So-net無料ブログ作成
検索選択

新垣渚の高校時代はすごかった  ~ 暴投王も彼らしく ~ [ヨモヤ]

ソフトバンク、ヤクルトでプレーした新垣渚さんが引退した。
64勝64敗という通算成績は、残念ながら一流選手のものとは言えない。
新聞の見出しも、「松坂世代がまた一人」といったもので、新垣個人というより、世代に絡めてのものが多かった。

しかし、私の印象の中の新垣さんは、「松坂世代の中の一人」というより、「末恐ろしい怪童」である。
はじめて見たのは、彼が高校三年生の時の春の選抜であったが、指にかかった時のボールはすさまじかった。

私もそれなりに長く高校野球を見ていて、
作新学院の江川くらいから記憶があり、星稜の小松、海星のサッシーこと酒井、南陽工の津田
などが印象深いが、新垣の衝撃は彼らを上回っていた。
もちろん、同世代の松坂や杉内、和田ら以上だった。

なんでも、新垣さんは子供のころから脚が弱く、骨折を繰り返しておられたのだという。
そのせいもあってか、甲子園で見た投球は実に不安定で、すごい球があったかと思えば、ダメな球もそれ以上にあり、まったく未完成に見えた。
逆に言うと、相当な伸びしろを感じた。
日本野球の枠をはみ出るのではないかと思えた。

高校卒業時の入団交渉時に大きな悲劇があったが、もしあの時にプロ入りしていたらどうだっただろうと考える。
大成していただろうか。
それとも、体力が足りない段階でのプロ入りは、選手生活を縮めただろうか。
こればかりは、わからない。

プロ入り後の新垣さんを、ずっと歯がゆい思いをして見ていた。
一年目からすぐに活躍し、二年目から2桁勝利を続けたが、新垣さんの潜在能力を信じるものからすると、到底物足りないものだった。
手も足も出ないような投球をしたかと思うと、その次の登板ではふがいなく降板してしまうといったことの繰り返しだった。

彼らしいと言えば言えるのが、2007年の年間25暴投。
これはプロ野球記録である。
そのほか、1イニング3暴投、1試合5暴投もプロ野球記録となっている。
威力がある上に、球がばらつく、新垣さんらしい記録である。
新垣さんのボールがずれたら、それはキャッチャーも捕れない。

いつ化けるか、いつ本格覚醒するか、と期待しているうちに時が流れた。
どこか飄々としておられ、自身の怪物性を持て余しておられるように感じられないでもなかったが、実際にはいろいろな葛藤があったのだろう。
かなり年齢を重ねてからヤクルトに移籍したが、ここから大きな花が咲くのかと勝手に想像したりもした。
しかし、それは叶わなかった。

もう新垣さんの投球は見られないが、記憶の中には、甲子園で見たホップするストレートが残っている。
かかった時の球は、本当にすごかった。
松坂よりも、ダルビッシュよりも、田中よりも、そして大谷よりも。

映画評 「疾風ロンド」 [映画評]

「疾風ロンド」の前に観た映画が、今大評判のアニメ映画「この世界の片隅に」であった。
「この世界の片隅に」は、多くの人にとって「人生の一本」になりうる傑作だと思う。
一方の「疾風ロンド」は、「毎年の何百本」のなかの一作。
比較しては気の毒とは思うが、直近に観た作品だけに、つい。
両者には同じ「映画」というくくりで比較することが無意味に感じられるほどのクオリティの違いがあった。
まあ、この作品はこの作品として。

約2時間の上映中、退屈したかというとそうでもなかった。
早く終わることだけを願わされる映画もないではないから、その意味ではありがたい。
しかし、まさかこんな浅くないよね、何かあるよね、という思いでずっと見続け、そのまま終わってしまったことは否めない。
いろいろどんでん返しがあるのだが、びっくりするというより、やれやれと呆れる感じである。
「それはないよなあ」というトホホ感。

もちろん、コメディである。
だから、観る側もシリアスさを求めてはいない。
しかし、コメディだからなんでもいい、ということにはならない。
むしろ、人を笑わせようと思えば、周到な準備や仕掛けが必要である。
本作では、それがはまっているようにはとても思えない。

脚本が目を覆う酷さなのだが、監督さんが脚本も担当されているので、自業自得ということになるのだろうか。
これでいい、と思って書かれているのだとすると、ちとあんまりである。

主演は、コメディの帝王 阿部寛さん。
いつものようにしっかり演じられているのだが、役にはまり過ぎているだけに逆に面白味がない。
ムロツヨシさんにも同じことが言える。
ネットでは、大倉忠義さん、大島優子さんの演技の評判が悪いようだ。
しかし、あの脚本では、誰がどう演じても大して変わりはないだろう。
むしろ被害者に思える。

「疾風ロンド」に「人生の一本」を求めて観に行く人はいないだろう。
だから、少々辻褄が合わなくても、登場人物の行動がいちいち理解不能でも、
気楽に笑えるデートムービーとしてなら、こういう映画のニーズもあるのだと思う。
ほとんど成立していないような話の展開だが、映画の後の食事のときなどに、あそこがひどかった、あそこも無理筋だった、あそこなんか滅茶苦茶だったと盛り上がることができそうだ。
ひょっとしたら、監督さんはそこを狙って作られたのかもしれない。
そうだとすれば、さすがプロである。

通訳案内士口述試験まであと1週間 これからやれること [お役所内案内士]

2016年度の通訳案内士試験口述試験が、12月4日(日)に行われる。
残された時間は、あと1週間。
これからやれることはどんなことだろう。

口述試験では、
氏名住所などの自己紹介
逐次通訳
プレゼンテーション審査
が課せられる。

このうち、自己紹介の準備は十分できるはずだから、しっかりおさらいしておく必要がある。
住所、氏名、生年月日は必ず聞かれると思っておこう。
さらに、ここまでの交通手段、どのくらいの時間がかかったか、住んでいる場所の簡単な説明、
あたりは、スラスラ言えるようにしておきたい。
口述試験まで来られている方だから、普段なら何の問題もなく言えることだと思うが、試験となるとどうしても慌ててしまう。
リラックスして、伝わりやすい大きな声で言えるように、用意しておこう。

逐次通訳の力については、これからの1週間で劇的に向上させられるとは思いにくい。
しかし、試験の場では、完全な訳が求められているわけではない。
何か言って、何とかかんとか通じればそれでいい。
今から準備しておくべきは、なんでもいいから何か言う心の用意である。
日本語の内容によっては、瞬間的には英語に訳せないこともあるだろう。
例えば、「かかし」や「ししおどし」についての文章が出され、そもそもそれ自体を何というかわからない場合も大いにあり得る。
しかし、そこでギブアップしたら終わりである。
日本人にはありがちであるが、ニコニコしての沈黙もダメである。
伝えられた文に無いようなことでも、例えば、
「私の住んでいる地方ではあまりないのですが」
「外国人の方は、みんな不思議に思うのですが」
「日本人でも詳しく知らない人も多いようです」
とかなんとか加えて、何やら話してしまおう。
繰り返すが、完全な訳ではなく、伝えるや熱意や力が試されているのだ。
訳せない文章、聞いたことがない言葉でも慌てない用意をしておこう。

最後のプレゼンテーション審査は、出されたお題に大きく左右される。
だが、どんな題が自分に割り振られるかはコントロールできないものの、出される内容は、外国人観光客に関心があるものに限定されるはずだから、ある程度予測はつくはずだ。
それなりに準備しておけば、示される3つのうち1つくらいは何らか話せる題材が入っているのではないだろうか。
準備は、英語での記憶に頼らない方がいいと思う。
試験の時は、誰でも緊張しているから、すっと記憶から抜け落ちることがある。
もちろん日本語で覚えていても抜けてしまう可能性もあるが、英語よりはましだろう。
日本語で覚えていれば、直訳でもなんでも言ってしまえばいい。
準備に使える教材については、こちらで紹介した。
http://matoko.blog.so-net.ne.jp/2016-11-22

プレゼン後の質疑では、しっかり自分の意見を述べよう。
知識の正確さが問われる試験ではなく、伝えられるかどうかが試されているのだから、正しかろうが間違っていようが、とにかくわかりやすく話せればそれでいいと思う。
伝えようという気持ちを示すことが大切である。
できればジョークの一つも挟んで場を和ませたいところだが、硬い雰囲気のままでもなんでも、大きな声で話せればそれで十分である。

その他、ありふれたアドバイスではあるが、試験場所をしっかり確認しておきたい。
各地の大学などで試験が行われることが多いが、今まで行ったこともないところも少なくないだろう。
遅刻は厳禁だが、そうならなくても当日慌ててしまうと精神的に不安定になりかねない。
ゆとりを持って試験に臨めるように、電車の時間などを調べておこう。
早めに最寄りの駅に着いて、付近を散歩するくらいの余裕がほしい。
持ち物チェックもお早めに。

最後に、運を磨いておこう。
ほとんどの試験において、運の要素は大なり小なりあると思うが、案内士試験は特に強いと思う。
運なんか、磨けるものではないと思いがちだし、実際そうなのだろうが、運の要素が強いとわかっているのだから、何かしておいてもいいのではないか。
急に妙な精神論になるが、運を引き寄せるのは感謝の気持ちではないかと感じる。
口述試験までたどり着けたここまでの過程で、お世話になった人はいないだろうか。
いたら、その人に、心の中でいいから感謝してみよう。
いつもお世話になっているあの人に、胸の内でいいから感謝の言葉を捧げてみよう。
運が向いてくるように神様に祈ってみよう。
もちろん、仏様でもいい。

あと一週間、遅くまで勉強されるよりは、体調管理に気をつけられた方がいいと思う。
口述試験に臨まれる皆さんが、元気に当日をお迎えになられ、
存分に力を発揮されることをお祈りしています。

FAで流出しても強い日ハム FAの流出で弱体化していく西武 [ヨモヤ]

西武からFA宣言していた岸孝之投手の楽天移籍が決定した。
西武としては、生え抜きのエースに去られたうえに、同一リーグに入団ということだからダブルパンチとなる。

このところ西武からFA移籍する選手が次々現れており、涌井、片岡、中島など、ここ6年で9人目になる。
FA移籍が最も多いのが西武らしい。
それだけ生え抜きのいい選手を育てていると言えなくもないが。
FAで移籍するくらいだから、当然チームの中心選手。
彼らが抜けていくたびに、チームの弱体化も進んでいく。
このところの成績低迷の原因の一つだろうか。

しかし、2番目に流出が多いチームを見ると、FA流出イコール弱体化ではないことがわかる。
2番目に流出が多いのは、日本ハムだからである。

今年も、長く中心選手だった陽岱鋼がチームを離れる決意をしたようだ。
これまでも、片岡、小笠原、小谷野など主力選手がFAで流出している。
さらに、ダルビッシュはポスティングでメジャーに移籍した。
それでも過去10年の成績を見ると、
1位、3位、1位、4位、2位、1位、6位、3位、2位、1位
と、8年間がAクラス。
2016年の劇的な日本一は記憶に新しいが、1年限りの好成績ではなくもはや常勝チームと言っていい。
また、田中賢介がメジャー挑戦後に復帰したり、ダルビッシュが日本シリーズ前にメッセージを寄せたりと、チームを離れた後もつながりがあるのが特徴である。
松井、中島といったメジャー挑戦組が他チームに移籍している西武とは、そこも違っている。

さて、一部報道によれば、岸の移籍について鈴木球団本部長は、
「交渉するたびに条件は上乗せしていった」
とおっしゃったらしい。
別の球団幹部も、「“楽天マネー”の威力にはお手上げ」
と語ったとされている。
これが本当なら、これまで相次いでいるFA流出もやむを得ないと思えてしまう。
人の思いや行動を、金だけで割り切っているようでは・・・。

これも報道によるのだが、先の球団幹部が、
「(来年契約期間が切れるが)中村はライオンズ愛を持っているから大丈夫だろう。これからはライオンズ愛がある人だけでやっていくしかない」
とおっしゃったとか。
岸の移籍を金が原因と決めつけておいて、これからの選手が残るかどうかは愛次第と考えているようでは、この先も危うい。
移籍していく選手を愛がないからと切り捨ててしまうのも、あまりにも冷たい。

誰が言ったとも書いていない報道によるものだから、球団の幹部がこんなことを言ったのかどうか確かめようもない。
しかし、次々と選手が抜けていく西武には、
選手から愛される球団になっているだろうか。
地域から愛される球団になれているだろうか。
常に自問していただきたいところである。

ちなみに、最も大切にするべき本拠地所沢の駅前で開かれるイルミネーションのイベントに毎年ライオンズの選手が参加しているのだが、2016年は、玉村祐典 投手と山田遥楓 選手の二人が参加した。
玉村選手と山田選手のファンには、素敵なプレゼントとなったと思う。
しかし、多くの地元ファンがこの二人を望んでいたかどうかは、皆さんの判断にお任せしたい。

TBSが親会社だった頃には不人気をかこっていたDeNAだが、この数年で完全に離陸し、今や浜スタが日本で最も熱い球場になりつつある。
これで、12球団中地域とのつながりがあまり感じられないのは、セのヤクルトと、パのオリックスと西武だけになった感がある。(巨人も、東京という土地柄、地域色はあまり感じないが、このチームに限っては全国区であろう)
パのファンとしては、オリックスと西武が心配である。
もちろん、両チームともいろいろな取り組みを進めておられるのだとは思うが、残念ながら他チームと比較すると十分ではないのだろう。
少なくとも、結果を見るとそうなっている。
いろいろ変えていかないと、ますます置いていかれる。
そんな不安が募っている。

映画評 「この世界の片隅に」 ~「人生の一本」になり得る傑作~ [映画評]

11月22日の東京株式市場で、東京テアトル株がストップ高の急上昇となった。
理由は、テアトルが配給する「この世界の片隅に」の予想を上回る大ヒット。
一つの作品が、会社の株価をストップ高までに引き上げるのはさすがに滅多にない。
勤労感謝の日に、テアトル新宿でこの映画を観てみようとインターネットの予約画面を当たってみると、午前中の段階で最終回まで満席。
公開館が少ないという事情はあるにしても、聞きしに勝るすさまじい人気ぶりである。
いろいろ探して、なんとか空いている映画館を見つけた。

正直なところ、私は戦争を扱う映画や小説が苦手である。
嫌いだと言っていい。
だって、
戦争は悪い、
軍隊は悪い、
庶民はみな善良で可哀想、
日本はひどい国(それを指摘する自分だけはいい人だけどね)、
みたいなにおいがプンプンするものが多いからである。
偏見かもしれないが、私にはそう感じられてしまう。
「この世界の片隅に」も、予告編だけを見ると、そういう感じがしないでもなかったから、空前の大ヒットというニュースがなかったら観に行かなかっただろう。
食わず嫌いはダメだということを、改めて肝に銘じた。
観てよかった。
本当に観てよかった。

「この世界の片隅に」の主人公は、普通の女の子
映画では、「普通の女の子」との設定にされていながら、実際はかなりの頑張り屋だったり、可愛かったり(実写ではそうでないと映画にならないから仕方がないのだが)、ということがあるが、本作は本当に普通。
絵が好きなのだが、職業にするとかそういうことではなく、器量も普通、頑張り度も普通である。
普通の女の子の戦前戦中の日常が淡々と描かれる。

戦争が時代に大きな影を落としているが、「戦争反対臭」はない。
「家族の因習反対臭」もない。
ただ、淡々と描かれる。
それでいて、しみじみといろいろなものが迫って来る。
もちろん、人間が生きていくのだから何も起こらないわけではなく、それなりの起伏はある。
しかし、それをことさらに大きく見せたりはしない。
淡々と描いて物語を成立させることは非常に難しいのだが、本作では見事に成功している。
一つ一つのシーン、あれやこれやのエピソードを思い出して、胸がいっぱいになる。

広島と呉が舞台であり、時間を追って映画が進むから、どうしても昭和20年の8月6日に何が起きるのかが気になる。
主人公の無事を祈るが、そうはいかないだろうことも覚悟する。
そして、意外な形で大きな悲劇が訪れる。
それは本当に悲劇としか言えないようなことだが、だから「戦争はよくない」みたいな短絡にはつながらない。
もっと、深く丁寧に描かれる。

淡々と描きながら、エンタテインメントであり続け、ストーリーも守りつつ、心にも刺す。
難しい作業だと思うが、この作品は完ぺきにやり遂げている。
最初のシーンからエンディングまで、いらないところはなにもない。
すべてが腑に落ちる。
(タイトルに絡む主人公のセリフが、ちとばかり取って付けた感があっただろうか。ただ、そこでグッと来たことも事実)
すごい脚本、
すごい演出。
すごい作品ができあがった。
これが「人生の一本」になる人も少なくないのではないか。
それにふさわしい映画である。

「君の名は。」を観ながら、「これはいい作品だなあ」としみじみ思った。
そして、存分に楽しんだ。
だが、どちらが胸に迫ったかと言えば、「この世界の片隅に」の方に迷わず軍配を上げる。
「聲の形」も見たが、「この世界の片隅に」の方を断然お勧めしたい。
比較するものではないとわかっているが、同じ年に公開された3作品は、何年か後にもセットで思い出す気がする。

声の出演では、なんと言っても、のんさんが注目されるだろう。
いきなりこんな作品に巡り合ってしまうのだから、やはり能年玲奈さんはスーパースターである。
是非、大切にしてあげてほしい。
「海月姫」に続き、私が大切にしたい映画に2本も出演されるという稀有な存在になった。

みんなが褒めている映画を褒めるのも面白味がないが、いいものはいい。
「この世界の片隅に」は、とにかく素晴らしい作品である。
公開館数が少ないから、観るまでにそれなりの手間がかかるが、それを補って余りある傑作である。
「シン・ゴジラ」「君の名は。」などで、邦画の当たり年と言われる2016年だが、そのなかでも珠玉の作品と言える。

「君の名は。」を公開初日に観たとき、「ブレイクの瞬間」に立ち会ったような興奮を感じた。
「この世界の片隅に」では、「歴史を刻む瞬間」に立ち会っているような厳粛な気持ちになった。
是非ご覧になることをお勧めしたい。
もっとも、私のようなものが勧めなくても、この映画はどんどん広がっていくだろう。
どこまでも広がっていくだろう。

こんな日にしか言えないので・・・ ~地球温暖化について改めて考たい~ [ヨモヤ]

11月24日の早朝から、関東甲信地方の広い範囲で雪になった。
東京都心にも雪が舞い、1962年以来54年ぶりとなる11月中の初雪を観測した。
積雪となると、1875年の統計開始以降初めてのことらしい。
この雪により、交通機関に乱れが生じたほか、多くの方がけがをされたという。
翌25日朝は気温の低下が見込まれていて、凍結による事故が懸念されている。

さて、次期アメリカ大統領であるトランプ氏の政策には、どうにもうなずけないものが多いが、一点、やや理解できる意見がある。
それは、「本当に地球は温暖化しているのか?」という主張である。
トランプ氏は、
「地球温暖化は、米国の製造業の競争力を弱めるために中国がつくり出したでっち上げ」
などと述べておられるようで、そこまで行くとちと疑問だが、地球温暖化について一人一人がきちんと考えるべきであるとは思う。

こんなことを、暑い夏の日に言っても誰もなんとも思ってくれないだろうから、何十年ぶりの雪の日に言ってみる。
しかし、温暖化論の人は、冬の寒さも温暖化が原因とおっしゃることが多い。
どうかすると、冷夏でさえも温暖化の影響とおっしゃる。
気温の低下も温暖化が原因と言ってしまうと、温暖化の意味って一体何なんだとなりそうだが、世の中では温暖化はとにかく悪いこと、という意見が主流である。
ただ、ちょっとだけ立ち止まってみよう。
地球温暖化について考えたいことをいくつか書いてみるので、どれか当てはまったら、少しだけ首をかしげていただければと思う。

〇環境省によれば、平成28年度の地球温暖化対策関係予算は約9,000億円。ここまでの予算が必要だろうか。また、その効果はどうなのだろうか。
  ちなみにスポーツ関係の予算は約300億円で、温暖化対策費の30分の1。
  保育士の確保に関する予算は約200億円。

〇温暖化対策として世界では原発の建設が進んでいる。温暖化への危機を訴えることは、世界での原発建設に拍車をかけることになりかねないが、日本人にその意識はあるだろうか。

〇温暖化したら、何がどう不都合なのか、しっかり共有されているだろうか。そして、そこに向けた対策が取られているだろうか。

そもそも温暖化しているのか、寒冷化よりずっといいではないか、などいろいろ議論もあるのだが、そちらに行くとどうも感情論のようになりがちなので、そこは控えておこう。

とにかく、せっかくこんな寒い日が来たのだから、一度地球温暖化について、温暖化対策について、自分の頭で考えよう。
環境にいいことをすべきなのは当然であり、そこに議論の余地はないと思う。
しかし、それと地球温暖化対策はイコールではない。

史上初の積雪の日。
温暖化対策について考えるには絶好である。

なんであれ株が上がるのは慶事 ~トランプご祝儀相場への不安はあるものの~ [経済を眺める楽しみ]

トランプ氏が大統領に選ばれたら大変なことになる、
株式相場も暴落する、
などと散々言われたが、結果は真逆。
特にアメリカがガンガン買われている。

11月22日のアメリカ株はさらに上昇。
ダウは史上初の19,000ドルに到達、
S&P500、ナスダック総合指数も最高値を更新した。

今回のアメリカ株の上昇は、「アメリカ買い」的な要素も含んでいて、ドル高も進んでいる。
これは当然ながら円安にもつながり、日本株も上昇している。
日経平均は一つの節目である18,000円を突破し、まだもう一声上がありそうな状況である。

この状況に、「ミニバブル」を懸念する声が上がっている。
株が上昇する場面で「バブル」を指摘するのは恒例であり、今回が特別ではないが、実態経済とかけ離れた感じで株式市場だけが盛り上がるようなら心配ではある。
ただし、日本株については、17,000円近辺では割安感があると言われていたし、このところの円安が定着するのなら、18,000円くらいまでならそれほど無理筋とは思わない。
いや、もう一段の円安が進むのなら、18,500円近辺まではすっと行ってしまいそうだ。

どんなに株が上がっても、株式投資なんかしていないから関係ない、という方も多いだろう。
むしろ、株が上がって金持ちが儲かるのは癪だ、という方もおられるかもしれない。
お気持ちはわかるが、株が上がるのは、国の経済にとっては慶事である。
投資家にとっては、懐が温まるわけだから、財布のひもも緩むというものである。
企業にとっては、自身の評価が高まるわけだし、他社の株を持っている場合、評価益がかさ上げされることになる。
国にとっても、株式売買に絡む税収が増えるうえ、年金の運用にも大きく寄与する。

TPPからの離脱をはじめ、トランプ氏の掲げる政策には、日本の意に沿わないものも多々ありそうだが、今の市場は、マイナス面よりプラス面を大きく評価しているようだ。
市場は、先を読んでいるはずなので、現在の株価上昇が将来の景気好転を予告している形になればいいのだが。
しかし、市場の先読み力は、まったくあてにならないというのも確かである。

映画評 「聖の青春」 [映画評]

本を読んで泣いた経験はほとんどないのだが、大崎善生さんによるこの映画の原作では、なぜだか泣けた。
ノンフィクションであり、主人公が若くして死んでしまっていることは知っているのに、なぜかはらはらと涙が落ちた。

そんな大切な作品が映画化される。
いい原作がいい映画になるかと言えば、それは必ずしもそうではないから、映画を観るのが楽しみであり、心配でもあった。
せっかくの原作が、壊されてしまうのではないかと不安だった。

原作とはかなり違う話となっているらしいと知り、初めは残念に思ったものの、その選択肢もありかと思った。
原作は、師匠との関係が中心なのだが、映画は羽生さんとのライバル物語として描かれるという。
映画らしい山を作るためには、それが正解かもしれない。

「聖の青春」は、若くして亡くなった天才棋士 村山聖さんの半生を描いた作品である。
村山さんは、東の羽生善治さんと並び称された存在だったが、子どものころからネフローゼという病を抱えていて、29歳でこの世を去られた。
しかし、病弱で繊細な天才というイメージではなく、酒と麻雀に明け暮れる無頼ともいえるような生き方だったらしい。
ハチャメチャに暮らしつつ、慕う人も多かったという。

村山さんの生涯は、そのままで映画よりも小説よりも強烈であり、これを映像化するのは難しい。
今回の映画も、
原作ファンからすれば、物足りないかもしれない。
生前の村山さんを知っている人からしても、描き足りないとの感想が持たれるかもしれない。
しかし、私は十分な健闘ぶりだったと称えたい。
村山さんのすごさは伝わったし、生きる苦しみ、生きる喜びも受け取った。
ぐっとくるシーンもいくつもあった。

村山さんの羽生さんへの思いを描いた映画ともいえる。
対局のあと、二人でお酒を飲むシーンがいい。
心を通い合わせたからこそ、最後に訪れる悲劇が生きていた。

村山さんを演じるのは、とことんまで追い詰めた役作りで知られる松山ケンイチさん。
今作でも、村山さんが乗り移ったかのような演技をされている。
ライバルの羽生さんを演じたのは、東出昌大さん。
実在且つ現在もトップで活躍されている人物であり、この映画で最も難しい役どころだったと思うが、見事に演じ切られた。
松山さんにも負けていなかった。
脇を固めるリリー・フランキーさんや、柄本時生さん、安田顕さんらは、さすがの演技だった。

なぜそんな体で将棋をするのか?
なぜそんな苦しい思いをしてまで将棋をするのか?
なぜすべての栄誉を独占してなお高みを目指すのか?
この映画が、それらの問いに答えを出しているわけではない。
しかし、一人一人がそれを考えたいと思える、そんな映画だった。
将棋好きな人はもちろん、
将棋のことがわからない人にもお勧めしたい一本である。

通訳案内士口述試験まであと2週間 この時期にやるべきこと その3 プレゼンテーション対策 [お役所内案内士]

通訳案内士試験口述試験において、自己紹介、逐次通訳に続いて行われるのが、プレゼンテーション審査である。
これが口述試験のメインであろう。

プレゼン審査は、以下のような流れで進む

1 日本語で短い単語が書かれたカードが3枚配られる。
2 受験者は、その3枚から1枚選んで、それに関するプレゼンの準備をする。
  準備時間は30秒。メモを取ることが認められている。
3 2分程度でプレゼンする。
4 プレゼン内容に沿った質疑に答える。

当然のことながら、どんな単語が配られるかによって、プレゼン内容が大きく左右される。
2015年に受験した際、私には、
「銭湯」「出羽三山」「書院造」
の3つが示された。
幸い、銭湯についてはそれなりに準備をしていたのでそれを選び、なんとか話すことができたが、他の2つについては、語るべきものをまったく持っていなかった。
「銭湯」の代わりに、「十二単」「能面」などが入っていたら、きっとお手上げだった。
この辺り、案内士試験において運が左右する要素が大きいと改めて思う。

他のテーマとしては、
「田んぼアート」「漆器」「風林火山」
「源氏物語」「出雲大社」「懐石料理」
「血液型」「風鈴」「ハロウィン」
「打ち水」「精進料理」「棚田」
「彼岸」「デパ地下」「優先席」
といった組み合わせが出題されたらしい。

逐次通訳については、どんな問題が出題されるか予想がつかないと書いたが、プレゼンのテーマとなりそうなものは、それなりに絞り込みができる。
外国人が興味を持ちそうな日本の文化や習俗、観光地についてさらっておこう。
そうすれば、与えられる3つのカードのうち、一つに引っかかればなんとか話せる。
もし、一つも引っかからなくても、準備していた内容に強引にでも持って行って話してしまおう。

参考書としては、通訳案内士試験に特化したものでなくていいと思う。
私が使ったのは、
英語で発信する日本小事典」 IBCパブリッシング編
「毎日の日本」 James M. Vadaman
「英語で日本を話すための音読レッスン」 浦島久/マイケル・ノア
といった本だった。
ほかにも、英語で日本を紹介している本はかなりあるから、気に入ったものを見つけてほしい。
そして、それを繰り返し読んで、覚えられるだけ覚えてしまおう。
ただし、記憶に頼ると、本番で忘れてしまったときにパニックになるから、気をつけたい。

有難かったのは、ハロー通訳アカデミーが作成された「日本的事象英文説明300選」。
この音声ファイルが無料で聴けるようになっている。
私は、これを通勤中に繰り返し聞いた。
http://u0u1.net/zPyY

さて、2分間は短いようで長い。
日本語でも、何かについて2分語れと言われたら、なかなかうまくいかないのではないだろうか。
首尾よく準備していた単語が混じっていたといった幸運なケース(去年の私のような)を除き、なんでもいいから2分しゃべれと言われてもきつかろう。
だから、どんな言葉が来てもオールマイティに使えるフレーズをいくつか持っておこう。
それがあれば時間が稼げるし、オチにもなる。

例えば(日本語で失礼)、
「○○は、日本の××を象徴したような存在です。多くの外国人観光客は、東京や富士山、京都といったゴールデンルートを通りますが、ぜひ〇〇を体験してもらいたいと思います。きっと日本に対する認識が深くなると思います」
とか、
「◇◇は、日本でも地域によって大きな違いがあります。△△をしている地域もありますし、▽▽を続けている地域もあります。だからこそ、◇◇を見れば、その地域の特性がわかると言われます。外国人観光客にも、ぜひ味わってほしいと思います」
とか、まあ、そんな感じである。
すらすら話すことを思いつくのならそれでいいが、あまり思いつかない単語しか提示されなかったら、こうした型にはめてしまおう。

プレゼン後、英語での質疑応答となる。
質疑は、知っているかどうかが問われるのではなく、どう伝えるのかを確かめる場だということを改めて肝に銘じたい。
だから、知らないことを聞かれても慌てることはない。
知らないのなら考え込まずに素直に知らないと伝え、なぜ知らないのか説明してしまおう。それが次の会話を導いてくれる。
わからないことにドギマギせず、とにかく、明るく大きな声で話すことである。
間違っていても構わないのだから、元気に言い切ってしまおう。
日本人にありがちな、微笑で乗り切ろうとするのはご法度である。

通訳案内士口述試験まであと2週間 この時期にやるべきこと その2 逐次通訳対策 [お役所内案内士]

先に書いた「通訳案内士口述試験まであと2週間 この時期にやるべきこと その1」では、試験の概要や雰囲気を知るべきと書いた。
http://matoko.blog.so-net.ne.jp/2016-11-20
今回は、具体的な試験内容とその準備について書いてみたい。
まずは、逐次通訳まで。

2015年の口述試験では、はじめに「名前」「住所」「生年月日」を尋ねられた。
確か前年のレポートでは、「名前」と「住所」しか聞かれなかったようなことが書いてあったので、「生年月日」を聞かれて少し驚いた記憶がある。
皆さんは、この3つをさらさら言えるようにしておくほか、これ以外の質問がなされる可能性も織り込んでおくべきと思う。
普段ならなんでもなく答えられることだが、試験の独特の雰囲気の中で想定外の質問をされるとドギマギしてしまう恐れがある。
出だしでつまずくと後に尾を引く可能性があるから、スムーズに乗り切りたい。
追加の質問でありそうなのは、
「試験会場までどうやって来たか」
「ここまでどのくらいの時間がかかったか」
といったものである。
とにかく、準備していなかった質問があっても慌てないようにしよう。

次からが、試験の本題である。
はじめの課題は、逐次通訳。
日本人の補助者が読み上げられる日本語を、聞き取り、すかさず英訳するというものである。
メモを取ることが許されているが、どう話そうかと考える時間はない。
私に課せられた日本語は、概ねこんな感じであった。

“山梨県は多くの山に囲まれている県であるにも関わらず、「やまなし」県と呼ばれています。一説によると、「やまなし」とは、「山を成す」という意味の「やまなす」から「やまなし」に転じたと言われます。いずれにしても、山があるのに山梨県と呼ばれる由来はとても興味深いものです。”

実際にはもう少し長かったと思う。
山があるのにやまなし県というところで、なんじゃそりゃと思って、ちょっと笑ってしまった記憶がある。

すぐに訳すのだから、最適な訳を考えている暇はない。「囲まれている」が浮かばなければ、「たくさん山がある」と言えばいい。
「山を成す」という日本語にピタッとはまる英語はあまりないと思うので、これもどう言おうと構わないはずだ。
Too many mountains でも、
Again and again でも、
Mountain after mountain でも、
なんでもいい。
大切なのは、何か言うことだと思う。

体験記を読むと、他の例としては、「着物について」「駅弁について」「ラジオ体操について」などがあったという。
着物や駅弁は準備されていた方もおられると思うが、「ラジオ体操」は盲点だろう。
「ラジオ体操」について説明する文章で、「ラジオ体操」という言葉自体を訳せないとかなりパニックになるだろう。
radio gymnastics とか、radio gymnastic exercises とか言うらしいが、その場では思いつかない人も多かったと思う。
この場合も、
Radio athletics でも、
Moving body for fitness with the sound of radio でも、
Training with neighbors in front of radio でも、
なんでもいいし、文法的にどうであろうと構わないので、何か言ってしまおう。
実際のガイドの現場でも、黙り込むのが一番よくないだろう。
伝わらなければ先方から聞いてくるだろうから、とにかく口を開こう。

なんでもいいから口を開くとなると、そのための準備をしておく必要がある。
去年の実例からも、訳すべき日本語例の幅はやたらとバリエーションがあり、とても予想のつくような内容ではないから、何を聞かれてもすぐに何か言えるような訓練が求められる。
具体的には、辞書を適当に開いてそこに書いてあることをその場で訳してみたりとか、目をつぶって新聞を指し、指の置かれたところの文章をとりあえず英語にしてみるといった、瞬発力を鍛えておくといいだろう。
YouTubeにもいくつか参考になる動画が上げられているので、ご覧になられてはどうかと思う。
http://u0u1.net/zOqA
http://u0u1.net/zOqC

とにかく、逐次通訳までの流れでは、
「慌てない」
「何か言う」
ということが大切である。
ここまで来ている皆さんなのだから、きっと何かは言えるはずだ。
正しさにこだわり過ぎないことに注意しよう。

メッセージを送る