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消費税を上げれば真面目?  ~ 財政再建原理主義に感じる疑問 ~ [公会計]

9月20日付の日経「大機小機」というコラムに、「消費税問答を採点する」と題した小文が掲載されていた。
教師が、消費税の引き上げについて生徒に考え方を述べさせ、それについて採点するという形式のもので、要約すると以下のようになる。

教師「消費税の引き上げについて述べよ」
学生A「税率を下げるべき。そうすれば、経済が活性化して財政再建にもプラス」
教師「『ただの昼飯はない』という経済の大原則を理解していない。成績はD(落第)」
学生B「10%への引き上げは中止し、もっと経済状態が良くなるのを待つべき」
教師「今は戦後2番目に長い景気拡大局面。最新データを踏まえていないので成績はC」
学生C「消費税を10%に引き上げ、増収分は全て社会保障や奨学金などの充実に使うべき」
教師「増収分を全て使ってしまったら財政は全く改善しない。成績はB」
学生D「予定通り2019年10月に10%に上げ、増収分はできるだけ財政再建に充てるべき」
教師「その通り。安倍首相が考えを変えなければ、首相も君も成績はA」
学生たち「では、どんな答えならAプラスをもらえるのか」
教師「これから先の財政を展望すると、少なくとも消費税率を15%へとさらに引き上げる必要がある。そう答えれば成績はAプラス」

最後に、学生たちが「消費税を15%にするような主張をするような政党はない」と言い、
教師が「それこそが財政再建を進める上での最大の問題」
と喝破するのがオチとなっている。

どうやらこのコラムを書いた方は、消費税を上げることが「善」であり、厳しい道を行く正しい政策と信じておられるようだ。
そして、それはマスコミや産業界の多くの人が持っている信念のように思える。

さてさて。

まずは、これはコラムであって社説ではないことを踏まえる必要がある。
気楽に読めばいいコーナーである。
だから、「マジ」で読むのは野暮というものであろう。
成績がAだのAプラスだの言っているので、設定は大学なのかもしれないが、教授ではなく教師となっているから、中学生くらいを相手にしているのかもしれない。
まあ、それなら単純な足し算引き算の話として理解すればいいだろうか。
国の財政は大幅な歳入不足が続いており、それを埋めるためには収入を増やすか、支出を減らすかしかない。
難しいことを考えなければ、税を増やすのが一番簡単な方法で、それを言っただけということかもしれない。

もし、このコラムの設定が大学だとすれば、経済学なのか財政学なのか政治学なのかなどによっても、立場は変わって来なければおかしい。
財政学なら、消費税の引き上げを善とするかもしれない。
経済学なら、消費税増税による短期長期の正負の影響を勘案しなければ結論は出ない。
政治学なら、選挙の勝ち負けも含めて考えるだろう。

気になるのは、
消費税の引き上げを訴える政治家が真面目な政治家、
消費税引き上げをためらう政治家は人気取りだけを考えたダメな政治家、
と安易なレッテル貼りをされる方が見受けられることである。
実際には、そんな簡単なものではない。
経済全体への影響を考える必要があるし、時期にもやり方にも配慮が必要である。
実際、過去2回の消費税の引き上げでは、日本経済は深刻なダメージを受けた。

また、財政再建に向けては、
消費税以外の税源を考えるべきでもあるし、
そもそも歳出の見直しこそ優先すべきであろう。

年がら年中、税のことを考えているのは億劫だが、選挙のときくらいはちゃんと考えたい。
感覚的、感情的にならずに、事実や過去の経験を踏まえて、真面目に。

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消費税への嫌悪感は健在 [公会計]

ここに来て、各種世論調査で安倍内閣の支持率が上昇している。
人気が上がるような大きな意思決定をしたとも思えないのだが、春先に下がり過ぎた反動だろうか。
若しくは、実感がないと言われながらも続く景気の拡大が、現政権の支持につながっているのだろうか。

この経済状況を見て、
「消費税を引き上げない理由がない」
「消費税を引き上げる条件は整っている」
などと主張する方も多いが、国民の中にある嫌悪感は全く消えていない。

時事通信の世論調査で、2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げについての項目があったらしいが、それによると、
「引き上げを見送るべきだ」が58.1%
「予定通り引き上げるべきだ」が34.3%
だったという。
痛みを伴う政策だから反対が多いのは当然と言えば当然だが、現在の財政状況や経済状況などを踏まえてもやはり反対というのだから、これは永久に賛成してもらえない政策なのかもしれない。

消費税については、すでに2回延期されている。
もし再度延期されても、それほどの驚きはない。
いや、多くの人が再延期を予想しているだろう。
国の財政が厳しいのは誰もが承知しているが、こうなっては消費税以外の選択肢をしっかり探るべきではないだろうか。
上げる上げると言って延期するということの繰り返しより、すっぱりあきらめて別の財源を探った方が建設的である気がする。

消費税を上げられないから財政再建ができない、
ではなく、まずは王道の歳出削減を行い、合わせて日本にふさわしい税制を探る。
当たり前のことなのだが、もう何十年もそれができていない。
財務省が予算を作るというやり方自体を見直す必要があるのかもしれない。

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国を家計に例えるのをやめるとの同様に地方財政を家計に例えるのもやめよう [公会計]

日本経済新聞朝刊のマーケット総合のページに、「大機小機」というコラムがある。
なんでも、大正9年連載開始の名物コーナーで、筆者は主に社外の人間であり、本当かどうか知らないが、その実名を知る社員はごく少数なのだという。
私も、毎日必ず読んでいる。

平成29年9月2日付の「大機小機」のタイトルは、
「国を家計に例えるのはやめよう」
だった。
要約すると、
「比喩がはやりだが、比喩は所詮比喩で、論理の代わりにはならず、誤った比喩に頼ると、誤った処方箋に至る危険性さえある。実害が大きいのが国の財政を家計に例えるものであり、明らかに間違っているのだから、もうやめてはどうか」
という内容である。
税収をもって収入としているところ、資産を計上していないところなど、誤解を招くというより誤りであると指摘している。

全く同感である。
家計に例えてわかりやすくしようとしているのだろうが、まったく違うものを同じ土俵に乗せて比較しても、間違った理解にしかならない。

同様に、地方財政を家計に例えるのもやめるべきだと思う。
多くの自治体が、財政に関心を持ってもらおうと予算や決算を家計に置き換えているのだが、国家財政と同様に問題が多いからである。

家計に例えているほとんどの自治体で、交付税のことを「実家からの仕送り」としているのだが、それで本当にいいのだろうか。
市長会でもなんでも、「地方交付税は地方固有の財源」と言っているのに、自分から仕送りと認めてしまっては・・・。
また、固定費であることを強調したいためなのか、人件費を食費に置き換えている自治体が多いのだが、これもよくわからない。
人件費を食費に例えている企業など聞いたこともない。

お金を借りる構造も、貯金をする仕組みも、家計と地方財政ではまるで違う。
関心を持ってもらいたいという気持ちはわかるが、間違ったことを伝えて理解してもらっても、望む効果が得られるとは思えない。

関心を持ってもらいたいなら、理解してもらいたいなら、別の方法を考えるべきだろう。
国を家計に例えるのをやめるとの同様に、地方財政を家計に例えるのもやめた方がいいと強く思う。

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日本経済新聞さん、大丈夫?  ~ 自治体財政制度への根本的な誤解があるのでは… ~ [公会計]

ネットの普及によって、以前と比べ既存メディアへの信頼度が低下傾向にある。
多様な意見を発表する場が増え、それらに触れる機会も増えるにつれて、テレビや新聞が作る世論に対して、疑問の目が多く向けられるようになったのである。
それでも、社会・経済についての解説は、新聞に一日の長があるとされている。
知識と経験を持った複数の人間の目を通ったものだけが記事として公になるはずだ、との前提があるからである。
特に、経済関係における日本経済新聞への信頼は、今でも絶大なものがあると思う。

しかし、その日本経済新聞にして、自治体財政制度への理解はいかがなものであろうか、と思わせるような記事が、8月1日の紙面に掲載されていた。
それも、かなり大きめに。

自治体による子供医療費補助が過剰な競争になっているという記事で、3面に大きく掲載されていた。
自治体が医療費を補助することが安易な受診を助長しているという内容であり、それ自体は一つの意見であると思う。
ヨーロッパを中心に、医療費の自己負担が無料という国は少なくないし、自己負担がないことが安易な受診につながるかどうかも意見が分かれるところだが、それはいいとしよう。
問題は、この件に関する財源措置についてであり、普通に読むと事実誤認と思えるような文章が並ぶ。
引用してみる。

「地方は予算の不足分を地方交付税という形で国に請求書を回し、最後は赤字国債で穴埋めする」
「問題は自力で財源を確保しないままサービス給付を手厚くできる地方財政の無責任なメカニズムにある」
「自治体の支出が増えて財政が苦しくなるほど国からの財政支援が増える」
「基礎的財政収支は国が20兆円超の赤字なのに、地方は2兆円超の黒字。『母屋』は仕送りで大火事だが、財政調整の恩恵で地方の懐は余裕が出るという矛盾をはらんだ構図だ」

おやおや・・・。
地方財政についてなされがちな基本的・典型的な誤解と思われる内容が、次々と述べられている。

周知のことであると思うが、地方は、交付税についての請求書を国に回したりできない。
どんなに苦しかろうが、地方は与えられた額の中でやりくりするしかない。
財政が苦しくなるほど国からより多くもらえるように書かれているが、そんなうまい話はまったくない。
地方交付税は、一律の仕組みでガシャンと金額が決められてしまう仕組みであり、あそこの自治体が独自事業で大変そうだから額を増やしてあげよう、などと配慮されるものではない。
また、国がギリギリの財政運営をしているのに、地方はゆるゆるのような書き方だが、地方は赤字の債権を起こすことができないなか、限られた範囲での財政運営を余儀なくされている。
そのなかで、職員の数を削り、学校など伝統的な施設を泣く泣く減らし、議員の歳費もなり手がいなくなるくらい下げている。

国と地方、どちらの財政が本質的に苦しいか、
交付税制度に矛盾はないか、
といった点では、見解に相違が出ても仕方がないと思う。
しかし、地方財政が無駄遣いをしていて、足りなくなる分はまるまる交付税で補てんされてるかのような書きぶりはいかがなものだろう。

地方財政制度については、十分に認識がされていないということを改めて痛感する記事であった。
自治体関係者は、この現状を理解して、いろいろな方法でしっかり伝えていかなければならない。
「当然ご存知のはず」
という思い込みは避けるべきであるようだ。

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最低賃金の引き上げは働く人には朗報も財政的には試練 [公会計]

賃金が上がった方がいいかどうか?
もちろん、上がった方がいいと考える人がほとんどだろう。
経営者側としては厳しいかもしれないが、売り上げが伸びている状況での無理のない範囲なら、許容すべき話のはずだ。
経済全体としても、
賃金が上がる、
消費が増える、
物価が上がる、
賃金が上がる、
といった循環が生まれることが期待される。

非正規雇用を含む労働者の賃金引き上げにつながる最低賃金の目安額について、厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」の小委員会が、全国平均で25円(3.0%)の引き上げを決めた。
目安通り引き上げられれば、全国平均で最賃の時給は848円となる。
3%以上の引き上げは2年連続で、上げ幅は、日額から時給に変更した02年度以降で過去最大を更新したという。
850円の最低賃金が十分とは思えないが、この額を基準にしていろいろ賃金が決められていく面もあるので、朗報といっていいだろう。
実際、街中などでの求人を見ても、このところかなりの上昇傾向にあることが見て取れる。

ただし、自治体などの財政を預かる人にとっては、喜んでばかりもいられない。
賃金の上昇が税収に反映されるのはかなり先のことと思われるなか、目の前の支出は確実に増えるからである。
臨時職員の方への賃金のほか、
各種委託料や工事請負費の人件費部分などが上昇すれば、
その分だけ財政を圧迫することになる。
3%の上昇は、小さな数字ではない。

誰もが嬉しいはずの賃金上昇のニュースを見ても、喜びも中くらいなりとなってしまうのが、財政担当者の性である。

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年金運用の黒字は朗報だがリスクも広がっている [公会計]

2015年度から2016年の4-6月期にかけて、株価が低迷した時期があった。
その当時は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による公的年金の運用も苦戦し、5兆円もの損失が発生したこともあった。
これについては、民進党が、
「年金損失『5兆円』追及チーム」
を発足させ、厳しく追及する姿勢を示された。

しかし、株価というものは上がったり下がったりするのが常である。
その後は株価が持ち直し、黒字を確保するようになった。
特に、2016年10~12月期は、10兆円を超える黒字だった。
2017年4-6月期も5兆円規模の黒字が見込まれている。

年金での運用が黒字になることは、国民にとって大変めでたいことである。
この運用が毎年兆単位で黒字になるのなら、年金問題は解消されるとまで言っていいかもしれない。
ただ、運用額が膨れ上がっていることで、新たな問題も生じている。

現状、GPIFと日銀を合わせた公的マネーが、東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主となっているという。
このことが株価を下支えしている面はあるが、市場機能を損なってはいないか懸念される。
いい会社の株は上がり、悪い会社の株は下がるのが当然であり、公的マネーの規模が大きくなり過ぎると、その当たり前の機能が阻害される恐れがなくはない。

また、公的な資金での運用額がここまで大きくなると、売り時が難しい。
上がった株も、売らなければ利益が確定しないが、性質上売り逃げというわけにもいかないだろうし、売り方によっては相場を壊すことにもなりかねない。

GPIFによる運用が利益を上げることは素晴らしいことなのだが、手放しで喜んでばかりもいられない。
損失が出たときに「それ見たことか」と責任を追及するより、こうして利益が出ているときにもしっかり運用の仕方を考えていきたいものである。

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国と地方の関係を親と子に例えるなら  ~ もしそれを言うならせめて親は親らしく ~ [公会計]

6月28日と29日の両日、日本経済新聞に
「ゆがむ地方財政」
と題した特集記事が組まれた。
初日は、
税収「偏在」自治体の不信 配分巡り奪い合い
と題して、地方消費税の配分やふるさと納税などを題材に、税の奪い合いになっている現状への疑問が呈された。
2日目は、
基金21兆円、届かぬメス 緩い計画70年、限界
と題して、自治体が基金を積み上げていることに絡めて、地方財政計画の問題を指摘していた。

そのなかで、
「親がお金を借り仕送りをしているのに、子はその金を貯金している」
との財務省幹部の言葉が紹介されていた。
自分たち、すなわち国を親に例え、国が借金で大変なのに、子、すなわち地方はのうのうと暮らしている、とおっしゃりたいのだろうか。
誰が言ったのかも書いていないし、話の前後も示されていないので、真剣に受け止めるというより、
「親子の関係に例えるなら普通はこうだよなあ」
ということを書いてみたい。

まず、私が親だったら、自分の送ったお金の一部を子供が貯金していたとして、それに文句を言おうとは思わない。
私が、というより、そんな親いるかしら。
普通は、将来に備えて、堅実に暮らしていることを好ましく思うだろう。

いや、親が借金をしながら仕送りしている状況が大変なのだ、というのかもしれないが、子供の立場からすれば、借金をして送ってくれとは言っているわけではないのだから、そんなことを言われても困惑するしかない。
そもそも、この言葉が成立するためには、親がギリギリの生活をしているという前提がなければならない。
親が奔放な生活をして、それでは回らなくなって借金をし、
子が懸命に切り詰めた生活をして、それでなんとか貯金をしている、
としたら、嘆かれるべき存在はどちらだろう。

地方分権の考えが進み、「対等・協力」が原則となったが、
今でも国と地方の関係を親子に例え、交付税を仕送りと表現することが多い。
わかりやすくするためだろうから、それはそれでいいとしても、
親であれば親らしくするというのは当然のことだろう。
はて、借金の責任を子供に帰するのは、親らしい態度だろうか。
子供のお金の使い方を嘆けるようなお金の使い方を、親はされているだろうか。

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ラスパイレス指数はごくごく参考に  ~ まともな比較には全く耐えない ~ [公会計]

ネットをぶらぶらしていたら、
「公務員の給料、都道府県・市町村別ランキング」
なる記事が目に留まった。
「平成28年地方公務員給与実態調査結果」を基に、各自治体のラスパイレス指数から、地方公務員の給与をランキングしたものとのことである。
人の財布の中身は気になるものであり、こうした特集が組まれるのもわかる。

さて、この「ラスパイレス指数」とはどのようなものであろうか。
これについては、こんな説明がされることが多い。
すなわち、
「ラスパイレス指数とは、国家公務員の給与水準を100とした場合の地方公務員の給与水準を示したもの」
というわけである。
つまり、この説明を鵜呑みにしてしまうのなら、ごく単純化して言えば、ある自治体のラスパイレス指数が101だとすれば、国より1%高い給与をもらっていることを示していることになる。

ラスパイレス指数でみると、100を超えている自治体がゴロゴロある。
これだけを見ると、優秀な国家公務員の給与を、地方公務員の給与が上回っていることになり、それはいかがなものかということになる。
しかし、ラスパイレス指数は、実際にもらっているお金とはリンクしていない。

どういうことかというと、主に2つの点で現実を映していないからである。
一つ目は、
「国家公務員の算定では幹部や高給のスタッフ職の給与を除外しているのに対し、地方公務員は幹部の給与を含めている」
という点である。
国の算定では、多くの給与をもらっている人の分を外しているのだから、比較して地方の数字が高くなるのは当然であろう。
二つ目は、
「手当を含んでいない」
という点である。
わかりやすい手当に、「地域手当」というものがある。
これは、「物価等も踏まえながら、民間賃金の高い地域に勤務する職員に支給する」というもので、省庁のある特別区は20%、地方は0%のところも多い。
つまり、俸給が同じ300,000万円でも特別区に勤める国家公務員は60,000円の地域手当が支給され、地方は0円ということになる。
これだけで年間に直すと72万円もの額になるが、これを除外してしまっているのである。

だから、ラスパイレス指数は、あくまでも参考値として見るのが正しい姿勢であろう。
本気で差を調べるようとする場合には、
国と地方の比較にも使えないし、
地方間の比較にも使えない。
それをわかったうえで、一つの基準として持っておくというものだろう。

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東京都の「復活予算」には驚き [公会計]

東京都の小池百合子知事が、都議会定例会の所信表明で、「復活予算」枠を廃止することを表明された。
「復活予算」とは、予算編成過程において、都議会各会派の要望を受け入れる余地をあらかじめ設けておき、原案になかった事業を予算に入れるものである。
なんでも、昭和30年代から続いている「慣習」らしい。
どうやってこの額を決めたのか不明だが、現在の枠は200億円になっているという。

復活予算の廃止については、都議会から、
「復活予算は、民意を反映されるための重要な作業」
「都政は広い分野を抱えており、知事1人では分からないこともあるだろうという前提で補完機能を担ってきた」
との反論も出されている。
また、都の予算は何兆円もあるから、そのうちの200億円くらい議会の思うようにつけさせてもいいではないか、という意見を持たれる方もおられると思う。

しかし、「復活予算」は、他の自治体からすれば非常に奇異に映る制度である。
都の財務局によると、復活予算の仕組みがある都道府県は全国で東京都のみであるというが、それはそうだろう。
地方自治法において、予算編成権は知事の専権事項であると規定されているのだから。
もちろん、議会の意見や要望を聞くことは大切だが、それは予算原案に盛り込む形で措置すればよく、丸投げの形で予算枠を渡すのには違和感がある。
また、議決権は議会にあるのだから、審議の中で予算を修正していくことも可能である。
他県の職員の意見として、
「東京はお金があるから、予算とは別に200億円も確保できるのだろう。本県では考えにくい」
といった声が紹介されていたが、本音であろう。

小池知事は所信表明で、
「何が語られ、討議され、議論されなかったのか。税金がどのように生かされるのか。それを一人でも多くの皆様に知っていただきたい」
とされた。
正論だと思う。
一方、復活予算廃止に伴い外部からの意見を取り入れる仕組みとして、各局が推薦した団体の要望を15分程度聞く方向で調整しているというのだが、こちらはどうだろう。
議会から
「限られた時間の中でどれだけの方々から話を聞くことができるのか」
との反論が出されているようだが、こちらは議会の意見に分があるように思える。
この仕組みでは、それほど多くの団体の意見は聞けないうえに、一団体15分では深掘りすることもできないだろうから。

現在の小池知事は、かつての橋下知事のように、その一挙手一投足が注目される存在になっている。
慣習的に行われてきた不透明な行政運営に、メスを入れる大きなチャンスである。
東京都だけでなく、自治体のあり方を考えるうえでも、小池知事の動きから目が離せない。

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財務省は、自治体がお金を使うのも貯金するのも気に入らないようだ [公会計]

このほど開かれた財政制度等審議会で、財務省が地方財政に注文をつけておられる。
国の財政が悪化する中、地方自治体では貯金にあたる「基金」が18兆円を超えていることを理由に、「地方交付税」を抑える新たな仕組みを総務省に求めていく方針を示したとのことである。

「国が借金まみれで大変なのに、地方では貯金なんてとんでもない」
ということなのだろうか。
であれば、
地方も借金まみれになれば、ご納得いただけるのだろうか。

普段財務省は、地方の「無駄使い」に目を光らせておられる。
そしてコストが高い、不要な事業が多いと指摘される。
なるべくお金を使うなということだろう。
一方で、貯金があるのもお気に召さないようだ。

普通に考えて、野放図に借金ができる国と比べて、地方の財政運営が楽なはずがない。
入ってくるお金に制限があるなか、高齢化が進んで福祉に要する予算が増している上、施設の老朽化も進んでいるのだから。
財務省の資料では、国の借金が多いことが、財政が厳しいことの証明のように書かれているのだが、借金が多いのは借金をジャンジャンしているからである。
自治体は国のような赤字地方債は起こせないから、仕組みからして違う。
与えられた範囲の中でなんとか予算を組んでいる自治体と、
足らない分はガッツンガッツン国債を発行している国の差が、
借金の差になっているということに過ぎない。

地方がそんなにギリギリなら、貯金などできるはずないだろう、という意見もあるかもしれない。
しかし、自治体は国のように構わず借金はできないのだから、貯金がなければすぐに積んでしまう。
苦しくても、少しでも貯めておこうと思うのが、財政を預かる側として当然の発想だろう。

地方分権改革で、国と地方は対等の立場になったというが、それでもやはり国は全体を見て、指導すべきところは指導すべきであろう。
そして、指導するためには、自らを律する必要があるのは当然である。

「借金まみれの人に、貯金するなと言われても、ねえ」

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