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映画評 「ハクソー・リッジ」 [映画評]

実話に基づいていようといまいと、映画になったらそれはそれで一つの作品である。
だから、あまりリアリティがなくても構わない。
細かいことをあげつらい始めると、映画として楽しめなくなる。
それは重々承知しているのだが、戦争映画であって「実話に基づく」が宣伝文句とされているとなるとつい気になってしまう。
日本とアメリカの戦争ならなおさらである。

本作は、アメリカ軍が、ハクソー・リッジ(前田高地)という崖を攻略せんとする戦いがメインで、そのシーンが延々と続く。
怪我の様子はリアルなのだが、肝心の戦いぶりはなんだか変で、最後までなじめなかった。
アメリカ兵が、相手がどこにいるかもわからないのにガンガン突っ込んでいくのだが、本当にあんな戦いぶりだったのだろうか。
戦闘機が全く出てこないのだが、なぜなのだろうか。

あらすじは、
「第2次世界大戦中に銃を持たずに戦地入りし、多くの負傷した兵士を救った実在の人物をモデルに奇跡の逸話を描く」
というものだが、民間人も含め、何十万人もの日本人が殺された沖縄戦で、アメリカの負傷兵を助けた人を英雄として観ることは、感情的にはちょっと難しいものがあった。
そういえば、本作の舞台が沖縄であることは、ほとんど宣伝されていない。
映画会社的には、あまり広めたくないことなのだろうか。

監督は、『ブレイブハート』でオスカーを手にしているメル・ギブソン。
「ブレイブハート」は好きだったが、今作は戦争シーン以外でももう少し丁寧に描いた方がよかったように思うところがいくつもあった。
主人公が、なぜそこまで信心深くなったのか、描かれてはいるものの今一つピンと来ない。
彼の恋も唐突過ぎて、ポカンである。
主演は、「沈黙 -サイレンス-」にも出ていたアンドリューガーフィールド
極限状態において、何も言わない神に答えを求めるさまは両作品に共通していた。
深みは、「沈黙」の方がずっとあったと思うけれど。

本作に関しては、戦場のシーンがリアル、という声が多い。
「プライベート・ライアン」を超えたとの意見もある。
足が切断されたり、内臓が出ていたりといった、キツイシーンもあるが、そこを逃げずに表現していることは伝わった。
それだけをもって、映画としての評価が高くなるというものでもないが。

「ハクソー・リッジ」は、好評上映中である。
戦争の愚かさ・悲惨さ、信念を守ることの大切さ、
などが伝わってくるという感想も多い。
しかし、個人的には、ほとんどピンと来なかった。
こういう映画は褒める方が無難なのだが、
理解も感情移入もできず、長く退屈してしまったことを告白せざるを得ない。

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「史上最高の映画」を選ぶ贅沢  ~ イギリスの映画雑誌「エンパイア」の読者投票結果を楽しむ ~ [映画評]

イギリス映画雑誌エンパイア」が読者投票による「史上最高の映画100本」を発表した。
1位は、1972年公開の「ゴッドファーザー」。
日本映画は、黒澤明監督の『七人の侍』が73位、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』が80位の2本のみのエントリーだったという。

こうしたランキングには、異論が百出する。
今回の発表にも「それを選ぶならこっちだろう」とか「そもそもインド映画が全然入っていないのはおかしい」とか、どかどか意見が出そうだ。
ちなみに、上位20作品は以下のとおりであるが、「ローマの休日」や「風と共に去りぬ」「市民ケーン」といった定番の名画が入っていないのも、オールドファンからすれば納得できないかもしれない。

1.「ゴッドファーザー」(1972)
2.「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」(1980)
3.「ダークナイト」(2008)
4.「ショーシャンクの空に」(1994)
5.「パルプ・フィクション」(1994)
6.「グッドフェローズ」(1990)
7.「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」(1981)
8.「ジョーズ」(1975)
9.「スター・ウォーズ」(1977)
10.「ロード・オブ・ザ・リング」(2001)
11.「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985)
12.「ゴッドファーザーPARTII」(1974)
13.「ブレードランナー」(1982)
14.「エイリアン」(1979)
15.「エイリアン2」(1986)
16.「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」(2003)
17.「ファイト・クラブ」(1999)
18.「インセプション」(2010)
19.「ジュラシック・パーク」(1993)
20.「ダイ・ハード」(1988)

ほとんど観ているし、好きな映画ばかりだが、17位の「ファイト・クラブ」には、いやいやデビッド・フィンチャー入れるんなら「セブン」の方でしょう、とか、「ジュラシック・パーク」ってそんなに良かったっけ、とかいろいろ思ったりもする。
しかしまあ、あまり深刻に考えずに「ふうん」と眺め、そう言えばこの映画はああだった、このころ自分はこうだったなどと思い出せばいい。
そうやって楽しめれば、この順位を眺めること自体、贅沢な時間になる。

ここに選ばれるような映画だから、観ていれば必ずなんらかの感慨がある。
風景、空気ごと思い出せる。
観る前のわくわくした時間、
観ている最中の夢中な時間、
観終わった後の自分の中でかみしめる時間と、
自分以外の人の評価を確かめる時間。
いい映画は、時を超えて喜びを与えてくれる。

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映画評 「TAP THE LAST SHOW」 [映画評]

この映画を監督されたのは水谷豊さん。
超大物俳優である水谷さんが40年越しで温めてきた企画だという。
俳優出身の映画監督というと、ハリウッドではクリント・イーストウッドの名前が浮かぶ。
メル・ギブソンもそうだ。
日本では、伊丹十三さんが代表だろうか。
竹中直人さんも評価が高い。
一方、イタイ作品を残して早々に撤退された方も少なくない。

映画に携わっている以上、自分の作品を作りたい、という欲求はふつふつと湧いてくるものだろう。
映画において、俳優の位置は非常に重要で、実際の収入も監督よりはるかに多いだろうが、結局映画は監督のものである。
撮りたい、という気持ちになるのもよくわかる。
しかし、俳優として才能がある方が、監督して才能があるとは限らない。
むしろ、ない方が多いだろう。

俳優として功成り名遂げた水谷さん。
64歳にして初めて監督をされるというのは、大きな賭けだったと思う。
駄作を生んでしまったら、大いに叩かれていただろう。
しかし、水谷さんは、その賭けに勝たれた。
実にいい映画を作られた。

あらすじは、
天才タップダンサーの渡(水谷さんが演じられる)は、舞台での事故で引退を余儀なくされ、酒浸りの生活を送っていた。ある日、付き合いの長い劇場支配人の毛利から、有終の美を飾るラストショーの演出を依頼される。
それぞれの事情を抱える若いダンサーたちとの厳しいレッスンが始まり・・・
という感じである。

劇場支配人を岸部一徳さんが演じられているが、多くの登場人物は実際のダンサー。
そのため、正直なところ芝居は微妙なところもあるのだが、タップは圧巻。
本作は、若者たちの這い上がりストーリーでもあるので、演技の粗削り感もかえって味になっている。

いろいろと障害が生じ、ショーの開催に大きな暗雲が垂れ込める。
しかし、なんやかんやありつつ、ラストにタップのショーが開かれることは、観る前からみんな了解している。
そこで、大団円を迎えることもわかっている。
だから、完全な予定調和なのだが、嫌な感じは全くない。
主要登場人物の背景もちゃんと描かれているので、思う存分感情移入できる。
描き方が甘かったり、ご都合主義だったり、時代錯誤だったりと、ツッコミどころも少なくないのだが、意思を持って作られていることが伝わってきて気持ちがいい。

出演陣では、劇場の事務員役をされていた、さなさんがよかった。
全く知らなかったが、この方、ダンスユニットを組まれていたり、お笑いコンビを組まれていたり、R-1グランプリに出たりされているらしい。

「TAP THE LAST SHOW」は、観るに値する映画である。
水谷さんのファンはもちろん、
ダンスファンの方、映画ファンの方も、迷わず足を運んでいただきたい。
完璧な映画とはほど遠く、ここをこうしたらという点も多々あったのだが、欠点を超越する熱量がある。
「相棒」の撮影などでご多忙のこととは思うが、次回作にも期待である。

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映画評 「22年目の告白-私が殺人犯です-」 [映画評]

映画のあらすじは、
「未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件の犯人が殺人に関する手記を出版し、日本中が大騒動になる。しかし、真犯人をめぐる新たな展開も生まれて・・・」
というもの。
藤原竜也さんが、殺人犯を名乗り出た人の役を、
伊藤英明さんが、犯人を追う刑事の役を、
仲村トオルさんが、事件を取材する記者の役を演じておられる。

藤原さんが演じれば、基本どんな映画でも面白くなる。
本作も、怪しい魅力でぐいぐい引っ張っていく。
伊藤さんのキレる演技にも力がある。
演出のテンポもよく、前半は快調だった。
テーマがテーマだけにグロいシーンもあるのだが、映画としてきちんとできているので、嫌悪感を持つことはない。

しかし残念ながら、後半になって完全に失速した。
最後の三十分くらいは、それまで積み上げてきたものを台無しにするためにあるような時間となってしまった。
展開は読めるし、登場人物の行動はへんてこりんだし。
2時間まとめ切るのは、本当に難しい。

監督は、脚本も手掛けられた入江悠さん。
入江さんの作品では、「日々ロック」が散々だったが、なんといっても「サイタマノラッパー」という傑作が忘れがたい。
本作は、「サイタマノ」とは全く違う作風をきっちり撮られていて、さすがの才気を感じる。
それだけに後半が残念ではあったが、徹頭徹尾つまらないという映画も少なくないから、前半を楽しませていただけただけでもよしとしよう。

「22年目の告白-私が殺人犯です-」は、惜しい映画。
藤原竜也さんと伊藤英明さんの共演は力強く、あと二頑張りくらいすれば、傑作になる可能性もあった。
しかし、全体として雰囲気はあるし、仲村トオルさんを含め、役者陣の演技を観るのも楽しく、謎解き要素もあるから、とてつもない作品かもしれないといった妙な期待さえ持たなければ十分に楽しめると思う。

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映画評 「家族はつらいよ2」 [映画評]

前作「家族はつらいよ」は未見。
きっと面白いのだろうと思いつつ、ハズレを覚悟で若い人の作る日本映画を選んでいた。
今作も観るつもりはなかったのだが、是非という家族がいたために鑑賞することに。

山田洋次監督が、「つらいよ」という以上、当然いい作品になるのだろうと思っていた。
うまくいけば、「あ~、面白かった。やっぱ最高」
悪くても「いや、確かに面白いけれども、残るものはないなあ」
という感じを予想した。
しかし、そうして期待することは、「観る前にハードルを上げてはならない」という映画を楽しく観るための鉄則を踏み外すことになる。
鉄則を外すと、往々にして無残なことになる。

なんというか、どうにも退屈だった。
もちろん、大波乱が起きることは期待していないが、それにしても時間を持て余す。
橋爪功さん演じるお父さんが偏屈過ぎるのも気になる。
愛すべき頑固さ、というのではなく、単に性格の悪いおじいさんにしか見えない。
最初から最後まで。
観続けるのが辛くなるくらい。

私には笑えるところはほとんどなかったのだが、年配の方が多く来られていた客席はちょっとしたシーンで簡単に笑っていた。
それがいいんだか、悪いんだか。

俳優陣は、演技に定評のある方ばかりであり、皆さんしっかり演じられているのだが、いかんせんの脚本であり、胸に届くものはない。
蒼井優さんの可憐さだけが救い。

「家族はつらいよ2」を観るのはつらかった。
長い2時間だった。
「男はつらいよ」的な爽快感を求めて観に行くと、がっかりということになるからお気をつけいただきたい。
では、何を求めて観に行けばいいのかというと、残念ながら私にはさっぱりわからない。
何が伝えたかったのかも、さっぱりわからない。
家族がつらいことなど、世界中の誰もが知っているわけであるし。

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映画評 「美しい星」 [映画評]

映画「美しい星」は、
三島由紀夫の原作を、
「桐島、部活やめるってよ」と「紙の月」で連続して評判をとった吉田大八監督が映像化したもの。
しかし、吉田監督も、こりゃまた、よりによってというか、難しい題材を選んだものである。

ネットで紹介されているストーリーはこんな感じ。
「突如自分たちは地球人ではなく宇宙人だと信じ込んだ平凡な一家が、美しい星・地球を救おうと大暴走するさまが展開する。
世界救済の使命に燃える火星人として覚醒した主人公はリリー・フランキー、水星人として目覚めた長男を亀梨和也、金星人として目覚めた長女を橋本愛、地球人のままの妻を中嶋朋子が演じる。」
なんのこっちゃ。

映画は、SFでもなく、ホームドラマでもなく、サスペンスでもなく、
どうにも居心地が悪い感じで進んでいく。
吉田監督は、このおさまりの悪さを狙っておられるのだとは思うが、商業映画としては正直厳しい。
一体何を見せられているんだ、
こんなの見ていて大丈夫なのか、自分、
などと問いかけながらスクリーンを追っていくことになる。
無難な作品に安住せず、挑戦を続けていく姿勢は素晴らしいと思うが、今回に関してはそれが成功しているとは言い難い。

役者陣は健闘。
リリー・フランキーの怪演ぶりは圧巻。
彼の演技でなんとか映画が成立した感さえある。
亀梨くんは、役柄も演技も微妙。
橋本愛さんは、その不思議な佇まいと役柄が合致していた。
お母さん役の中嶋朋子さんがよかった。
唯一の地球人として、怪しげな団体にやすやすとからめとられる悲しいさまを、淡々と演じられていた。

「美しい星」は、ほとんどカルト映画。
メジャー作品とは一線を画した独特の世界観が提示される。
わかりやすく、ポップな映画を期待していると火傷する。
今作に限っては、吉田監督の才気が裏目に出ている感が強いが、コツンと当てに行く作品よりはずっといい気もする。
とは言いながら、本作を人に勧める勇気は私にはないのだが・・・。

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映画評 「ちょっと今から仕事やめてくる」 [映画評]

主人公は、いわゆるブラック企業に勤めている。
そして、最後は、そこをやめる。
タイトルがそう言っている。
「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜」
もそうだったが、タイトルでオチを宣言するのがこのところの流行りなのだろうか。
その方が安心してみられる面もあるし、どんでん返しで驚かせるより、そこまでの流れをきっちり見せるという心意気もあるのかもしれない。

予告編で、ざっくり以下のようなストーリーであるとわかっていた。
疲れ切った若い会社員が電車にはねられそうになったところを、幼馴染をヤマモトと名乗る男に助けられる。
幼馴染みという彼に心当たりがなかったが、ネットで検索してみると、ヤマモトはすでに死んでいることがわかり・・・

映画を見に行く以上、予告編を超えた驚きがほしい。
予告編で知っている情報をなぞられても、どうとも思いようがない。
今作は、予想どおりの展開で物語は進み、謎のヤマモトの正体も、驚くほどの驚きのなさ。
残念ながら、予告編で想像した範囲を超えるものが見つからない。
「八日目の蝉」や「ソロモンの偽証」で知られる成島出さんの監督作品であり、手練れの演出でしっかり撮られているが、心が動くまでには至らなかった。

ブラック企業に勤めている若者を演じるのは、工藤阿須加さん。
ドラマや映画で、順調にキャリアを積まれていて、今作でもしっかり演じられている。
歩き方や一瞬の表情に、お父さんであるソフトバンク監督の工藤公康さんに似ているなあ、と思わせるところが多々あった。
謎の男ヤマモトを演じたのが福士蒼汰さん。
舞台挨拶において、監督の言葉に泣いてしまったくらいだから、かなり自分を追い込んだのだと思う。
大変失礼な話なのだが、途中までこのところスクリーンでお会いすることの多い中川大志さんだと思っていた。お二人は、どんどん似てくる。
パワハラ上司を演じる吉田鋼太郎さんが圧巻。
「帝一の國」でもぶっ飛んだ演技を披露されていたが、吉田さんが出ると画面がぐっと引き立つ。

「ちょっと今から仕事やめてくる」は、ブラック企業や若者の生き方・働き方という現代的課題に取り組んだ意欲作。
今年公開されるにふさわしい映画といえるだろう。
ただし、成島監督作品ということで、期待を大きくしてしまうと拍子抜けになる。
見ていて胸が痛くなるシーンや、胸に沁みるシーン、元気がでるシーンなどもあるのだが、全体の感想は薄味。
正直、物足りなかった。

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映画評 「夜空はいつでも最高密度の青色だ」 [映画評]

漫画原作全盛の映画界にあって、この作品の原作は、最果タヒさんの詩集。
詩が原作となっている映画を初めて見た。

映画の中でも、登場人物たちが詩のような言葉を折々つぶやく。
唐突感もあるが、都市の姿や彼らの心象風景と相まって、少しずつ積み重なっていく。
言葉がブツ切れに投げ出されているだけではなくちゃんとストーリーもあり、物語はきちんと終わっている。
途中アニメが挟まったりなど、いろいろな試みがなされている映画であるが、それに酔わずにエンタテインメントとしても成立させている。
石井裕也監督は、「舟を編む」などで高い評価を受けてきた方だが、今作の演出もさすがである。

ヒロインは、昼は看護師として働き、夜はガールズバーでホステスをしている。
知り合う男は、建築現場で明日の見えない日々を過ごしている。
二人は若いのだが、死の影を身近に感じている。
広く言えば恋愛映画と言えるのだと思うけれど、甘さは全くない。
それどころか、相手を切り刻みあっているかのような関係が続く。
苦しい。
しかし、最後はボーイ ミーツ ア ガール ストーリーとしてきっちり締めくくってくれた。
気持ちよかった。

ヒロインを演じた石橋静河さんが素晴らしい。
驚くくらいにはまっている。
これからグイグイ出てくる女優さんであろう。
お相手は、池松壮亮さん。
私の好きな俳優さんの一人だが、今作ではちょっと達者すぎるところが微妙だった気がした。

印象的なシーンは多いが、特に池松くんが髪飾りをプレゼントするシーンはよかった。
ぜひ、劇場で確かめていただきたい。

絶望し、厭世的になり、死と仲良くなり、恋愛のバカバカしさをしみじみ感じている二人。
それでも、恋に落ちる。
無意味とわかっていて、恋に落ちる。

エンディングテーマの、ザ・ミライズの「NEW WORLD」がピタリとはまっていた。
ひとつ間違ったら、独りよがりの気色悪い作品になっていたところだが、本作は見事に綱渡りを乗り切った。
私は、この映画が好きだ。

NEW WORLD のYouTubeはこちらから
https://www.youtube.com/watch?v=FXLz1d3EK40

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映画評 「メッセージ」 [映画評]

メッセージ」は、宇宙人との接触を描いた作品である。
しかし、映画に出てくるUFOの形がお菓子の「ばかうけ」に似ているとかで話題になり、今やそっちの盛り上がりが中心に。
映画の宣伝として、いいのか悪いのか。
まあ、話題にはなったが。ばかうけ.jpg


映画は、地球上に突然巨大UFOが現れるところから始まる。
しかも12機。
1機は北海道にも。
映画の中で、なぜその12か所が選ばれたのは不明だが、最も可能性があるのは雷が来なさそうなところであり、他にはシーナ・イーストンが流行った場所という説もあるとされる。
なんのこっちゃ。

アメリカのほか、中国、ロシア、日本など、いろいろな国が宇宙人と交流しようとするが当然のことながらなかなかうまくいかない。
主人公の女性は言語学者であり、そのために白羽の矢が立った。

面白そうな題材であるし、実際にちゃんと作られた映画であるとも思う。
しかし、なにぶんにも設定に無理があるし、とにかくややこしい。
時間を行ったり来たりする映画にありがちだが、話の矛盾に気がとられ、イマイチ映画に入りきれない。

ややこしい設定にせず、宇宙人と接触を試みる言語学者の話でよかったような気がする。
それではつまらない、もしくはありきたり、
と思われたのかもしれないが、無理くりな話を見せられても、という感はある。
主人公には娘との関係がトラウマのようになっていて、それが折々に蘇るのだが、効果を上げていたというより、進行を遮っていたように思えた。
ただし、最後にどんでん返しがあるし、そもそもここが作品のテーマだから端折るわけにはいかないのだけれど。

映画では、アメリカ以外の国で主導的に宇宙人と接するのは中国で、アメリカの関心も中国に集中している。
ロシアでも、もちろん日本でもなく、そういう時代なのだなあと感じる。

「メッセージ」は、かなり異色なSF映画。
宇宙人が登場するが、戦ったりはしないし、奇跡を次々に起こしたりもしない。
内省的な映画であり、観に行く側もそういう心構えをした方がいい。
宣伝では「ばかうけ」とコラボしているが、映画の内容にはそうした遊び心はないので、念のため。

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映画評 「ピーチガール」 [映画評]

「5分に1度、恋の事件が巻き起こる!急展開ラブストーリー」
が惹句となっている「ピーチガール」。
主な客層は、中学生の女子。
50過ぎたおっさんが一人で鑑賞している姿は奇異に映ったかもしれない。

本作は、例によって人気コミック映画化。
それらしく、初めから終わりまで、ドタバタのハチャメチャで、ストーリーは矛盾だらけ。
「おいおい」
「さすがにないだろう」
と思わせる展開が次から次へ。
しかし、のっけからぶっ飛んでいる世界観を提示してしまっているので、どれだけ話がとっちらかっても嫌な気はしない。
そういう映画だ、と宣言しながら進んでいるのだから、突っ込みは野暮である。
いくらなんでも、というエピソードも多々あったのだが、何もかも飲み込ませてしまうバカバカしさがあった。
これはこれでいいと思う。

主演は、山本美月さん。
山本さんは、日本の女優さんの中でもトップクラスの美形であると思う。
この映画でも、いろいろな服装で登場されており、その美しい姿を見るだけでもお金を払う価値がある。
ただ、いかんせん、高校生を演じられるのには年齢的に厳しいものがある。
今年26歳になられる山本さんには、大人の美しさが出てしまっていて、ドタバタ高校生役はちょっときつい。
2012年の「桐島、部活やめるってよ」は、作品としても素晴らしいが、キラキラ期の山本さんを映像に残したという功績もある。

恋敵役を演じられたのが、今メキメキ売り出し中の永野芽郁さん。
こちらは17歳で、まんま演じられる。
「俺物語!!」後、「ひるなかの流星」「PARKS パークス」「帝一の國」と次々に映画に出られている。
本作では、救いようのないくらいゲスな役であり、よく出演されたものだと思う。

お相手は、Hey! Say! JUMPの伊野尾慧くん。
彼も今年27歳だというが、高校生役がはまっていた。
このあたり、男と女の違いであろうか。

もう一人のお相手は、真剣佑さん、20歳。
真剣佑さんは、私の大好きな映画「ちはやふる」の主要キャスト。
彼を見るたびに、2018年公開の「ちはやふる」の続編まで、順調にキャリアを重ねてもらいたいと祈る。

他には、山本さんのお母さん役で、菊池桃子さんが出演されている。
ピーチだけに。
お綺麗と評判だが、まあ、菊池さんである。

「ピーチガール」は、気楽に観に行くには絶好の映画。
いわゆる「暇つぶし」にはもってこいである。
「暇つぶし」というと悪いイメージを持たれるかもしれないが、時間の無駄になる映画の方が多いから、これはこれでアリだと思う。
あんぐり口を開けて、素っ頓狂な物語を眺めよう。
主要キャストは、みなお綺麗だし。

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