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福井市の職員給与削減案を見て財務省の人はどうお感じだろう?  ~ 何も感じないかな? ~ [公会計]

福井市が、2月の記録的な豪雪で除雪や公共設備の補修の費用がかさんだことから、職員の給与を引き下げる方針を固めたと報道されている。
全ての常勤職員が対象で、7月から9か月間、給与と管理職手当を1割ずつ、特別職報酬は2割減らすのだという。
こうした非常時に充当すべき財政調整基金は、これまでの災害対応などで、すでに底をついてしまっているのだという。

この給与削減案について、福井市の労働組合は猛反発しているという。
また、基金を計画的に確保してこなかったことにも批判はあるだろう。
だから、今回の給与削減策の是非はさておくとして、こうした福井市の対応について、国は、特に財務省の方はどう思われているのか気になる。

自治体は、歳入と歳出が合わなければ、自分たちの給与に手を付けるのである。
国は、どうされているのだろう。
もう何年も歳出が歳入を上回っているが、どうお感じなのだろう。
そうなるのは政治家の責任、と思っておられるのだろうか。
借金をすればそれで済む、と思っておられるのだろうか。(というか、実際そうされているが)

財務省は、自治体の基金が多過ぎるとの批判もされてきた。
しかし、大きな災害があれば、基金などこうしてすぐに枯渇してしまう。
その時に助けてもらえるわけでもない。

財務省の方は、今回の福井市の対応を見て、
「だらしないなあ」
と思われるのだろうか。
「だから、自治体は駄目なんだ」
と思われるのだろうか。
それとも、何も感じられないのだろうか。
見習って自分たちも身を切らなければ、と思われるのだろうか。
余計なことをしやがって、と思われるのだろうか。
それとも、何も感じられないのだろうか。

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消費税増税をめぐって そろそろいろいろな動きが出てくる時期 [公会計]

予定どおりなら、来年10月に消費税が8%から10%に引き上げられることになっている。
軽減税率に向けた準備も進められているし、
増税分を財源にした政策パッケージも準備されているので、
今のところ、計画に従って引き上げられるだろうという見方が優勢であろう。
しかし、
過去複数回にわたって引き上げが見送られた経緯があり、
デフレからの脱却も完全ではない、
という状況にあるなか、まだ予断を許さないというのが本当のところだろう。
私も、引き上げがなされるかどうか、半々くらいの確率かと考えている。
これからいろいろな動きが出てくるだろう。

報道によれば、自民党の若手国会議員でつくる「日本の未来を考える勉強会」が、消費税の増税凍結を含む提言を安倍首相宛てに提出する予定であるらしい。
党内の国会議員34人が賛同しているというから、かなりの大所帯である。
この勉強会は、去年も今回の内容に近い提言を出しているとのことだが、その時は当時の萩生田官房副長官が受け取ったのに対し、今回は安倍首相が自ら受け取る方向であるという。
そこに何か意味があるのだろうか。

昨年10月の衆議院選挙では、自民党は消費税の増税を掲げて戦い、勝利を収めた。
国民の負担を増す政策は選挙には不利だとされるが、野党が軒並み消費税増税の凍結を主張するなか、堂々と増税を訴え、そして支持を得たのは意義があったと思う。
だから、ここで消費税増税を引っ込めてしまうと、公約違反になってしまう。
しかし、ほとんどの国民は、この公約違反には寛容であろう。
本来なら対立軸となるべき野党も消費税増税には反対の立場だから、批判もしにくいだろう。

来年の10月というと、まだあと1年半先のことのように思えるが、役所のカレンダーで考えると、新年度の切り替えとなる来年の4月に向けて準備を進める必要がある。
そして、新年度に間に合わせるためには、今年の夏くらいにはいろいろと整えておかないと間に合わなくなってしまう。
つまり、もうあまり間がないのである。
消費税増税の賛成派反対派が入り乱れての攻防戦が、これから本格化してくるのは必至である。
国民は、自分事としてしっかり見ておく必要がある。

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国の財政が黒字化されるとはほとんど誰も信じていない  ~ 基礎的財政収支黒字化の時期が遅れても市場は平静 ~ [公会計]

内閣府が、国と地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化の時期について、従来示していた2025年度から2年後退し、27年度になるとの試算を提出した。
ちょっと前までは2020年度を目標にしていたから、ここに来て7年間も先送りになったことになる。

民間企業なら、こんなに何年も、何十年も赤字を続けたらとっくに倒産だろう。
しかし、民間と国の財政は仕組みも役割も全く違う。
債券市場が、国の借金額を意識しているのなら、こうした発表があれば国債が暴落しそうである。
しかし、市場はとっくに織り込んでいたのか、ごく平静である。

今回の見直しでは、名目GDPの成長率見通しを、若干下げている。
これまで3.7%~3.9%としていたものを3.1%~3.5%にしたというもので、より現実的なものに近づけたとのことだが、これでも十分に高い。
これだけの成長をして、なお2027年度までは黒字化しないということは、普通に考えれば2027年度の黒字化も相当厳しいものととらえるべきだろう。

ただし、この試算は「歳出改革努力を織り込んでいない」とされていて、その頑張り次第では、前倒しもあり得ることになっている。
このことを受けて、日経や朝日の記事を見ると、
「PB黒字化を、歳出抑制の努力などで、どれくらい前倒しできるかが焦点」
などと書いている。
まあ、そうやってあおる気持ちもわかるが、この高い成長率でも2027年度までかかる黒字化を、逆に前倒しにすることなど、とてもできるとは思えない。

いつまでも赤字でいいとは誰も思っていないだろうが、急いで黒字にしなければならないと思っている人も多くないのが実態だろう。
財政を絞るとデフレ圧力につながりかねないという面もあるから、そこも難しい。
時代に合わなくなった事業や、実際には機能していない取り組み、役人目線になってしまっている支出などを見直してもらいたいところだが、それができるだろうか。
歳入が増えないなか、不測の事態に備えてなんとか貯金をしている自治体に学ぶどころか、それを目の敵にしているようでは、歳出改革は望み薄と思えてしまうのだが。

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大丈夫?経済財政諮問会議  ~ 貯金と借金を増額している自治体に改善を求める? え、借金だけ増やせってこと? ~ [公会計]

怒るとか、憤るとかなんとかより、ちょっと心配になってしまった。
経済財政諮問会議、大丈夫?

経済財政諮問会議で、地方財政改革が議論されたという。
地方の財政制度にも改革の余地が大いにあるから、有意義な議論が期待されるところである。
しかし、提出された資料や、報道されている内容を見ると、「?」が47個半くらい浮かぶ。

まず、失礼ながら笑ってしまうのが、提出された資料の最初のフレーズ。
そこには、
「国と歩調を合わせ引き続き歳出・歳入両面からの改革を進めるとともに」
とある。
え、何十年もひたすら借金を積み上げている国と歩調を合わせた方がいいの?
地方は頑張って借金減らしてるんですけど、ダメでした?
根本的な発想が、「国偉い地方ダメ」だからこういう表現になるのだろうけれど。

さらに、地方自治体の基金残高が増えている一方で、「臨時財政対策債」の残高も増えていることを問題視したのだという。

え、本当に大丈夫ですか?
臨時財政対策債は、国が地方交付税を配れないばかりに、地方に借金を押し付けているものですよ。
国の赤字国債とは全然違うものですよ。
なんだか、貯金を増やすために借金しているかのような言い分ですが、大丈夫ですか?

さらに、「貯金」と「借金」を両方増やしていることが不満のようなのだが、国のように借金だけ増やせば「よくやった」とほめてもらえるのだろうか?
本当に、大丈夫ですか?

反論するより心配になってくる。
経済財政諮問会議、大丈夫ですか?

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消費税を上げれば真面目?  ~ 財政再建原理主義に感じる疑問 ~ [公会計]

9月20日付の日経「大機小機」というコラムに、「消費税問答を採点する」と題した小文が掲載されていた。
教師が、消費税の引き上げについて生徒に考え方を述べさせ、それについて採点するという形式のもので、要約すると以下のようになる。

教師「消費税の引き上げについて述べよ」
学生A「税率を下げるべき。そうすれば、経済が活性化して財政再建にもプラス」
教師「『ただの昼飯はない』という経済の大原則を理解していない。成績はD(落第)」
学生B「10%への引き上げは中止し、もっと経済状態が良くなるのを待つべき」
教師「今は戦後2番目に長い景気拡大局面。最新データを踏まえていないので成績はC」
学生C「消費税を10%に引き上げ、増収分は全て社会保障や奨学金などの充実に使うべき」
教師「増収分を全て使ってしまったら財政は全く改善しない。成績はB」
学生D「予定通り2019年10月に10%に上げ、増収分はできるだけ財政再建に充てるべき」
教師「その通り。安倍首相が考えを変えなければ、首相も君も成績はA」
学生たち「では、どんな答えならAプラスをもらえるのか」
教師「これから先の財政を展望すると、少なくとも消費税率を15%へとさらに引き上げる必要がある。そう答えれば成績はAプラス」

最後に、学生たちが「消費税を15%にするような主張をするような政党はない」と言い、
教師が「それこそが財政再建を進める上での最大の問題」
と喝破するのがオチとなっている。

どうやらこのコラムを書いた方は、消費税を上げることが「善」であり、厳しい道を行く正しい政策と信じておられるようだ。
そして、それはマスコミや産業界の多くの人が持っている信念のように思える。

さてさて。

まずは、これはコラムであって社説ではないことを踏まえる必要がある。
気楽に読めばいいコーナーである。
だから、「マジ」で読むのは野暮というものであろう。
成績がAだのAプラスだの言っているので、設定は大学なのかもしれないが、教授ではなく教師となっているから、中学生くらいを相手にしているのかもしれない。
まあ、それなら単純な足し算引き算の話として理解すればいいだろうか。
国の財政は大幅な歳入不足が続いており、それを埋めるためには収入を増やすか、支出を減らすかしかない。
難しいことを考えなければ、税を増やすのが一番簡単な方法で、それを言っただけということかもしれない。

もし、このコラムの設定が大学だとすれば、経済学なのか財政学なのか政治学なのかなどによっても、立場は変わって来なければおかしい。
財政学なら、消費税の引き上げを善とするかもしれない。
経済学なら、消費税増税による短期長期の正負の影響を勘案しなければ結論は出ない。
政治学なら、選挙の勝ち負けも含めて考えるだろう。

気になるのは、
消費税の引き上げを訴える政治家が真面目な政治家、
消費税引き上げをためらう政治家は人気取りだけを考えたダメな政治家、
と安易なレッテル貼りをされる方が見受けられることである。
実際には、そんな簡単なものではない。
経済全体への影響を考える必要があるし、時期にもやり方にも配慮が必要である。
実際、過去2回の消費税の引き上げでは、日本経済は深刻なダメージを受けた。

また、財政再建に向けては、
消費税以外の税源を考えるべきでもあるし、
そもそも歳出の見直しこそ優先すべきであろう。

年がら年中、税のことを考えているのは億劫だが、選挙のときくらいはちゃんと考えたい。
感覚的、感情的にならずに、事実や過去の経験を踏まえて、真面目に。

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消費税への嫌悪感は健在 [公会計]

ここに来て、各種世論調査で安倍内閣の支持率が上昇している。
人気が上がるような大きな意思決定をしたとも思えないのだが、春先に下がり過ぎた反動だろうか。
若しくは、実感がないと言われながらも続く景気の拡大が、現政権の支持につながっているのだろうか。

この経済状況を見て、
「消費税を引き上げない理由がない」
「消費税を引き上げる条件は整っている」
などと主張する方も多いが、国民の中にある嫌悪感は全く消えていない。

時事通信の世論調査で、2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げについての項目があったらしいが、それによると、
「引き上げを見送るべきだ」が58.1%
「予定通り引き上げるべきだ」が34.3%
だったという。
痛みを伴う政策だから反対が多いのは当然と言えば当然だが、現在の財政状況や経済状況などを踏まえてもやはり反対というのだから、これは永久に賛成してもらえない政策なのかもしれない。

消費税については、すでに2回延期されている。
もし再度延期されても、それほどの驚きはない。
いや、多くの人が再延期を予想しているだろう。
国の財政が厳しいのは誰もが承知しているが、こうなっては消費税以外の選択肢をしっかり探るべきではないだろうか。
上げる上げると言って延期するということの繰り返しより、すっぱりあきらめて別の財源を探った方が建設的である気がする。

消費税を上げられないから財政再建ができない、
ではなく、まずは王道の歳出削減を行い、合わせて日本にふさわしい税制を探る。
当たり前のことなのだが、もう何十年もそれができていない。
財務省が予算を作るというやり方自体を見直す必要があるのかもしれない。

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国を家計に例えるのをやめるとの同様に地方財政を家計に例えるのもやめよう [公会計]

日本経済新聞朝刊のマーケット総合のページに、「大機小機」というコラムがある。
なんでも、大正9年連載開始の名物コーナーで、筆者は主に社外の人間であり、本当かどうか知らないが、その実名を知る社員はごく少数なのだという。
私も、毎日必ず読んでいる。

平成29年9月2日付の「大機小機」のタイトルは、
「国を家計に例えるのはやめよう」
だった。
要約すると、
「比喩がはやりだが、比喩は所詮比喩で、論理の代わりにはならず、誤った比喩に頼ると、誤った処方箋に至る危険性さえある。実害が大きいのが国の財政を家計に例えるものであり、明らかに間違っているのだから、もうやめてはどうか」
という内容である。
税収をもって収入としているところ、資産を計上していないところなど、誤解を招くというより誤りであると指摘している。

全く同感である。
家計に例えてわかりやすくしようとしているのだろうが、まったく違うものを同じ土俵に乗せて比較しても、間違った理解にしかならない。

同様に、地方財政を家計に例えるのもやめるべきだと思う。
多くの自治体が、財政に関心を持ってもらおうと予算や決算を家計に置き換えているのだが、国家財政と同様に問題が多いからである。

家計に例えているほとんどの自治体で、交付税のことを「実家からの仕送り」としているのだが、それで本当にいいのだろうか。
市長会でもなんでも、「地方交付税は地方固有の財源」と言っているのに、自分から仕送りと認めてしまっては・・・。
また、固定費であることを強調したいためなのか、人件費を食費に置き換えている自治体が多いのだが、これもよくわからない。
人件費を食費に例えている企業など聞いたこともない。

お金を借りる構造も、貯金をする仕組みも、家計と地方財政ではまるで違う。
関心を持ってもらいたいという気持ちはわかるが、間違ったことを伝えて理解してもらっても、望む効果が得られるとは思えない。

関心を持ってもらいたいなら、理解してもらいたいなら、別の方法を考えるべきだろう。
国を家計に例えるのをやめるとの同様に、地方財政を家計に例えるのもやめた方がいいと強く思う。

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日本経済新聞さん、大丈夫?  ~ 自治体財政制度への根本的な誤解があるのでは… ~ [公会計]

ネットの普及によって、以前と比べ既存メディアへの信頼度が低下傾向にある。
多様な意見を発表する場が増え、それらに触れる機会も増えるにつれて、テレビや新聞が作る世論に対して、疑問の目が多く向けられるようになったのである。
それでも、社会・経済についての解説は、新聞に一日の長があるとされている。
知識と経験を持った複数の人間の目を通ったものだけが記事として公になるはずだ、との前提があるからである。
特に、経済関係における日本経済新聞への信頼は、今でも絶大なものがあると思う。

しかし、その日本経済新聞にして、自治体財政制度への理解はいかがなものであろうか、と思わせるような記事が、8月1日の紙面に掲載されていた。
それも、かなり大きめに。

自治体による子供医療費補助が過剰な競争になっているという記事で、3面に大きく掲載されていた。
自治体が医療費を補助することが安易な受診を助長しているという内容であり、それ自体は一つの意見であると思う。
ヨーロッパを中心に、医療費の自己負担が無料という国は少なくないし、自己負担がないことが安易な受診につながるかどうかも意見が分かれるところだが、それはいいとしよう。
問題は、この件に関する財源措置についてであり、普通に読むと事実誤認と思えるような文章が並ぶ。
引用してみる。

「地方は予算の不足分を地方交付税という形で国に請求書を回し、最後は赤字国債で穴埋めする」
「問題は自力で財源を確保しないままサービス給付を手厚くできる地方財政の無責任なメカニズムにある」
「自治体の支出が増えて財政が苦しくなるほど国からの財政支援が増える」
「基礎的財政収支は国が20兆円超の赤字なのに、地方は2兆円超の黒字。『母屋』は仕送りで大火事だが、財政調整の恩恵で地方の懐は余裕が出るという矛盾をはらんだ構図だ」

おやおや・・・。
地方財政についてなされがちな基本的・典型的な誤解と思われる内容が、次々と述べられている。

周知のことであると思うが、地方は、交付税についての請求書を国に回したりできない。
どんなに苦しかろうが、地方は与えられた額の中でやりくりするしかない。
財政が苦しくなるほど国からより多くもらえるように書かれているが、そんなうまい話はまったくない。
地方交付税は、一律の仕組みでガシャンと金額が決められてしまう仕組みであり、あそこの自治体が独自事業で大変そうだから額を増やしてあげよう、などと配慮されるものではない。
また、国がギリギリの財政運営をしているのに、地方はゆるゆるのような書き方だが、地方は赤字の債権を起こすことができないなか、限られた範囲での財政運営を余儀なくされている。
そのなかで、職員の数を削り、学校など伝統的な施設を泣く泣く減らし、議員の歳費もなり手がいなくなるくらい下げている。

国と地方、どちらの財政が本質的に苦しいか、
交付税制度に矛盾はないか、
といった点では、見解に相違が出ても仕方がないと思う。
しかし、地方財政が無駄遣いをしていて、足りなくなる分はまるまる交付税で補てんされてるかのような書きぶりはいかがなものだろう。

地方財政制度については、十分に認識がされていないということを改めて痛感する記事であった。
自治体関係者は、この現状を理解して、いろいろな方法でしっかり伝えていかなければならない。
「当然ご存知のはず」
という思い込みは避けるべきであるようだ。

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最低賃金の引き上げは働く人には朗報も財政的には試練 [公会計]

賃金が上がった方がいいかどうか?
もちろん、上がった方がいいと考える人がほとんどだろう。
経営者側としては厳しいかもしれないが、売り上げが伸びている状況での無理のない範囲なら、許容すべき話のはずだ。
経済全体としても、
賃金が上がる、
消費が増える、
物価が上がる、
賃金が上がる、
といった循環が生まれることが期待される。

非正規雇用を含む労働者の賃金引き上げにつながる最低賃金の目安額について、厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」の小委員会が、全国平均で25円(3.0%)の引き上げを決めた。
目安通り引き上げられれば、全国平均で最賃の時給は848円となる。
3%以上の引き上げは2年連続で、上げ幅は、日額から時給に変更した02年度以降で過去最大を更新したという。
850円の最低賃金が十分とは思えないが、この額を基準にしていろいろ賃金が決められていく面もあるので、朗報といっていいだろう。
実際、街中などでの求人を見ても、このところかなりの上昇傾向にあることが見て取れる。

ただし、自治体などの財政を預かる人にとっては、喜んでばかりもいられない。
賃金の上昇が税収に反映されるのはかなり先のことと思われるなか、目の前の支出は確実に増えるからである。
臨時職員の方への賃金のほか、
各種委託料や工事請負費の人件費部分などが上昇すれば、
その分だけ財政を圧迫することになる。
3%の上昇は、小さな数字ではない。

誰もが嬉しいはずの賃金上昇のニュースを見ても、喜びも中くらいなりとなってしまうのが、財政担当者の性である。

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年金運用の黒字は朗報だがリスクも広がっている [公会計]

2015年度から2016年の4-6月期にかけて、株価が低迷した時期があった。
その当時は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による公的年金の運用も苦戦し、5兆円もの損失が発生したこともあった。
これについては、民進党が、
「年金損失『5兆円』追及チーム」
を発足させ、厳しく追及する姿勢を示された。

しかし、株価というものは上がったり下がったりするのが常である。
その後は株価が持ち直し、黒字を確保するようになった。
特に、2016年10~12月期は、10兆円を超える黒字だった。
2017年4-6月期も5兆円規模の黒字が見込まれている。

年金での運用が黒字になることは、国民にとって大変めでたいことである。
この運用が毎年兆単位で黒字になるのなら、年金問題は解消されるとまで言っていいかもしれない。
ただ、運用額が膨れ上がっていることで、新たな問題も生じている。

現状、GPIFと日銀を合わせた公的マネーが、東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主となっているという。
このことが株価を下支えしている面はあるが、市場機能を損なってはいないか懸念される。
いい会社の株は上がり、悪い会社の株は下がるのが当然であり、公的マネーの規模が大きくなり過ぎると、その当たり前の機能が阻害される恐れがなくはない。

また、公的な資金での運用額がここまで大きくなると、売り時が難しい。
上がった株も、売らなければ利益が確定しないが、性質上売り逃げというわけにもいかないだろうし、売り方によっては相場を壊すことにもなりかねない。

GPIFによる運用が利益を上げることは素晴らしいことなのだが、手放しで喜んでばかりもいられない。
損失が出たときに「それ見たことか」と責任を追及するより、こうして利益が出ているときにもしっかり運用の仕方を考えていきたいものである。

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