So-net無料ブログ作成
検索選択
読書記録 ブログトップ
前の10件 | -

3月の読書記録 [読書記録]

3月に読んだ本は以下のとおり。

3月1日 「町の未来をこの手でつくる」 猪谷 千春
3月2日 「ハノイ発夜行バス、南下してホーチミン」 吉田 友和
3月3日 「マーケティングのすすめ」 フィリップ・コトラー、高岡 浩三
3月4日 「ストラテジストにさよならを」 広木 隆
3月5日 「いまさら翼といわれても」 米澤 穂信
3月6日 「ディープ・インパクト」 島田 明宏
3月7日 「警察は本当に動いてくれないか」 佐々木 保博
3月8日 「地域通貨で実現する地方創生」 納村 哲二
3月9日 「あきらめない!40・50代で独立」
3月10日 「ランチェスター戦略 弱者逆転の法則」 福永 雅文
3月11日 「みんなのためのLGBT人権宣言」
3月12日 「ケアマネジャーの仕事と資格」 高島 徹治
3月13日 「これだけ!B/SとP/L」 見田村 元宣
3月14日 「フランスはどう少子化を克服したか」 高崎 順子
3月15日 「勝てる言葉」 秋庭 道博
3月16日 「浦安図書館を支える人々」 鈴木 泰之、坪井 賢一
3月17日 「小林一茶」 童門 冬二
3月18日 「自分の中に毒を持て」 岡本 太郎
3月19日 「教科書はこう書き直された!」 高嶋 伸欣
3月20日 「ふるさと革命」 片山 修
3月21日 「ロッキング・オン天国」 増井 修
3月22日 「マス・ヒステリーの研究」 角間 隆
3月23日 「戦後ニッポン犯罪史」 礫川 全次
3月24日 「早慶MARCH」 小林 哲夫
3月25日 「女子フィギュアスケート」 八木沼 純子
3月26日 「みんなの進化論」 デイヴィッド・スローン・ウィルソン
3月27日 「映画ライターになる方法」 まつかわ ゆま
3月28日 「比類なきジーヴス」 P.G.ウッドハウス
3月29日 「日本の優良企業パーフェクトブック」
3月30日 「迷走するイギリス」 細谷 雄一
3月31日 「ファシリテーションの教科書」 吉田 素文

猪谷千春さんの「町の未来をこの手でつくる」は、岩手県紫波町の駅前開発プロジェクトについて書いたもの。行政に頼らず、地域ならではの町を作っていくさまが描かれている。厳しい道のりだが、こうやって進めていかないと、結局新しい廃墟を作ることになってしまう。

米澤穂信さんの「いまさら翼といわれても」は、古典部シリーズの最新刊。いつもながら面白い。氷菓の実写映画が公開される予定というが、こちらは不安しかない。

著者の増井修さんは、洋楽雑誌「ロッキング・オン」の2代目編集長。やたらと熱量の高い音楽評にあおられた記憶がある。「ロッキング・オン天国」では、あの頃を振り返りながら、いろいろなミュージシャンのエピソードも読める。肩の力を抜いて読もう。

「戦後ニッポン犯罪史」は、キワモノにならず、戦後に起きた様々な事件や犯罪を丁寧に解説していた。深掘りはされていないが、あ、そうだったんだ、という驚きもあり、読んでよかったという気になれた。
nice!(5)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

「沖縄の新聞は本当に『偏向』しているのか」を読んで [読書記録]

私は、新聞をはじめとするメディアに、完ぺきな公平中立は望んでいない。
社の方針として、「こういう主張をしていく」というものはあるはずだし、それにより近い政策や政党に肩入れしたくなるのは、ある意味当然だと思うからだ。
新聞なら社説やコラムコーナーテレビなら討論番組など、主義主張を述べる場も少なくない。
実際、朝日新聞及び毎日新聞の論調と、読売新聞及び産経新聞の論調は、同じ事項を取り上げても大きく違っていることがある。
そして、そうした「違い」は多くの人が納得していることでもあろう。
ただし、反米、反自民、反権力的な立場はよいとしても、反日本のような立場までは感情的に許容しがたいけれども。

さて、沖縄の二紙、「琉球新報」と「沖縄タイムス」は、報道が偏向しているとよく言われる。
反基地、反自民に加え、反日的でさえあるとの指摘が多い。
私は、ネットのニュースなどで触れたことがある気はするが、沖縄の二紙を紙で読んだことはない。
だから、実態をまったく知らないと言っていい。
だから、本当のところどうなのかを知りたくて、この本を手に取った。

ちなみにこの本の出版社は、「朝日新聞出版」である。
朝日新聞系列の出版社が沖縄2紙のことを取り上げるのだから、本としての結論は最初から見えている。
そうであったとしても、個々の記事について検証していくことで、自分なりに考えてみようと思って読み始めた。
しかし、残念ながら期待は外れた。

タイトルは「本当に『偏向』しているのか」と謳っているのだが、本の内容は、最初から沖縄二紙に問題はなく、問題があるとしたらそんなことを考える側の人間である、との思いに貫かれている。
検証云々は、ほぼない。
書籍は、新聞以上に自分の主張を述べて構わない場だから、どんなことをおっしゃってもいいのだが、タイトルにひかれた人間としてはがっかりであった。
実際に、どんな記事が書かれていて、同じ事件でも読売や産経とはどのように切り口が違い、どんな記事が偏向と言われているのか、検証してくれているのかと勝手に思ったのだが、ひたすら二紙とその記者を持ち上げる内容であった。
別に、そうした内容の本を書かれても一向に構わないのだが、その場合、「沖縄の新聞は本当に『偏向』しているのか」ではなく、「沖縄の新聞は本当に素晴らしい」といったタイトルにしてほしかった。

贔屓の引き倒しという言葉がある。
検証しているようなタイトルをつけて、一方的に沖縄二紙に肩入れするこの本は、まさにそのような形になっている。
こうまでして一方的に褒めなければならないところを見ると、実際は・・・
という感想を持ってしまったからである。
そこを狙っておられるのなら超高等戦術であるが、そうではなさそうだ。

nice!(5)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

2月の読書記録 [読書記録]

2月に読んだ本は以下のとおり。

2月1日 「林業入門」 関岡 東生
2月2日 「はなぼん」 花井 裕一郎
2月3日 「空気のつくり方」 池田 純
2月4日 「ノーベル経済学賞」 根井 雅弘
2月5日 「経理部は見ている。」 楠木 新
2月6日 「女子の人間関係」 水島 広子
2月7日 「クール・ジャパン!?」 鴻上 尚史
2月8日 「商品企画のきほん」 末吉 孝生
2月9日 「市民自治」 福嶋 浩彦
2月10日 「奇跡の中学校」 佐藤 淳一
2月11日 「凶犯」 張 平
2月12日 「楽天の研究」 山口 敦雄
2月13日 「リーダーシップ論集中講義」 小野 善生
2月14日 「人間の旬」 大村 智
2月15日 「バフェットとソロス 勝利の投資学」 マーク・ティアー
2月16日 「地域再生の失敗学」 飯田 泰之 編
2月17日 「クラウドファンディングで夢をかなえる本」 板越 ジョージ
2月18日 「メディアの予言者」 服部 桂
2月19日 「全盲の僕が弁護士になった理由」 大胡田 誠
2月20日 「トンデモ本の世界 X」 と学会
2月21日 「100問100答 新地方公会計統一基準」 鈴木 豊
2月22日 「棋士の一分」 橋本 崇載
2月23日 「財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済」 上念 司
2月24日 「だから、あなたも生き抜いて」 大平 光代
2月25日 「地方財政のヒミツ」 小西 砂千夫
2月26日 「産まなくても、育てられます」 後藤 絵里
2月27日 「株大全」
2月28日 「マグロ大王」 木村 清

「はなぼん」は、小布施の図書館「まちとしょテラソ」で、公募による館長となった花井裕一郎さんによるもの。図書館の新しい形がほの見える。図書館を単に本を貸すだけのところにしてしまったらもったいない。

「クール・ジャパン!?」を書いた鴻上尚史さんは、NHK BSの人気番組『cool japan』の司会を務めておられる。日本を礼賛する内容ではなく、クールに日本を眺め、世界の中の日本を見つめ直されている。売り込むばかりではなく、きちんと周りを見ることも大切。

「凶犯」の張平さんは、中国の作家。とあるビブリオバトルで紹介されていたことから、この本を知った。中国社会の暗部を背景にした、ゴチゴチのハードボイルド。読み応えあり。

大平光代さんの「だから、あなたも生き抜いて」は何年振りかでの再読。いや、ほんと、あきらめたらあきません。しっかり生きていかななあ、と今回も思った。

nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

書評 「『宇宙戦艦ヤマト』をつくった男 西崎義展の狂気」 [読書記録]

「『宇宙戦艦ヤマト』をつくった男 西崎義展の狂気」を読んだ。
西崎さんは、2010年に亡くなった映画プロデューサー。
ヤマトの生みの親として有名である。
「宇宙戦艦ヤマト」は、1974年の放送。
しかし、本放送の視聴率は振るわず打ち切りになってしまっている。
人気に火が付いたのは再放送から。
その後、大ブームとなり、映画もアニメの歴史を変えるヒットとなった。

私は西崎さんがどんな方だったのかほとんど知らなかったので、この本は驚きの連続だった。
タイトルに「狂気」とあるが、そういう言葉が大げさに聞こえない波乱の人生である。
アニメ制作者というより、山師という感じである。
本人もそう言われることは本望ではないだろうか。
命を燃やせる何かを見つけては、そこに全身全霊をぶつけていく。
まわりの人にどんな迷惑が掛かっても、知ったことではない。

ヤマトが生まれ、ヒットしたのも、西崎さんの狂気があってこそであったようだ。
本人はアニメーターでも監督でもないのに、とんでもないこだわりで作品を作り上げていった。
後年になって、松本零士さんをはじめ、大切なスタッフがどんどん離れていってしまうように、人格にはいろいろと問題があったようだが、「仲良しこよしでいい映画ができたらいいね」という人では、決してヤマトは生まれなかった。
歴史が変わる裏には、とんでもない人がいる。

ヤマトがなければ、ガンダムもなく、エヴァンゲリオンもない。
エヴァがないということは、シン・ゴジラもなかったことになる。
別になくても構わないという人も大勢いるだろうが、なくては困る人も大勢いる。

まわりの人はたまらなかっただろうが、映像作品を作る人には西崎さんとまでは行かなくても、狂気や執念を持ち合わせていてほしい気がする。
マーケティングして、ターゲットを決めて、角を取った規格品を出す作品ばかりになってしまったら、映画やテレビはどんどんつまらなくなる。

ヤマトを知っている人にはもちろん、知らない人にもぜひお読みいただきたい一冊である。
こんな人がいたんだ、と目を開かれる。

nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

書評 「どアホノミクスの正体」 [読書記録]

はじめに断っておきたいのだが、
私は自国の首相のことを呼び捨てにしたり、馬鹿呼ばわりしたり、その政策のことを「どアホ」とさげすんだりする人のいうことを基本的に信じない。
そういうことをおっしゃる方を絶対に好きになれない。
ただ、読んでみないとわからないということもある。
人格的には尊敬できない人たちであっても、ひょっとしたら経済学的には鋭い洞察があるかもしれない。
こうしたタイトルの本を買うことは恥ずかしくもあったし、売り上げに貢献することに忸怩たる思いもあったが、とにかく読んでみないと批判もできない。
目が開かれる可能性だってなくはない。

著者は、佐高信さんと浜矩子さん。
「過激な論客ふたりが初めて手を組んだ!」
とあるが、いつでもなんでも政権に反対されているお二人なので意外性はない。

さて、帯には経済学っぽいことが書いてあったので、そのつもりで読み始めたのだが、第1章からいきなり「アホノミクスは戦争国家をつくる政策である」と来て、失礼ながらちょっと笑ってしまった。
「あ、そういうことね」
という感じである。
経済学的にどうか、金融政策の効果がどうか、三本の矢の実効性がどうか、
ではなく、まあとにかくそっちなのか。
お二人によれば、
「安倍の目的は軍備増強と富国強兵」
「私たちの批判の照準はここに絞られるべき」
らしく、はなから経済学的に評価しようとはされていない。
はあ・・・。

経済学的っぽい箇所では、
「政府と日本銀行が同じ方向を向いていてはいけない」
とか、
「インフレターゲットは、インフレを抑制するためにのみ使うべき」
とか、
「え、いまだにそんなことをおっしゃる方が」
と思わせる論法が続く。
驚くが、特に理論的な裏付けも何もないので、目を開かれることはない。
お二人がお嫌いなはずの精神論的な感じである。

「人々はマイナス金利が導入された途端に金庫を買って、そこに現金を詰め込むという自己防衛手段に出ている」
などと話されているのだが、お二人の周りには一体どんな方がおられるのだろう。
また、お二人は株をまったくやらないのだという。
見たこともない、縁遠いとして、それを誇っておられるようである。
株を知らずに経済を語られるというのも、なんというか気楽なものである。

人にはいろいろな考え方があっていいし、アベノミクスへの賛成反対もあってしかるべきだが、お二人は個人の人格攻撃が過ぎる。
安倍総理のほか、竹中平蔵氏などにもそれは向けられるのだが、公の場で、ここまで人をあしざまに言えることの品性が疑われる。
しかし読み進めるうち、批判にさらされている方々より、口汚く罵っておられる著者のお二人の方が気の毒に思えてくるから不思議である。
浜さんは
「カトリック信者であり、人の痛みと自分の痛みのように受け止められるかが試金石」
などとおっしゃっているのだが、ここまでくるとブーメランとして自分たちに帰って来るというより、ほとんどギャグである。

どんな本でも読んでみないとわからないから、この本を読んでしまったことに後悔はないが、経済学的に得るものはなかった。
もう少し真面目にアベノミクスに反対されているのかと思ったのだが、「とにかくイヤなの」という感じにしか受け取れなかった。
こうした内容の本を出されてしまうことが、かえってキチンと安倍内閣の経済政策を批判しようとされている方の足を引っ張ってしまうのではないかなどと余計な心配をしてしまうが、そんなことを気にされるお二人ではないだろう。

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

1月の読書記録 [読書記録]

1月に読んだ本は以下のとおり。

1月1日 「学校では教えない社会人のための現代史」 池上 彰
1月2日 「自治体職員が知っておきたい財務の知識」 大塚 康男
1月3日 「すごいインドビジネス」 サンジーク・スインハ
1月4日 「新地方財政調整制度論」 石原 信雄
1月5日 「イップスかもしれないと思ったらまず読む本」 河野 昭典
1月6日 「芸人最強社会ニッポン」 太田 省一
1月7日 「北方領土問題の内幕」 若宮 啓文
1月8日 「環境と経済がまわる森の国 ドイツ」 森 まゆみ
1月9日 「公務員1年目の教科書」 堤 直規
1月10日 「まちづくりの仕事ガイドブック」 饗庭 伸 ほか
1月11日 「黒澤明の映画入門」 都築 政昭
1月12日 「狂言でござる」 南原 清隆
1月13日 「憲法の想像力」 木村 草太
1月14日 「日本はなぜ貧しい人が多いのか」 原田 泰
1月15日 「10万円で買える爆騰株」
1月16日 「パックマンのゲーム学入門」 岩谷 徹
1月17日 「記憶力を高める科学」 榎本 博明
1月18日 「PDCAプロフェッショナル」 稲田 将人
1月19日 「世界一やさしい問題解決の授業」 渡辺 健介
1月20日 「勝ち続ける意志力」 梅原 大吾
1月21日 「世界の国ぐに」 板倉 聖宣
1月22日 「失敗学のすすめ」 畑村 洋太郎
1月23日 「財政のしくみがわかる本」 神野 直彦
1月24日 「いちばんやさしい地方議会の本」 野村 憲一
1月25日 「知っておきたいインプラント」 水木 信之
1月26日 「悩みどころと逃げどころ」 ちきりん・梅原 大吾
1月27日 「日本の敵」 渡部 昇一・馬渕 睦夫
1月28日 「人口と日本経済」 吉川 洋
1月29日 「自治体の財政担当になったら読む本」 定野 司
1月30日 「平戸市はなぜふるさと納税で日本一になれたのか?」 黒田 成彦
1月31日 「ザ・粉飾」 山口 義正

「学校では教えない社会人のための現代史」は、テレビ出版にと超売れっ子の池上彰さんによる、わかりやすい現代史の本。改めて気づかされたり思い出させられたりして、ためになった。池上さん、いつ寝ているんだろう。たまたま同じ時期に、若宮啓文さんの「北方領土問題の内幕」も読んだので、なおさら「ふうむ」と思った。

「黒澤明の映画入門」では、黒澤明監督の人となりやエピソードとともに、いろいろな黒澤が紹介されている。黒澤作品が無性に見たくなり、衝動的に、「生きる」のDVDを買ってしまった。まだ、見ていないけれど。

「勝ち続ける意志力」を書いた梅原大吾さんは、世界で活躍する格闘系のプロゲーマー。この本には、好きなことを見つけること、好きなことで生きていくこと、の喜びと苦しみが書かれている。学生にも、職業人にも、すべての人にお勧めの一冊。

吉川洋さんの「人口と日本経済」は、人口減少が日本経済に与える影響について考察したもの。経済学的には、人口減がイコール経済低迷とはならないというのだが、なかなか明るい展望が持ちにくいのも事実。

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

書評 「棋士の一分 将棋界が変わるには」「不屈の棋士」 [読書記録]

昨年末から年初にかけて、将棋界を大きく揺るがす事件が起きた。
大雑把な流れはこんな感じである。
・三浦弘行九段に対して、対局中の将棋ソフト使用による不正の疑いが指摘される。
・三浦九段はソフトの使用を否定したが、将棋連盟は三浦九段を出場停止処分とし、竜王戦の挑戦者を丸山忠久九段に変更。
・第三者調査委員会が調査した結果、「不正行為に及んでいたと認めるに足りる証拠はないと判断した」と結論し、丸山九段への出場停止処分は冤罪と確定。
・日本将棋連盟の谷川浩司会長が辞任を発表。

竜王というタイトルは、一般的な知名度は「名人」や「王将」より低いかもしれないが、実際には非常に格式が高い。
名人と並び称される位置にあり、賞金面ではナンバーワンである。
三浦九段は、その挑戦権をはく奪されたわけであり、損害は測り知れない。
しかし、将棋界が受けたダメージは、それをはるかに上回るものだろう。
結局無実とされたが、今回の騒動で一般の人が持ったイメージは、
「将棋のプロがカンニングかあ」
「将棋のプロって、コンピューターに次の手を教わっているんだ」
「スマホを持って戦えば、誰でもプロに勝てるんだ」
といった感じだっただろう。

私は、将棋ファンではない。
ルールくらいはわかるし、
羽生さんをはじめ、渡辺さん、佐藤さん、森内さんといった一流棋士の名前は知っているし、
加藤一二三さんのいろいろな伝説も聞いたことがあるし、
「聖の青春」を読んで涙を流し、映画も観に行ったし、
子供の頃、新聞の将棋ランを見てわかりもしないのに大内延介さんを勝手に応援していたこともあったが、
ファンと言えるようなレベルではない。
だから、今回のことも野次馬気分で眺めていた。
書店で、「棋士の一分 将棋界が変わるには」を見かけたときも、「へえ、ハッシーが本書いたんだ」という感じだった。
ハッシーとは、この本の著者である橋本崇載さんのニックネームである。
将棋ファンではない私が、なぜタイトルホルダーでもない彼のことを知っているかというと、その個性的な振る舞いによってである。
特に、NHK杯テレビ将棋トーナメントで抱負を述べる際のはじけ方は、棋士という枠を超えて話題を呼んだ。
動画はこちらで https://www.youtube.com/watch?v=eRHXu7kQu3g

だから、「棋士の一分」にも、ハッシーがパフォーマンスの裏で考えていることや、これからの目標、将棋界に言いたいことなどが、面白おかしく、それでいて鋭く書かれているものと思った。
しかし、内容はほぼ全編、将棋界とコンピューターとの接し方についての持論に終始していた。
つづめて言うと、将棋界はコンピューターに関わるな、ということになろうかと思う。
一つの見識とは思うが、その話ばかりなので、正直なところ興味を持ち続けるのが難しく、本としてはイマイチな感じだった。

「棋士の一分」読了後、三浦九段に関する出来事で騒ぎが広がってもいたので、もう少し将棋とコンピューターのかかわりについて知りたくなった。
そこで、読み始めたのが、大川慎太郎さんによる「不屈の棋士」である。
大川さんは将棋記者であり、長く将棋界を見つめておられる。
インタビューによって構成されているこの本には、11人の棋士が登場してくる。
すなわち、羽生善治、渡辺 明、勝又清和、西尾 明、千田翔太、山崎隆之、村山慈明、森内俊之、糸谷哲郎、佐藤康光、行方尚史といった面々である。
羽生さんと渡辺さんは、最強棋士として、コンピューターには絶対負けられない立場からの発言をされている。
勝又さん、西尾さん、千田さんはソフトを使いこなす最前線の棋士として、
その他の人たちも、それぞれの立場からコンピューターについて述べている。
はっきりしているのは、コンピューターはトップ棋士のレベルに完全に追いついていること、一手一手「評価値」というものが出され、好手か悪手か、すぐにコンピューターが判断する時代になっていること、であった。
また、コンピューター将棋が人間を超えることによって、棋士の存在価値が脅かされていること、その点についての考え方が、棋士によって異なっていること、がよくわかった。
今回の騒動に心を動かされた人であれば、将棋に関心がある人もない人にもおすすめの一冊である。
プロに対するインタビュー集として、将棋という世界を離れても、十分に楽しめた。

さて、チェスではとっくに人間はコンピューターに敗れているが、それでチェスが廃れたとも聞いていない。
将棋も、同じだと思う。
将棋が廃れるとしたら、きっと別の要因である。
コンピューターに負けるかどうかではなく、プロとして見るに値するような戦いを見せ続けられるかどうかによって、将棋界の未来は決まって来る。
プロには、勝ち負けや強弱を超えた何かが必要である。
また、世代や性別や国境を超えた普及も必要になってくるだろう。

日曜の午前、Eテレで将棋番組が放送されている。
特に見はしないのだが、なんとなく安心する。
ずっと残ってほしいし、残り続けると思う。

nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

書評 「いまさら翼といわれても」 [読書記録]

この本の著者は、米澤穂信さん。
米澤さんは、過去3年間で、
「このミステリーがすごい!」ランキングで1位、1位、3位、
「ミステリが読みたい!」ランキングで1位、1位、1位
となるなど、日本推理作家の頂点にいるような存在になっている。

本作は、著者の原点とでも言うべき「古典部シリーズ」の最新作。
アニメ化された作品であり、2017年に実写映画が公開されることから、「氷菓」の原作といった方が通りがいいだろうか。
私は、古典部シリーズは、原作もアニメも両方大好きである。
原作が好きな場合、アニメ化ではがっかりすることが多いが、「氷菓」ではまったくそんなことはなかった。
別の作品としてすっくと立ち、ずっと心に残っている。
実写版はほぼコケると予想しているが、それでも必ず観に行くつもりである。
高山の風景が見られればそれだけでもうれしい。

本作「いまさら翼といわれても」では、古典部のメンバーである、主人公の折木奉太郎、ヒロインの千反田える、中学校からの友人、福部里志と伊原摩耶花の4人は高校2年生になっている。
そして、高校生活を一年過ごしたことで、少し変化し、成長しているようにうかがえる。
登場人物の成長を感じられるところは、ずっと読み続けている小説の嬉しいところである。

もともと古典部シリーズは、「日常の謎」を主人公の折木がやる気ありそでなさそで解いていくストーリーであり、本作もその流れを引き継いでいる。
ただし、本作には6編が収められているのだが、中には折木以外が謎を解くパターンもある。
また、ヒロインである千反田の登場が比較的少なく感じられるのも特徴だろうか。

私はこの本を、十分に楽しんだ。
どんどん読みたいのだが、読み終わってしまうのがなんとなく惜しくて、わざとゆっくり読んだり、間をあけたりした。
謎解きの楽しみがあるのはもちろんだが、
高校時代の甘酸っぱくほろ苦い感覚がよみがえるのも古典部シリーズの醍醐味である。

さて、先にも書いたが、今年は実写版が公開される予定である。
キャスト発表の段階から、原作ファン・アニメファンから、多くの心配の声が上がっている。
はじめ、千反田役に剛力彩芽さんがキャスティングされたとの情報が流れたときには、悲鳴にも近い声が満ちていた。
結局、折木奉太郎は山崎賢人さんが、千反田えるは広瀬アリスさんが演じることになった。
こちらもやはり批判の声が上がっているようだが、完ぺきなキャストなどありえないのだから、どこかで折り合いをつけるしかない。
年齢やイメージから、アリスの千反田は違うだろうと思う人は多いだろうが、もう決まったことである。
私にできるのは、いい作品であることを祈ることだけである。
もちろん、失敗する確率の方が圧倒的に高いことは重々承知しているが、世の中には奇跡ということもあるから。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

12月の読書記録 [読書記録]

12月に読んだ本は、以下のとおり。

12月1日 「ダンゴムシに心はあるのか」 森山 徹
12月2日 「圏外編集者」 都築 響一
12月3日 「就活と日本社会」 常見 陽平
12月4日 「たった3時間でプロ並みにチャートが読めるようになる」 間地 秀三
12月5日 「ネバーギブアップ」 田中 佑季明
12月6日 「観光学事始め」 井口 貢 編
12月7日 「受験必要論」 林 修
12月8日 「笑う警官」 佐々木 譲
12月9日 「観光学ガイドブック」 大橋 昭一 他
12月10日 「弱いつながり」 東 浩紀
12月11日 「未来の働き方を考えよう」 ちきりん
12月12日 「巨人軍闇の深層」 西崎 伸彦
12月13日 「レインツリーの国」 有川 浩
12月14日 「奇跡を考える」 村上 陽一郎
12月15日 「林修の仕事原論」
12月16日 「電気は自給があたりまえオフグリッドで原発のいらない暮らしへ」
12月17日 「そうじ資本主義」 大森 信
12月18日 「吉宗と宗春」 海音寺 潮五郎
12月19日 「世界遺産 必ず知っておきたい150選」
12月20日 「戦略的思考とは何か」 岡崎 久彦
12月21日 「世界を救う7人の日本人」 池上 彰
12月22日 「珈琲に遊ぶ」 川中 幸博
12月23日 「この国を出よ」 大前 研一、柳井 正
12月24日 「鋼のメンタル」 百田 尚樹
12月25日 「検察を支配する悪魔」 田原 総一朗、田中 森一
12月26日 「スッキリわかる!自治体財政のきほん」 武田 正孝
12月27日 「東京すみっこごはん」 成田 名璃子
12月28日 「経済と経営を楽しむためのストーリー」 学習院大学
12月29日 「1枚企画書の書き方」 藤木 俊明
12月30日 「反メディア論」 青木 理、森 達也
12月31日 「ホセ・ムヒカ」 国際情勢研究会

林修さんの「受験必要論」は、なかなか刺激的な本。バラエティでの顔とは違う、厳しい予備校講師の一面がうかがえる。書かれている内容は、言いたいけど言えない正論が多く、受験生にとっては耳が痛いかもしれない。

有川浩さんの「レインツリーの国」には感心させられた。耳に障害がある女の子恋愛が描かれていて、どうしても甘くなりそうなテーマなのに、そちらに流れてはいない。いい意味で予想を裏切る作品だった。

私が本をそれなりにたくさん読んでいると知った人から、
「そんなに読んで、全部内容を覚えているのか?」
といった質問をいただくことがある。
書かれた方には申し訳ないが、一冊一冊鮮明に覚えているわけではない。
いや、むしろすっかり忘れてしまっている本の方が多いと認めざるを得ない。
しかし、読んで、特になんとも思わない本の内容をしっかり覚えておく必要もないと思っている。
2017年も同じようなペースで読むのだろうと思うが、ぜひ読み終わるのが惜しくなるような本に数多く巡り会いたいと願っている。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

11月の読書記録 [読書記録]

11月に読んだ本は以下のとおり。

11月1日 「地域産業の現場を行く」 関 満博
11月2日 「自治体がひらく日本の移民政策」 毛受 敏浩
11月3日 「鈴木さんにも分かるネットの未来」 川上 量生
11月4日 「悪夢の観覧車」 木下 半太
11月5日 「地方創世の罠」 山田 順
11月6日 「独立不羈」 天毛 伸一
11月7日 「大事なことほど小声でささやく」 森沢 明夫
11月8日 「プロの資料作成力」 清水 久三子
11月9日 「絆のはなし」 伊坂 幸太郎、斉藤 和義
11月10日 「面白くて眠れなくなる物理」 左巻 健男
11月11日 「沖縄と本土」 朝日新聞出版
11月12日 「プチ哲学」 佐藤 雅彦
11月13日 「炎の言霊 島本和彦名言集」
11月14日 「本物の英語力」 鳥飼 玖美子
11月15日 「保育園に入ろう!」 山下 真実
11月16日 「日本人として知っておきたい皇室のこと」 日本会議
11月17日 「日本が流山になる日」 井崎 義治
11月18日 「松明は自分の手で」 藤沢 武夫
11月19日 「鏡の法則」 野口 嘉則
11月20日 「悪名の棺 笹川良一伝」 工藤 美代子
11月21日 「The Split History of the American Revolution」 Michael Burgan
11月22日 「幻獣ムべンべを追え」 高野 秀行
11月23日 「不思議なお金」 赤瀬川 原平
11月24日 「これでわかったビットコイン」 斉藤 賢爾
11月25日 「円卓の地域主義」 牧野 光朗
11月26日 「新訳 原因と結果の法則」 ジェームス・アレン
11月27日 「ヴォーカル」 福島 英
11月28日 「交渉がうまくなる問いかけの技術」 小前 俊哉
11月29日 「三毛猫ホームズのあの日までその日から」 赤川 次郎
11月30日 「コチャレ」 上上岡 トメ

ドワンゴの川上量生さんによる「鈴木さんにも分かるネットの未来」は、 ネット社会の現状と未来について、自身の意見をまじえながら分かりやすく書いたもの。「鈴木さん」とは、川上さんが弟子入りされているスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーのこと。面白くて深い考察になっている。

木下半太さんの「悪夢の観覧車」は、痛快エンタテインメント。辻褄とかなんとかややこしいことは置いておいて、楽しむに限る。

「絆のはなし」は、伊坂幸太郎さんと斉藤和義さんの対談。
伊坂さんが作家一本で行こうと決めたきっかけが斉藤さんの歌だったという。そして、伊坂さんの小説が映画化される際には、斉藤さんが音楽を担当されている。素敵な絆のはなしである。

高野秀行さんの「幻獣ムべンべを追え」は、若さあふれるノンフィクション。こういう無意味な冒険が、人を新しいステージに連れて行ってくれる。元気と勇気をもらえる一冊。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事
前の10件 | - 読書記録 ブログトップ
メッセージを送る