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美しいものを見た  ~ アカデミー賞空前の失態も究極のハッピーエンドに ~ [ヨモヤ]

アカデミー賞の授賞式で、前代未聞のハプニングが起きた。
すべてをぶち壊しかねない大失態。
しかし、そこで美しいものを見た。
映画を超えるような感動をいただいた。

ハプニングが起きたのは、アカデミー賞のメインイベントである作品賞発表のとき。
プレゼンテーターを務めたウォーレン・ベイティが、封筒を開けて何やら怪訝な顔をしている。
それを見て同じくプレゼンテーターを務めていたフェイ・ダナウェイが、「何をじらしているの」とでも言うように肩を叩き、封筒の中身を見て、
「ラ・ラ・ランド」
と発表した。

「ラ・ラ・ランド」は、今年のアカデミーの大本命であり、監督賞、主演女優賞など6部門を獲得していた。
誰もが納得の受賞であり、歓声の中、デイミアン・チャゼル監督をはじめ、ライアン・ゴズリング、エマ・ストーンらの出演者とスタッフが壇上に上がった。
そして、映画のプロデューサーが受賞スピーチをしているなかで、異変は起きた。
晴れがましいスピーチの後ろで、関係者が右往左往。
そして3人目のスピーチの途中で事態がはっきりした。
告げられた人は、スピーチを中断され、恥をかかされたような形になったにもかかわらず、
「負けだったみたいだ」
とニッコリ笑ってマイクを譲った。
そして、最初にスピーチをしたプロデューサーが、
「間違いがありました。作品賞は『ムーンライト』です。冗談ではありませんよ。本当に、読み間違えたみたいなんです」
と言いながら、『ムーンライト』と書かれた紙を客席に向かって提示した。

「ラ・ラ・ランド」は、ここまで何も獲得していなかったわけではなく、主要部門の賞を受けていた。
だから、あきらめがつきやすかったのだ、と言えなくもない。
しかし、みんなが目指すのは作品賞である。
「あの年のアカデミー賞で」と振り返るときに、真っ先に浮かぶのは作品賞である。
特にプロデューサーとしては最高の栄誉と言える。
本当に天にも昇る気持であったはずだ。
これまでの苦労や世話になった人への感謝など、いろいろな感情が一気に押し寄せていたに違いない。
それが手違いだったと告げられたら、どんな感情を持つだろう。
とても平静でいられるとは思えない。
だが、「ラ・ラ・ランド」のスタッフは、実に潔かった。
一言の恨み言を言うのではなく、一度受け取ったオスカー像を、
「これはぜひ私から『ムーンライト』の皆さんに渡したい」
とスピーチし、凍りついた空気を和ませた。

今年のアカデミー賞は、賞の行方と併せて、反トランプ色がどのように出てくるかが注目されていた。
多くのコメントがあったようだが、この作品賞での顛末が、最も人々に伝わるメッセージになったと思う。
認め合うこと。
称え合うこと。
許し合うこと。
その素晴らしさがジンと伝わった。

映画っていいな、
アメリカって、やっぱすごいな、
と思わせる究極のハッピーエンドだった。

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ホームで闘って4分以上の大差 ~日本マラソン復活の日は遠い~ [ヨモヤ]

夏のロンドンでの世界選手権の男子代表選考を兼ねた東京マラソンが行われた。
終盤の高低差がなくなり、記録が出やすくなったコースで、かつての世界記録保持者、ケニアのウィルソン・キプサングが、国内最高記録の2時間3分58秒で優勝した。
日本人のトップは、井上大仁で2時間8分22秒、順位は8位だった。

2時間8分台ということで、井上の記録を評価する声もないではないが、
ホームで行われている大会で、
トップがゴールしてから4分半後の入線では、とてもではないが手放しでは喜べない。
というより、4分以上も差がついてしまっては、まったく勝負になっていない。
別の次元のレースという感じである。

日本マラソンの低迷が始まって久しいが、状況は改善されるどころか、ますます悪くなってきているように思える。
世界が2時間2分に突入し、いずれは2時間の大台さえ切ってしまうのではないかと思われているなか、日本人は10分を切るのに汲々としている。
ここまで差がついてしまうと、もうどうしようもない気にさえなってしまう。

かつては、マラソン王国と言われた時代もあった。
その頃は、長距離ではなんとか戦えても、100mなどの短距離では永久に勝負にならないと思えた。
今も、オリンピック100mのファイナリストは誕生していないが、400mリレーでは世界の2位になるなど躍進している。
だから、マラソンでもあきらめることはないと思いたいところだが、世界からは完全に取り残されてしまった。

マラソン低迷の原因の一つに箱根駅伝が挙げられることが多い。
あそこで燃え尽きてしまうとか、あの時期の練習方法が違うとか、いろいろ言われる。
しかし、昨日今日始まった低迷ではないのだから、いい加減打開策が出てきてもいいようなものである。

東京オリンピックのマラソンでは、都内の名所をめぐるコースが設定され、世界中の人がそれを見るだろう。
そのときに、日本人が序盤から先頭集団から消えてしまうのは、あまりにも寂しい。
ここまでの差を見せられると、あと3年で何とかできるとも思えないが、一人の抜きんでた才能が状況を打ち破る可能性もないではない。
現状では、メダルを争えるレベルに達するとは到底思えないが、東京で復活の糸口が見つからなければ、永久に世界に復帰するのは難しくなるかもしれない。
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映画評 「きょうのキラ君」 [映画評]

映画が好きだから、できる限り映画館に足を運ぶようにしている。
しかし、時間的な制約もあるから、なんでも観られるわけではない。
だから、私は私なりに面白そうな映画を選んでいるつもりである。
「きょうのキラ君」については、予告編では何も魅かれるところはなかったが、監督に期待した。
なにしろ川村泰祐監督は、私の愛する「海月姫」を撮った方なのだ。
前作の「ガールズ・ステップ」も、まったくヒットしなかったようだが、私は十分楽しんだ。
川村監督の作品なら、大丈夫。
私は、ゆるぎなき自信を持って映画館の席に着いた。

だが、期待は裏切られるものである。
前半は、端折り過ぎな感はありつつ、テンポよく進む。
ちょっと急ぎ過ぎで、設定がちっとも生きてないぞ、と思いつつ、川村監督のことだから、きちんと帳尻を合わせてくれると安心して身を委ねる。
しかし、あれ、ほろ、はれ。
何にもないぞ、何にも伝わんないぞ、大丈夫か、大丈夫なのか、
と心配しているうちに、映画は終了を迎えてしまった。
ラストに向かって盛り上がるどころか、加速度的に陳腐さを増し、最後は完全崩壊に近い状況に。
いやはや、空っぽであった。

主演の中川大志さん、飯豊まりえさんのお二人は健闘されたと思う。
中川さんはカッコよかったし、飯豊さんのオドオドぶりもはまっていた。
分かり易す過ぎる芝居っぷりであったが、与えられた陳腐な脚本を懸命にこなされていたと言っていいだろう。
しかし、誰がどう演じてもあの本ではどうにもならない。
もちろん、本が悪くても何とかするのが監督さんの手腕だと思うが、今作ではそれがまったく発揮されなかった。

どんな映画でも、それを「面白い」と思う人はいるかもしれないし、川村監督にリベンジの機会も持ってもらいたいと思うから、今作についてもお客さんが入るに越したことはない。
先週公開された「ソードアートオンライン」も、個人的にはひたすら睡魔と戦う時間となったが、大ヒットしているらしく、人によって受け止め方は様々である。
今作を誰かに勧めるとしたら、まずは、中川大志さんのファンだろうか。
全編カッコよく、上半身裸のサービスシーンまである。
飯豊まりえさんも出ずっぱりだから、彼女のファンも楽しめるだろう。
友達役の平祐奈さんは、いつもと同じような役でいつもと同じような演技だったが、彼女のファンにとっても楽しめると思う。
原作ファンにとっては微妙かもしれないが、そんなにシリアスな話でもないので、気楽な気持ちで観に来ていただきたい。
また、小中学生の女子なら、単純に楽しめるかもしれない。
友達どおしで、観終わった後、ワイワイ言い合ってはどうだろう。

当たり前の話だが、どんな監督でも、百発百中は難しいなあと改めて思った次第である。
ついていくと決めたので、川村監督の次回作も必ず観に行きはするけれど、信頼値は大きく下がってしまったと言わざるを得ない。

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残り400なんでもない ブルボンの逃走を忘れない [ヨモヤ]

1992年の皐月賞・日本ダービーを制したミホノブルボンが死亡した。
28歳。

父マグニテュードという地味な血統。
スピードに任せて押し切るという戦法で、2400mのダービーはおろか、2000mの皐月賞も不安視されていたが、両レースともぶっちぎった。

秋初戦も勝利で飾り、シンボリルドルフ以来の無敗の三冠馬誕生も目の前だったが、菊花賞ではライスシャワーに敗れた。
しかし、その後の長距離路線でのライスシャワーの活躍を見ると、ブルボンに対する評価はまったく下がることはない。
むしろレースぶりを振り返るとまさに「負けて強し」であり、歴史に残る名馬だったと言える。

私は、単純に好きで競馬を見ているのであり、そこに人生やら自分自身やらを投影するつもりはない。
それでも、勝手に決めつけられた距離や血統の壁に敢然と立ち向かうブルボンの姿には、元気づけられるものがあった。
堂々と逃げ切ったダービーの実況で、
「残り400なんでもない!」
と叫んだアナウンサーがいた。
そうだ、自分以外の誰かに、あと400は無理、血統的にダービーを勝ち切ることはできない、などと言われたくない。
言われたくないが、結果で示さなければ「やっぱり」と言われる。
挑戦して、克服して、初めて「なんでもない」と胸を張れる。

命を燃焼させるように走り、
逃げに逃げて、
わずか8戦で競走生活を終えたブルボン。
彼が老衰で死ぬなんて、なんだかおかしい。
きっと、いいおじいちゃんだっただろうと想像すると、ちょっとあたたかくなる。

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おかえり オザケン [ヨモヤ]

小沢健二さんが、19年ぶりのシングル「流動体について」を発売された。
ネットがざわつき、CDの売上も好調のようだ。
20年近い時を経て、いまだに愛されている。

メディアにも出演されるらしい。
手始めは「ミュージックステーション」。
新曲に加えて、「ぼくらが旅に出る理由」も披露されるという。
本当にいろいろな旅を経てきた小沢さん。
待っていた私たちも同じように年をとった。
感慨深いオンエアになりそうだ。

小沢さんは、小山田圭吾さんと組んで、
音楽シーンにというか、社会全体に「アッカンベー」をしていたかのようなフリッパーズ・ギターというバンドでデビューした。
そして、これからというときに突然解散。
その衝撃は大きく、個人的に、BOØWY、キャンディーズと並ぶ、日本三大解散と呼んでいる。
ソロでも大活躍。
セカンドアルバム「LIFE」は、時を超えた名盤として愛されているし、
スチャダラパーと組んで大ヒットさせた「今夜はブギー・バック」は、日本のヒップホップの夜明けを告げた。

ファッショナブルで、クール。
両親が学者で、叔父さんに指揮者の小澤征爾さん。
本人は東大。
笑ってしまうような経歴も、鼻につくというよりピッタリはまっていた。

この20年間、ずっと休んでおられたわけではなく、アルバムも出されている。
しかし、かつてのポップ路線とは完全に一線を画す内容で、正直「はにゃ?」という感じだった。
今回は、原点に戻った形で帰ってこられるのだろうか。
若しくは、仙人として戻ってこられるのだろうか。

女の子のハートをがっちりつかんでいたオザケンも、48歳。
さすがに王子様ではないだろう。
では、王様か?
いや、執事が似合うだろうか?

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子供を持つかどうかは自由だが税制などの「区別」はさらにあっていいと思う [ヨモヤ]

毎日新聞の記事によれば、自民党の有志議員が、
子どもの多い世帯ほど所得税が軽減される「N分N乗(世帯課税)方式」
の導入に向けた勉強会をスタートさせるとのことである。

もちろん、狙いは少子化に歯止めをかけることである。
この方式では、課税所得は家族の人数で割ることで決まるため、子どもが多い世帯ほどより低い税率が適用され、税額が少なくなる。
記事によれば、例えば所得が1000万円で子ども2人の場合、同じ所得の単身世帯と比べ、所得税額は3分の1以下になるという。
この「N分N乗方式」はフランスでも活用されているという。
フランスは、合計特殊出生率が2.0に近く、少子化を克服した国として評価されており、この税制もその一因に挙げられているようだ。

こうした政策が出されると、
子供を持つか持たないかは個人の自由であり、税制によって差別するのはいかがなものか、
といった意見が出される。
もちろん、子供を持つか持たないかは自由であり、強制される筋合いのものではない。
一方、社会は個人では成り立たず、支え合いの仕組みを構築していかなければならないし、国としての活力を保つことも必要である。
そのための政策誘導は当然で、必要な「区別」はあってしかるべきだと思う。
ちなみに、この政策について、Yahoo!の意識調査が行われているが、約64,000票現在では、賛成が約7割となっている。

ただし、この仕組みでは、所得税額が少ない中低所得世帯への恩恵は限られるという。
そのため、効果が出るかどうか不透明な部分もあるようだ。
また、少子化を税制で止められるかどうか、懐疑的な見方も少なくない。
それでも、いろいろ試すべきだと思う。
人口が減っても、経済成長が止まるわけではないという議論もあり、少子化イコール悪と決めつけることはないとは思うが、若者が継続的に減少してしまうことが国力の衰退につながることは間違いない。
政策フル動員で立ち向かうべき課題であり、税制を使わない手はないと思う。

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映画評 「咲 -Saki-」 [映画評]

「咲 -Saki-」と言われても、ご存じない方も少なくないだろう。
麻雀に打ち込む女子高生たちの姿を描く漫画の実写版である。
2006年より「ヤングガンガン」なる漫画誌で連載が開始され、現在も連載中であるという。
ちなみに、私にとって麻雀漫画とは、かなり古いのだが「ぎゅわんぶらあ自己中心派」であり、「哭きの竜」である。
こちらも、多くの方がご存じないだろうが。

「咲 -Saki-」の世界では、麻雀人口が拡大し、女子高生たちによる学校対抗戦が行われている。
しかし、残念ながら現実世界では麻雀離れが言われて久しい。
街の雀荘も、どんどん閉店しているようだ。
4人集まらないとできない、時間がかかる、暗い、煙草臭い、などなどのイメージが時代にそぐわず、学生の麻雀離れにつながっているのだろうか。
のめり込むかどうかは抜きにして、一度は踏み込んだ方がいい世界だと思うのだが。

映画「咲 -Saki-」は、リアリティを追及した作品ではない。
和田誠さん監督の「麻雀放浪記」的な、人間ドラマでもない。
まさに漫画チックな世界であり、可愛い女の子たちが、通常ではありえない闘牌を繰り広げる。
カードゲームアニメを想像していただくと、当たらずとも遠からずの感じである。
スポ根の要素もあり、「ちはやふる」的なニュアンスもある。
派手な技の応酬には、「リングにかけろ」のにおいもある。

この世界観に入り込むにはちょっと助走が必要で、前半は厳しかった。
これを2時間見るのはしんどいなあ、と正直思った。
しかし、割り切って眺めているうちに、まあこういうのもありかと思い始めた。
もちろん、「いい映画」「優れた作品」という観点では、本作はまったくなっていない。
ストーリーは予定調和であるうえに雑だし、
映像にもお金や手間暇はかけられていないし、
出演者たちの演技もほにゃほにゃである。
それでも、不思議な魅力があったのも確かである。

麻雀映画というよりアイドル映画であり、
青春映画というには軽過ぎる。
それでいて、なんとなく楽しんでしまっている自分に気づいた。
しまいには、女の子たちが頑張って麻雀してるんだから、もうなんでもいいじゃないか、などと思うようになってしまった。

この映画、麻雀を知らない人が観たらどうなのだろう。
楽しめるのだろうか。
やたらとカンが出るのだが、その珍しさがわからないとそんなに面白がれないだろうか。
海底を得意技とする女の子がいるのだが、その異様さがわからないとそんなに面白がれないだろうか。
それとも、別にルールなんか知らなくても、なんとなく盛り上がれるだろうか。

「咲 -Saki-」は、女の子が大挙して出演する映画である。
アイドルファンにとっては、それだけで楽しめるだろう。
麻雀ファンが、本格的な麻雀シーンを期待するとハラホロヒレハレとなるが、単純に、麻雀をテーマとした映画が公開されたことだけで喜んでしまった方がいい。

本作は、名作ではないし、傑作のはずもなく、作り手も初めからそこを狙ってはいないだろう。
ちょっといい加減にしてよ、と言いたくなる人もおられるかもしれない。
たが、私は、損した気にはならなかった。
というか、かなり楽しませていただいた。
続編があったら観に行くかと聞かれると、正直微妙なのだが、都合がついたら行ってしまうかもしれない。

映画に関する情報はこちらから
http://www.saki-project.jp/

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アメリカと対等に交渉できるか ~世論調査は否定的~ [経済を眺める楽しみ]

日米首脳会談を終えて、各紙が世論調査結果を発表している。
首脳会談への評価はおおむね良好で、これを受けた安倍政権への支持率は、
読売新聞 66%
産経新聞 59%
毎日新聞 55%
朝日新聞 52%
と、新聞ごとにバラツキはあるものの、安定した数値を保っている。

各紙、設問には個性が出ているが、目を引いたのが毎日新聞の調査。
先の日米首脳会談で設置が決まった「日米経済対話」について、
「日本とアメリカが対等に交渉できるかどうか」
という設問があったらしい。
結果は、
「対等に交渉できる」が21%
「対等に交渉できない」が67%
だったという。

国と国の交渉だから、対等に交渉できて当たり前である。
特に日本は、世界3位の経済大国であり、やられっぱなしでいいはずがない。
主張するところは主張し、獲得すべきものは獲得する交渉が求められる。
だから、対等に交渉できないと思っている人が圧倒的に多数である状況は、まったく正常ではない。

一方で、
軍事的には完全にアメリカに依存し、
経済的にもかなりの部分を頼らざるを得ない、
という関係性のなかでは、完全に対等な交渉など、望むべくもないのかもしれない。

日本としては、TPPへの参加は、アメリカと1対1の交渉から、多数で物事を決められる世界に変わるという効果もあったと思う。
しかし、アメリカがTPPから抜けてしまったことによって、再びサシの交渉に戻ってしまった。

今回の日米首脳会談はなごやかに進んだようだが、先行きは楽観できない。
強硬な主張をぶつけてくる可能性は小さくない。
そのときに日本は、毅然と対応できるだろうか。

国民が「対等に交渉できない」と感じてしまっていることは、当たり前に受け止める話ではない。
情けない話である。
その情けなさは、政治や行政だけに押し付けず、国民一人一人が噛みしめる必要があると思う。

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映画評 「劇場版 ソードアート・オンライン ―オーディナル・スケール― 」 [映画評]

「ソードアート・オンライン」略してSAOは、日本国内のみならず海外でも非常に高い人気を誇っている。
オンライン小説からスタートし、ライトノベル、漫画、アニメ、ゲームと幅を広げ、熱烈な支持者も多いと聞く。
私は、アニメさえも見たことがないというまったくの初心者であるが、映画の公開を待ちわびる熱のようなものを外野から感じていた。

私が観たのは、公開初日とは言いながら、夜に上映されるレイトショー。
それでも、客席は8割以上の入りであった。
ひょっとしたら、夜に観る層が多い映画なのかもしれないが、それを差し引いてもファンの多さがわかる。
みな、この映画を楽しみにしていたのがよく伝わってきた。
私の期待も高まった。

しかし、残念ながらまったく楽しめなかった。
それほどややこしい筋立てではないし、映画の初めのところでそれまでの流れもおさらいしてくれるので、原作もアニメも知らなくても、話を理解することはできる。
だから、わけがわからなくて楽しめなかったわけではない。
ただ、映画として楽しめなかった。

今作の悪役は、不慮の事故で肉親を失い、それを取り戻すためにまわりの犠牲をいとわずに悪を重ねてしまう科学者。
これまでいろいろな作品で、散々やられた感のある設定である。
企画会議でとりあえず出してみて、「それ、もういろんなとこでやられてるよね」と一蹴されそうなアイデア。
使い古されたストーリーでも、新たな味付けでよみがえることはあり得るのだが、今作の場合それはなかった。

ゲームの中での戦いがリアルにつながるという設定も、既視感満載。
ひょっとしたら、それを広めたのがSAOなのかもしれないが、であれば次元の違う展開を見せて欲しかった。
あまりにも定番の流れで物語は進んだ。

戦闘シーンの映像はなかなかの迫力で、絵だけを楽しみにすればよくできていると思う。
ファンはスカッとするのだろう。
しかし、この映画だけを見に来た人からすれば、なぜこの人だけこんなに強いのかまったく描かれていないものだから、さっぱり入り込めない。
まあ、一見さんお断り、というのならそうなのかもしれないが、そこまでとんがった感もない。

人気のある作品で、多くのお客さんを集めてもいたので、
きっといいところもあるのだろうと思う。
思うが、私にはそれは見つけられなかった。
頑張って、かなり頑張って見つけようとしたのだが、私には難しかった。
何度も意識が飛びかけ、目を閉じたら負けだと言い聞かせ、なんとかそれだけは阻止した。
苦しい戦いだった。

ネットの映画評を読むと、SAOファンには好評のようだ。
私には理解しがたく、本当のファンならもっと厳しく評価すべきなのではないかと思ったりもするのだが、実際に感動されているようなので、それならそれで目出度いことである。
人にお勧めする勇気は私には到底持てないが。

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より転職しやすい社会になることを願う [経済を眺める楽しみ]

2月18日付の日本経済新聞によれば、転職市場が広がっているとのことである。
リーマン危機後に激しく落ち込んだ転職者がここにきて回復し、2016年は7年ぶりに300万人の大台を回復したのだという。

転職が増えたと言っても、望まない転職ばかりが増えたのでは意味がないが、どうやら中身も伴っているようだ。
記事は、
「人手不足やグローバル化で中年層の管理職らにも転職の門戸が広がる」
「『転職は非正規が主役』という常識も崩れかけている」
「ミドルになると求人が減る『転職35歳の壁』は過去の姿になりつつある」
などと伝えている。
さらに、転職によって収入が増える人も増加しているという。
厚生労働省の調査によると、転職で元の職場よりも年収が「増えた人」は2015年に初めて「減った人」を逆転したというのである。

正職員の転職が増え、
35歳以上でも望む会社への転職が可能になり、
収入が増える転職も増加傾向にある、
というのだから、記事通りだとすれば、状況は非常に好転していると言える。

もちろん、個々の状況はそんなに簡単なものではないだろう。
40歳以上のミドル層が、転職を決意したからといって、引く手あまたであるとは到底思えない。
おそらく就職活動は困難なものになるだろう。
有利な転職が広がってきているとしても、一部の人に限られたことであろう。

終身雇用、年功序列の日本型雇用慣行に、それなりの良さがあることも事実であろうが、新卒時の就職活動で一生が決まってしまうのはあまりにも不合理である。
もっと柔軟に、もっと軽やかに転職ができるようになればいい。
そのためには、退職金制度を含めて見直していく必要があるが、時代が大きく変わる中で、日本社会も変わっていかざるを得ないと思う。

望まない望まれない職場で、うつうつと時間を過ごすのはもったいない。
働きたい働いてほしい職場で、存分に力を発揮できる方がずっといい。
そんなうまいマッチングがおいそれとあるとは思わないが、そうなる可能性はできる限り広げておきたい。
学生時代より、社会人時代の方が、ずっとずっと長いのだから。

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