水準だった。

ここまで見ると、不況不況と言われながら、結構満足しているんじゃないかと思えるが、今後の生活見通しという設問ではガラッと様相が変わる。
つまり、今後については、
「良くなる」という答えはたったの8・7%だったというのだから。
また、政府に対する要望では、「医療・年金などの社会保障の整備」が64・4%でトップだったという。

この結果からざっくり見えてくることは、
・日本人の多くは、現状の生活にはそれなりに満足している
・特に、住居や食という基本的な部分への満足度は高い
・しかし、将来への不安が高く、先行きを暗く見通している
といったところであろうか。

失業率が下がり、
大企業を中心に賃上げも進んでいるが、
この状態がいつまでも続くとは思えないから、あまりお金は使いたくない。
だから消費が盛り上がってこない。
という状況であろうか。

すべての事象を政治の力でなんとかできるものではない。
例えば、経済対策は政治の大きな役割だが、政策だけで好転させるのはなかなか難しい。
しかし、将来不安をなるべく少なくするというのは、ほかの誰でもなく政治の出番である。
経済の未来を予測するのは難しいが、
人口動態などから社会の変化を予測することは可能である。
そこへの対処はできるはずだし、しなければならない。
それは経済政策というよりむしろ福祉の領域だろうが、結果的には最大の経済対策になりうる。
「国民生活に関する世論調査」の集計結果は、そのことを改めて示している。

日本ハムのおかげでパが楽しい [ヨモヤ]

今年のパ・リーグがちゃんとしたペナントレースになるかどうか、キャンプの頃から心配だった。
なにしろ、ソフトバンクが強過ぎるように見えたからだ。
去年のペナントは2位をブッチギリ、日本シリーズでも4番の内川を欠きながらヤクルトを寄せ付けなかった。
5番を打っていた李大浩の抜けたのが痛いは痛いが、柳田、内川、中村、松田、長谷川の中軸に、今宮、本田、福田が絡む打線は、それでも盤石に見えた。
投手陣も、もともと豊富なところに持ってきて、千賀、東浜、岩嵜といった若手が伸び、メジャーから和田が帰ってくるとあっては、つけ入る隙がない。

案の定、ソフトバンクは開幕から快調に飛ばした。
交流戦前の勝率は7割を超え、貯金18及び2位との6ゲーム差は、交流戦突入時の数字としてはいずれも史上最大だった。
セの球団に頑張ってほしいと願った交流戦も、反対に1位で突破し、交流戦終了時には、2位のロッテに7.5ゲーム差、3位の日ハムとは11ゲームもの差がついていた。
もともと強いチームが、大して無理もせずこのゲーム差。
この時点で、ペナントレースはほとんど終わったと観念した。

しかし、ここからの日ハムの進撃はすさまじかった。
とにかく、7月はほとんど負けなかった。
なんと7月の勝敗は、17勝4敗。
8月もここまで14勝9敗。
信じられないことに、ソフトバンクに追いつき、一時は追い抜いてしまった。

正直なところ、私はソフトバンクと日本ハムのどちらが優勝しても構わない。
ここまでは日本ハムを熱烈に応援してきたが、それはペナントレースが盛り上がることを願ってのことであり、その目的は完全に達した。
パ・リーグファンとしては、ここから先は、きちんと日本シリーズに勝てるチームに優勝してもらいたい。
それがどちらなのか、今の段階ではわからない。
勢いでは完全に日本ハムだが、本当の勝負はここからであり、底力勝負になったときにどちらが抜け出すかはわからない。

日本シリーズで大谷が投げて打つところを見てみたい気がするが、
大舞台での戦い方を知っているのはソフトバンクだろう。
中田翔の日本シリーズもワクワクするが、
柳田の日本シリーズも負けていない。
すでに決着がついた感があるセ・リーグと違い、パはまだまだ熱い。
もうしばらく、楽しませてもらえそうだ。

映画評 「君の名は。」 [映画評]

初めて新海誠監督の作品を観た。
観てよかった。
観なかったら、人生一つ損をしていた。

公開初日とは言いながら、私が観たのは夜の8時45分からの回。
にもかかわらず、劇場は満席札止め。
ブレイクする瞬間に立ち会った。

「君の名は。」で、新海誠さんは、原作・監督・脚本のすべてを担当されている。
ポスト宮崎駿、細田守などと言われているらしいが、人と比べる必要もないだろう。
才能のきらめきに心を騒がせればいい。

本作は、男の子と女の子が入れ替わる話である。
この設定では、大林宣彦監督の「転校生」という傑作があるが、そのほかでも散見される、正直よくある話である。
また本作では時間のずれもテーマになるのだが、この手の話も定番的によくある。
しかし、ちっとも古びた感じがしない。
観たことがある気もしない。
どのシーンもみずみずしく、スクリーンにどんどん引き込まれる。

男の子と女の子の関係もいい。
べたべたせず寄りかからず、お互い何がなんだかわからない。
好きも嫌いもなく、ただわけがわからない。
でも、二人じゃなくては駄目。
そういう二人。

「忘れたくないもの」
「忘れちゃいけないもの」
二人のセリフを、自分にも問いかける。

評判どおりに絵は美しいが、決して押しつけがましくはない。
ただ、いいものを観ているという満足感の中で時間が過ぎていく。

時間がずれる映画にありがちだが、ストーリーはやや複雑である。
だが、あまり話の辻褄を考え過ぎる必要はない。
いい映画なのだから、身を任せていればいい。
大丈夫、間違った方向には連れていかれない。

神木隆之介さんと上白石萌音さんの声はばっちりであった。
切ないシーンも少なくなく、二人の声に心をつかまれた。

劇中、RADWIMPSの曲が何回か流れる。
日本語の曲がこれだけ長く複数回使われる映画は珍しいと思うが、世界観はきっちり守られている。
これまであまり聴いてこなかったが、RADWIMPSの曲の素晴らしさにも改めて気づかされた。

実に濃密な2時間だった。
いつまでも続いてほしいような気がした。
終わるのが寂しく、もったいなかった。

いい映画は、何回でも観たくなる。
すでに2回観た「ちはやふる 上の句」だが、まだ何回でも観たい。
しかし、「君の名は。」はいい映画なのに、何回でも観たくなる感じはない。
この一回を大切に大切にしたいと思った。
早くも新海監督の次回作が待ち遠しい。
早くも待ちきれない。

「つまらない男」と公の場で言われたら ある意味美味しい [ヨモヤ]

民進党の代表選への出馬を表明した蓮舫参院議員・党代表代行の発言が波紋を広げている。
その発言は、日本外国特派員協会で開いた記者会見で飛び出したもの。
蓮舫さんは
「私は岡田克也代表を大好きです。ただ、1年半一緒にいて、本当につまらない男だと思いました」
とバッサリ切って捨てたのである。
もちろんこれには続きがあって、自分はそうではないとのメッセージのフリとなっている。
つまり、
「人間はユニークが大事です。私にはそれがあると思います」
と続けたのである。

会場ではまあまあ受けていたし、私も映像で見て不快な気分にはならなかったが、ネットでは散々な叩かれ方のようだ。
「人を馬鹿にしちゃいけない」
「高飛車過ぎる」
などなど。
先の都知事選で日本中に醜態をさらされた鳥越俊太郎さんもなぜかこの話題に参戦され、
「日本語の感覚では『つまらない男』というのは『最低な男』というのと同義語ですよね」
などと批判されているのだが、例によって何をおっしゃりたいのかは不明である。

批判が大きいことについて、蓮舫さんは
「言い方も含め本当にダメだと猛省してます」
とツイートされたようだ。
また、引き合いに出された岡田代表は、
「本人も冗談のつもり。そういう本人の性格もよく分かっている」
としたうえで、
「妻に言われればショックでしょうが、別に蓮舫さんに言われたからショックを受けるということではない」
蓮舫さんをかばわれている。
妻に言われればショックというあたり、岡田さんらしいと言えばらしいのだが、返しとしてあまり面白くはない。

民進党の支持率は、二大政党を目指すにはあまりにも低迷しており、話題に上ることもほとんどない。
まずは国民に関心を持ってもらわないとどうにもならない。
その意味で、今回の代表選挙は大きなチャンスである。
また、蓮舫さんの発言も、結果的に代表選挙への注目度を高める効果はあった。

代表を引かれる岡田さんとしても、「つまらない男」とあれだけ堂々と言われれば、ある意味美味しい。
これからずっと使える。
何かあるたびに、
「いや、つまらない男なので」
「つまらない男なりに」
などと言えば、それなりに喜んでもらえるだろう。

民進党の代表選挙には、前原元外相も立候補されるらしい。
注目度が高まってきたなかでの、蓮舫さん、前原さんという二人のビッグネームのぶつかり合いは、民進党の主張を広げる上でも、絶好の機会にできるはずだ。
何か面白い舌戦があるといいのだが。
今回の批判に懲りてしまって、蓮舫さんが「つまらない」発言ばかりされないことを願う。

書評 「炎の言霊 島本和彦名言集」 [読書記録]

漫画を読んで、どうしても笑いがこらえられなかったことがあるだろうか。
私にはある。
どうにもこうにも笑いを抑えられず、空を見上げたり、唇を噛みしめたり、懸命に耐えた。
そんな数少ない経験をさせてくれた作品の一つが、島本和彦さんの「炎の転校生」である。
学園ドタバタナンセンスギャグ、とでも言えばいいのだろうか。
とにかく毎週毎週、今風に言えば腹筋崩壊だった。
島本さんの作品では、ほかにも「逆境ナイン」や「燃えよペン」なども大いに笑える。

島本作品の魅力は、笑えるだけではなく、登場人物の無闇に熱い言葉に、たまにジンと来るところである。
いや、どの作品もナンセンスにほんわかぐるぐる巻きにされているからジンと来はしないか。
しかし、ジンと来ても来なくても、とにかく心に残るセリフが多い。
この本は、そんな炎の名セリフを集めた本である。

例えば、
「男は『どうしていいかわからん!』ときが一番面白い!!」
「一番を目指さぬ若者はブタも同じ!!」
「無謀な目的が常識的な手段で達成されるはずがあるまい!!!」
「時間が人を左右するのではない 人が時間を左右するのだ!!」
「心に棚を作れ!!」
などなどである。

何を言っているのかわからないと思うが、それで正常である。
島本作品では、登場人物がそれぞれの価値観に従って、突拍子もない行動をとる。
そして、その行動を正当化するために、言っている人間にしか理解できないような言葉を吐く。
それが笑いになったり、意味不明の感動になったりする。

漫画やアニメは、名セリフ・名場面の宝庫である。
島本作品には、誰の心にも残るような、お上品な名セリフはない。
ただ、笑いを呼ぶ無駄に熱い言葉が吐かれているだけである。
その無駄さが、どうにもいとおしい。

映画評 「ルドルフとイッパイアッテナ」 [映画評]

夏休みは、アニメ映画がてんこ盛りである。
「ペット」「ファインディング・ドリー」「ワン・ピース」「ポケモン」と、勝負をかけた作品が並ぶ。
このうち、ピクサーの「ファインディング・ドリー」は観たものの、それ以外の作品はどうにも観たい気が起きない。
今年のポケモンは久し振りにいいらしいが、毎年そんなことを聞かされて観に行ってがっかりというパターンを再三繰り返したので、さすがにまたチャレンジする気にはなれない。
ネットの評価がいいから行ってみてがっかりというパターンは、ドラえもんでもしんちゃんでも、これまでに何度も味わわせてもらった。
もう、こりごりである。

アニメ映画以外で、面白そうな邦画をやっていないかと探したのだが、なかなか見当たらず。
そこで観に行ったのが、「ルドルフとイッパイアッテナ」という日本アニメである。
たぶん、「ペット」の方がしっかり作られているのだろうとは思ったが、邦画が好きなのだから仕方がない。

この映画の原作は、かなり有名な児童文学作品だが、私は未読である。
しかし、予告編を散々見てきたので、大体の流れは知っていた。
そして、その想定の範囲から、大きな逸脱はなかった。
つまらなくはなかったが、掘り出し物感もなく。
まあまあ、という評価に落ち着く映画だった。
ただし、大人だけで観に行って元が取れるという類の作品ではない。
夏休みに子供と一緒に行って、それでなんとか、という感じ。

猫が勉強して字を読んだり、仲間のために命を懸けて戦ったりという話だが、
映画の枠組みの中で展開していくので、トンデモ感は特にない。
観ている方はすぐに受け入れることができ、それぞれのキャラ設定もすぐに理解できる。
それだけわかりやすいとは言えるが、驚きがないだけに、感動もそれほどは高まらない。
引っかかりがなく、すっと流れていく。

夏休みに観る映画として、こうした子どもたち向けのアニメ映画はあっていいと思う。
大作アニメは、大ヒットを狙うからどうしても派手な展開になりやすいが、ゆったり時が流れる作品もほしいところであるから。
ただ、もう少しとんがってもいいように思う。
そうでないと、観終わった瞬間からどんどん記憶が薄くなってしまう。

甲子園の底力 [ヨモヤ]

今年の甲子園は、リオオリンピックの裏番組的な位置づけになってしまった。
日程がどんかぶりで、日本チームが連日メダルラッシュに沸くなかでは、それもさすがに仕方がない。
しかも、どちらかというと地味な大会になったと思う。
去年のように、大人気となるスターは生まれなかったし、逆転の連続で大会自体が盛り上がるとか、旋風を巻き起こすチームが出てくるとかいったこともなかった。
高校ビッグ3と言われた横浜・藤平尚真、履正社・寺島成輝、花咲徳栄・高橋昂也がベスト8にも残れなかったうえに、優勝候補とされていた履正社を含め、地元近畿勢が早々に姿を消す展開となってしまった。
さらに言えば、関西は記録的な猛暑が続いている。

こうなると、さすがの甲子園も観客がまばらになるかと思いきや、まったくそんなことはなかった。
今大会の総入場者数は、83万7千人。
清宮、オコエといったスターの誕生で大きな盛り上がりを見せた昨年の86万2千人には及ばないが、基準となる80万人の大台を突破した。

まさに甲子園の底力を見た思いである。
オリンピックがあっても、
SMAPが解散しても、
スターがいなくても、
人は炎天下の甲子園に足を運ぶ。
そこに見えているものは、人それぞれ違うと思うが、甲子園を大切にしたい思いは変わらない。

甲子園があって、高校野球児は幸せである。
甲子園があって、日本人は幸せである。

案外、本当に100年安心だったりして ~年金の未来は見えないようで見えるようで~ [公会計]

一時、政治の話題が年金に独占されたことがあった。
「消えた年金」の問題や、
制度設計への批判などで、
とにかく年金年金年金だった。
これに政治家や芸能人の未納問題まで絡んだものだから、ますます大騒ぎになった。
自分の懐にかかわる話だから、今でも多くの人の関心事であることは間違いないと思うが、一時の狂熱は冷めた。

さて、国立社会保障・人口問題研究所が、2014年度の年金や医療、介護などの社会保障給付費が前年度比1.3%増の112兆1020億円だったと発表した。
今頃2014年度の結果を発表するあたりずいぶんと遅いが、数字の傾向としては参考になる。
社会保障費が過去最高になっているのは、大方の予想どおり。
どう考えても増えるに決まっている。
しかし、意外だったのは年金給付が減少したこと。
年金が前年度に比べ減ったのは内訳の公表を始めた1964年度以来、初めてという。
2013年10月に、過去の「もらいすぎ」の解消として支給額を下げたことが通年で寄与したのだそうだ。

一方、厚生労働省が発表した2015年度の厚生年金と国民年金の収支決算によれば、
厚生年金の保険料収入など歳入は45兆1644億円で、給付などの歳出が42兆9008億円、国民年金は歳入が4兆2346億円、歳出は4兆1189億円、
と、歳入と歳出の差はいずれもプラスだったという。

公的年金の積立金を運用している「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)による市場運用で5兆3,000億円余りの損失を出したことが大きく報道されたが、年金全体とすると、少なくとも単年度では、それほど大きな問題になっていないことがわかる。
損失を出したと言っても、2015年度末の積立金は総額134兆7,475億円。
もちろん、これから支出が多くなってくることが見込まれ、そのために積み立てているのだが、単年度で歳入が上回っているなか、100兆円を大きく上回る積立金があるという状況は、意外と安定した財政構造であると言えるのではないか。

厚生労働省は、年金制度を「100年安心」としている。
誰もこれを信じていないのだが、単年度決算だけを見ると、あながち嘘でもないのかな、などと思ってしまう。

現在の年金制度は、何十年も前に作られた制度をもとにしており、時代の変化にまったく合っていないのは確かであろう。
また、今後高齢者の割合がどんどん増えていく中では、制度の根本的な見直しが避けられないと思う。
しかし、イメージだけで危機を語っても意味がない。
年金は国民的関心事であるだけに、正しい数字をもとに、妙なイデオロギー闘争は抜きにして、冷静な議論をしたいものである。

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