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映画評 「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」 [映画評]

夜の9時過ぎ、急に映画が観たくなった。
そういえば近くの映画館で「マジンガーZ」をやっていたはず。
なんだか眠いが、思い切って家を出た。
しかし、私が見た映画スケジュールは前の日のもので、「マンジンガーZ」はやっていない。
せっかく夜に出てきたのにこのまま帰るのは癪だということで、
「ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ!」
を観た。

ちらっと見た予告編に、『セッション』でとんでもない鬼教官役を演じていたJ・K・シモンズの姿があったので、ほんのちょっと気になってはいた。
笑えてスカッとできる映画かと期待もしてみた。
しかし、別の映画を観ようと思って出かけた夜の回に観るような映画ではなかった。
この前に観た「スター・ウォーズ」と同様、眠気と闘うことに専念することになってしまったからである。

出だしはなかなか好調だった。
登場人物たちの紹介的なシーンなのだが、陽気でハチャメチャでユーモアがあって、というメンバーが大暴れし、その先への期待をつなげる。
しかし、結果的にここがピークだった。
もちろん終盤にも山はあるのだが、そちらはドキドキもしなければ、痛快でもない。
紛争地が舞台だから仕方がないとは言いながら、主人公たちがなんのためらいもなく大勢の相手を殺していくのも大きな違和感を覚えた。
別に憎んでもいないのに。

というわけで、ストーリーも設定もダメダメなのだが、映像はしっかりしていた。
水中シーンが長く、撮影にはかなりの苦労があったものと思う。
せっかくそれだけの苦労をするのだから、もう少し脚本を練ったり、設定を丁寧にしたりすればよかったのにと思うのだが・・・。
エンドロールがやたらと長く、いかに大勢の人がこの映画に携わったかよくわかった。
しかし、これだけの人が関わってこの映画というのも、なんだか切ない話である。

劇場には私のほか10名足らずのお客さんがおられた。
どうして夜にわざわざこの映画を観に来られたのか、一人ひとり聞いて回りたい気になった。

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映画評 「ビジランテ」 [映画評]

「SR サイタマノラッパー」でセンセーショナルに登場し、昨年は「22年目の告白 -私が殺人犯です-」で興行的な成功も収めた入江悠監督の新作、「ビジランテ」を観た。
ビジランテとはあまり聞きなれない言葉だが、英語で自警団員(vigilante)という意味らしい。

Yahoo!映画に書かれていたあらすじを引用すると、
閉鎖的な地方都市で、三兄弟の次男・二郎は市議会議員を務め、三男・三郎はデリヘルで雇われ店長をしており、彼らは全く異なる世界で生きていた。ある日父親が他界し、行方をくらませていた長男・一郎が30年ぶりに帰郷する。一郎は、遺産は自分のものだと主張するが……。
となる。

一郎二郎三郎と漫画のような登場人物の名前が並ぶが、映画はまったく牧歌的ではない。
暴力シーン、セックスシーンが序盤からこれでもかと繰り出され、R15+(15歳未満の入場・鑑賞を禁止する区分)もやむなしかと思わされる。
そういうのが駄目と言う人には、はじめからこの映画は向かない。

亡くなった父というのが、地域の名士でありながら、子供たちにとっては、日常的に暴力を振るうとんでもない父親であったことが兄弟の悲劇であった。
長男は逃げ、次男と三男は耐えた。
そして、数十年を経て、それぞれが守るべきものが生まれた。

兄弟のうち、
一郎は借金まみれ、
三郎はデリヘルで雇われ店長をしながら、上層部に脅されている。
そんななか、二郎はまっとうに暮らし、市議会議員も勤めているのだが、最も苦しんでいる存在とも言える。

映画のテーマは、血であり、地である。
家族や土地に縛られて生きていく苦しさが描かれる。
閉塞感が映画を覆っており、救いはない。

細かい説明があると興ざめすることが多いので、大まかな提示で構わないのだが、本作ではいろいろな設定が謎のままに放り出される。
長男は何十年間もどこにいたのか、
どうして帰ってきたのか、
次男の嫁の執念はどこから来るのか、
正義漢らしい三男はどういう経緯でデリヘル店長に収まって、いいように使われているのか。
わからないままにポンと放り出されて、最後までそのままなので、モヤモヤ感は募る。

入江監督のオリジナル脚本ということなので、言いたいこと、伝えたいこと、撮りたいことは、かなり盛り込まれているはずである。
熱のようなものも伝わってくる。
しかし、映画として成功したかというと、それはまた別の話。
息苦しさは十分に受け止めたが、その先までは連れて行ってもらえなかった。

長男・一郎の大森南朋さん、二郎の鈴木浩介さん、三郎の桐谷健太さんの演技は、みな素晴らしかった。

「ビジランテ」は、重く苦しい映画。
ポップな要素は何一つない。
監督の思いがむき出しになっていて、受け止める側にも覚悟が必要である。
批評家筋の評価が高い映画でもあり、映画ファンなら、がっちり受け止めに行く手もある。

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キネマ旬報ベスト・テン日本映画1位に『夜空はいつでも最高密度の青色だ』  ~ 1位は納得も、あれとかあれも入ってほしかった ~ [映画評]

恒例の「キネマ旬報ベスト・テン」が発表され、石井裕也監督の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』が日本映画の第1位に輝いた。
キネマ旬報と毎年意見が合うわけではないのだが、私も大好きな映画が1位になって、素直に嬉しかった。

 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』は石橋静河さんと池松壮亮さんが共演された作品。
原作が、最果タヒさんの詩集、というのも実に個性的である。
それほどの拡大公開をしていたわけでないのだが、詩集原作であること、石井監督作品であること、池松くんが主演であることから、ぶらっと観に行った。
池松くんは期待に応え、さすがの演技ぶりだったが、彼に一歩も引かなかったのが石橋静河さん。
可愛いというのとも、きれいというのともちょっと違う、ぎらぎらとした存在感。
ぐいぐい引き付けられた。

石橋さんの役は、昼は看護師、夜はガールズバーの店員として働く女性。
池松くんは、工事現場で日雇いの仕事をしている。
二人は恋に落ちるというか、切り結び合う。
いたわり合うというより、傷つけ合う。
その不器用さ、真面目さ、行くあてのなさが、観ているものにぐさぐさ刺さった。

なお、順位は以下のとおり。
1位:『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
2位:『花筐/HANAGATAMI』
3位:『あゝ、荒野』
4位:『幼な子われらに生まれ』
5位:『散歩する侵略者』
6位:『バンコクナイツ』
7位:『彼女の人生は間違いじゃない』
8位:『三度目の殺人』
9位:『彼女がその名を知らない鳥たち』
10位:『彼らが本気で編むときは、』

観ていない映画もあるし、意外な高評価となっている作品もある。
感じ方は一人一人違うから、それはやむをえない。
やむをえないのだが、「帝一の國」「亜人」といった娯楽作も評価してほしいところである。
わかりやすい娯楽作は、映画賞やこうしたランキングとは無縁だが、日本映画のためにも、純粋に面白い作品を高く評価してもらいたいと考えたりする。

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映画評 「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」 [映画評]

この映画を評するのに最もふさわしい言葉は、「退屈」だと思う。
「陳腐」でもあり、「冗漫」でもあり、「ご都合主義」でもあり、端的に「面白くない」のだが、なにより退屈だった。
世界最高の人気シリーズである「スター・ウォーズ」で、睡魔と格闘することになるとは・・・。

私はスター・ウォーズの忠実なファンではないが、多くの作品を観てきたし、近年公開された「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」も十分楽しんだ。
さすがにすごい、と思った。
本作も、評価はイマイチだが、「なんだかんだ言ってそれなりのもの」であると期待していた。
しかし、信頼に応えてはくれなかった。
ストーリーも展開も、うなるようなものは何一つなかった。
「は?」というのはいくつもあったが。
もちろん映像は見事だが、映像の素晴らしさもきちんとした物語や演出があってこそである。

出演陣の魅力も伝わってこない。
「フォースの覚醒」では、実に凛々しく見えた主演のデイジー・リドリーさんだが、今作では訴えてくるものがなかった。
スカイウォーカー役のマーク・ハミルさんも、渋いというよりなんだかパロディのように見えてしまった。
アジア系のルックスの女性が活躍されるのだが、残念ながら説得力のある役柄ではなく、魅力的にも映らず、ディズニー流のアジアへのマーケティングのように思えて、気持ちが冷めていった。

戦闘シーンは見せ場ではあるのだが、互いの戦い方がなんとも抜けていて、どうにも感情移入ができない。
ライトセーバーを使ってのチャンバラシーンにも迫力が感じられない。

「スター・ウォーズ」のご威光はすごく、正月興行では、断然のトップのようだ。
世界的にも、大きな成功を収めているという。
しかし、この映画で初めて「スター・ウォーズ」に触れる人は、どうしてこのシリーズが人気なのかさっぱりわからないだろう。
どれだけ時間とお金をかけても、いい映画ができるとは限らない、と改めて思い知る。
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映画評 「勝手にふるえてろ」 [映画評]

第30回東京国際映画祭で「観客賞」を受賞した「勝手にふるえてろ」を観た。
今年もいろいろな映画を観たいと思うなか、最初の一作はこの映画にしようと狙っていた。

小規模な公開で、劇場数が少ないせいもあってか、私の観た映画館は満杯。
口コミで評判が広がっているのだろうか。
結果、一番前の席で、至近距離からスクリーンを見上げることになった。
しかし、疲れたとか、肩が凝ったとかは思わなかった。
映画に入り込んで、するすると時が流れたからである。

この映画の原作は、19歳で芥川賞作家となった綿矢りささんの小説
突然告白してきたタイプではない男と、中学時代から勝手に妄想片思いしていた同級生との間で、大暴走する女の子の姿を描いている。
この女の子が半端ではないこじらせ方をしているのだが、ぶっ飛んだ役を松岡茉優さんが熱演している。
自分を卑下しつつ、実は異様に高い自尊心を持ち、
なんとか周りに合わせながら、実は一人が怖い。
松岡さんが演じている主人公の女の子は、ややこしいだけではなく、有害ですらあり、素直に「ガンバレ」と背中を押せるような存在ではない。
そのため、終演後もそれほどすっきりした気持ちにはなれない。
しかし、そこがいい。

いろいろあったけれど、最後は身近に王子様がいた、的なオチを期待していると、なんだこりゃ、になる。
なんだかんだあったけれど、やっぱり根はいい子だった、的な展開を予期していると、おいおい、となる。
かなり挑戦的な映画であると思うが、しっかりやり遂げられている。
年の初めに、ちゃんとした映画が観られてよかった。

「この一本」というほどの出来ではなく、もっとこうだったら、という点も少なくない。
タイトルも、イマイチ効いてこない。
ラストに、もうひとひねり、ひと工夫あれば、さらにいい映画になったとも思う。
それでも、やりたいことをやる、という監督の思いは伝わってきたし、松岡さんがそれに懸命に応えている様子にも好感が持てた。

「勝手にふるえてろ」は、時代を切り取る日本映画の佳作。
監督のある意味容赦ない演出に、松岡茉優さんが倍返しのように応えている。
ご家族で観るような映画ではないし、
カップルで観に行くとちと気まずいかもしれないが、
こういう映画を観て、語り合える関係が築けていたら素敵である。
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2017年の邦画を個人的に振り返る ~ その2 困った映画編 ~ [映画評]

2017年の邦画を振り返り、その1ではいい映画を選ばせていただいたが、その2では「困った映画」を。
いい映画を作ろうと懸命にバットを振り、大きいのを狙い過ぎたがゆえに外れてしまった、というのならまだ救いもあるが、観客を馬鹿にしている若しくは映画作りをなめているとしか思えないような作品も少なくない。
映画ファンとしては、悲しく、情けない。

まず、クール・ジャパンの代表格とされているアニメから。
「Free!」の劇場版や、「ソードアートオンライン オーディナリー・スケール」「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」
といった作品は、私にとっては正視に耐えないものだった。
一見さんお断り、といった映画であり、わかる人だけ、喜んでくれる人だけ観てくれればいい、ということなのだろうが、同人誌ではないのだから、きちんと作品として仕上げていただきたい。
どれも、それなりにお客さんが来るものなのに、雑な作りにガッカリさせられた。

その点、「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は、興行的にも評価的にもイマイチだったし、私も全く楽しめなかったが、少なくとも、何かを生み出そうしている意欲はうかがえた。

ここでマジで言うのも野暮かもしれないが、「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」もひどい。
コナン映画がひどいのは毎年のことだが、50億円を超えるヒットがあらかじめ約束されているに関わらず、よくあれだけ適当な脚本で我慢ができるものだと、ある意味感心する。
このレベルでヒットするのだから、ほっといてくれ、ということなのだろうが、日本を代表するようなコンテンツとしてのプライドのようなものを、ほんの一片でも持っていただきたいところである。

漫画原作が次々に実写映画化される傾向に拍車がかかる年でもあった。
「銀魂」は興行的にも成功したが、「東京喰種 トーキョーグール」「「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」は、うまくいかなかった。
私は、ジョジョは十分に楽しんだし、グールもそれほどひどいとは思わなかったが、実写化する意味があったかどうかというと、やや疑問ではあった。
「氷菓」の実写版も同様で、アニメの新作を作ってくれた方が、ずっとうれしかった(実写版も、それはそれで楽しんだ面もあるが)。
ただ、個人的には、漫画原作の実写化は別にアリだと思っている。
成功はめったにしないだろうが。

「トリガール!」「あさひなぐ」を同じ月に公開されたのは、「ヒロイン失格」が最高だった英勉監督。
しかし、両作とも「ヒロイン」とは比べるべくもない平凡な作品。
なかなか、続けていい映画を作るのは難しい。

巨匠に失礼ではあるが、「家族はつらいよ2」も、全く楽しめなかった。
退屈なだけならともなく、観ていて不愉快な気分になってしまった。
カラッとしていた寅さんと比べて、意地悪合戦のような光景は、なんだか辛かった。

「3月のライオン」は、それほど悪い映画ではないと思うが、この頃流行りの前後編公開が興を醒ました。
映画は2時間に収めるべきで、どんなにややこしく長い話でもそれをやり遂げるのがプロのはずである。
私の大好きな「ちはやふる」も同じ形態の公開だったので、全否定はできないのだが、前後編公開はここらで打ち止めにしてもらいたい。

手当たり次第に観ているわけではなく、面白そうな映画を選んで観ているつもりなのだが、それでもハズレは多い。
しかし、観てみないとわからない。
2018年も、ハズレを恐れず、映画館に足を運びたい。

その1の「いい映画編」はこちら
http://matoko.blog.so-net.ne.jp/2018-01-01

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2017年の邦画を個人的に振り返る ~ その1 いい映画編 ~ [映画評]

2017年に観た映画は約70本。
映画通、映画マニアとしては物足りない数だが、映画ファンとしてはまあまあだろう。
私は邦画ファンで、70本中邦画が55本ほどと大半を占める。
見逃した作品も数多くあると思うが、個人的に2017年の邦画を振り返ってみたい。

私の選ぶ10本は以下のラインナップ。それなりにバラエティに富んでいると思う。
「帝一の國」
「亜人」
「夜空はいつでも最高密度の青色だ」
「散歩する侵略者」
「三度目の殺人」
「探偵はBARにいる 3」
「銀魂」
「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」
「火花」
「TAP THE LAST SHOW」 

「帝一の國」と「亜人」は、文句なしの娯楽作。
「帝一」は予想どおりに、「亜人」は予想をはるかに超えて面白かった。
オープニングから最後のワンシーンまで、とことん楽しませてもらった。

「散歩する侵略者」「三度目の殺人」「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」の3作では、才能あふれる監督が、その力をいかんなく発揮している。
作風は3人ともまったく違うが、質の高さと挑戦心は共通している。
「散歩する」と「狂わせるガール」は、バットを振り過ぎている感はあるのだが、当てに行くよりはいい。

最も心がひりついたのは「夜空はいつでも最高密度の青色だ」。
若者の痛みが胸に来る。
本作が映画初主演となった石橋静河さんは、これからぐいぐい来る女優さんだと思う。

年末に観た「探偵はBARにいる 3」は思わぬ掘り出し物。
シリーズ物はだんだんクオリティを下げていくのが定番の流れだが、世の中、例外もある。

今年も数多くの漫画原作の映画が撮られたが、多くが失敗だった。
そんななか「銀魂」は、映画としての成功と、興行成績を両立させた幸せな例。
素晴らしい仕事をやり遂げられた。
続編には、危険な空気を感じるが。

「火花」は、お笑いの板尾創路さんが、「TAP THE LAST SHOW」 俳優の水谷豊さんが、それぞれメガホンを取った作品。
異業種からの監督業への参入には、いろいろ風当たりも強いと思うが、お二人はいい作品を届けることで外野の声をシャットアウトされた。

その他、「話す犬を、離す」「ピーチガール」「チア☆ダン」「彼らが本気で編むときは、」といった映画が印象に残った。

いろいろな映画が公開されたが、「シン・ゴジラ」「君の名は。」といったメガヒットが生まれた2016年と比べると、2017年の映画界は淡々と流れた印象である。
いい映画も少なくなかったが、ガツンと来る作品が少なかった気もする。
「夜空はいつでも最高密度の青色だ」「TAP THE LAST SHOW」 といった、作り手の熱が伝わってくるような映画にもっと出会いたい。

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映画評 「探偵はBARにいる 3」  ~ なにこれ、やたら面白い ~ [映画評]

まあ、そこそこ楽しませてもらえれば、と思って観に行った「探偵はBARにいる 3」 。
これが、予想をはるかに超えて面白かった。
いや、ホント、年末にいい映画に出会えた。
信じられないくらい見事な脚本、
本を活かし、出演者を活かした、素晴らしい演出、
それに応えた出演陣。
ほとんど、パーフェクトな出来栄えだった。
日本版のハードボイルド物としては、最高傑作クラスと言っていいのではないだろうか。

普通、人気シリーズも3作目ともなればダレる。
それがこの出来栄え。
脚本、監督を変えず、続編も作ってほしい。
是非。

ストーリーは、
大泉洋演じる探偵のもとに、行方不明になった女子大生を探すというありふれた仕事が舞い込む。
気楽に引き受けたが、殺人事件、覚せい剤、裏社会とどんどん危ない方向にこんがらがって行き・・・・
という感じ。
これだけ読んでも面白そうには感じないかもしれないが、実によくできた脚本で、まったく飽きることがない。
セリフも面白いし、演技も効いている。
すすき野をはじめとした北海道の風景も絶妙な効果を生んでいる。

主演は、北海道が生んだ大スター大泉洋さん。
魅力全開で、映画を力強く引っ張っていく。
共演は、松田龍平さん。
ひょうひょうとした感じが、大泉さんとのコントラストでなんだかおかしい。
マドンナ役は、北川景子さん。
難しい役どころを体当たりで演じられた。
どこからどう撮っても美しい稀有な女優さんである。
出演陣では、前田敦子さんの演技がどうなんだ、という声も出そうだが、計算されたものだと思う。

「探偵はBARにいる 3」 は、2017年に公開された邦画の中でも指折りの快作。
大人向きの映画で、子供連れにははまらないかもしれないが、映画ファンの方はぜひ足を運んでいただきたい。
内容的に、「男はつらいよ」のように延々と作れるシリーズではないと思えるだけに、公開されたときにすかさず観に行かれることをお勧めする。
1.2を観ていなくても、まったく問題ない。
エンドロール後の映像も面白いので、最後まで席を立たれませんことを。
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2018年3月17日までは健康で  ~ 「ちはやふる 結び」まであと3か月 ~ [映画評]

2016年の春、私は歯痛から来る厭世観に悩まされていた。(すみません、大げさに書いています)
もう、明日なんか来なくてもいいや、と思いそうになった。
そんな時に観た映画が、「ちはやふる 上の句」だった。
これが素晴らしく、気持ちが一気に晴れた。
さらに、一月後に「下の句」が公開されるとあって、そこまでは絶対に死ねないと思った。
そうこうしているうちに厭世観は晴れた。
そんなわけで、「ちはやふる」は私にとって特別な映画である。
(「下の句」は「上の句」に比べるともう一歩ではあったが)

完結編が公開されることは、2年前の「下の句」公開時に発表されていたが、どんな内容なのかはわからなかった。
ずっと楽しみに待っていたが、先日公開された特報では、ちょっと恋愛に寄ったような感じにうかがえて、不安が募った。
そっちに行ってほしくないと思った。
願いが届いたか、新たに公開された予告編では、しっかりカルタしていた。青春していた。
嬉しい、観たい。
待ち遠しい。

私にとって、主人公の綾瀬千早を演じられた広瀬すずさん、幼馴染役を演じた野村周平くんと真剣佑くんをはじめ、
瑞沢高校カルタ部の仲間を演じた上白石萌音さん、矢本悠馬くん、森永悠希くんといった面々は、
大切な仲間のような存在である。
皆、「ちはやふる」後、めきめき成長され、いろいろな映画でお見受けしたが、彼らの姿を見るたびに「ちはやふるでまた会おう」と話しかけたものだった。
スキャンダルを起こしたり、病気やけがで出演できなくなったら大変だから、勝手にハラハラ見守っていた。

「ちはやふる 結び」の公開は、2018年3月17日。
それまでは、つらいことがあっても、頑張って乗り切ろう。
映画を面白く観るコツは「期待しないこと」だが、この映画に関しては止められない。

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映画評 「DESTINY 鎌倉ものがたり」 [映画評]

山崎貴監督と言えば、「永遠の0」「STAND BY ME ドラえもん」「寄生獣」などで知られる売れっ子である。
数あるヒット作の中で、山崎監督の代表作と言えば、やはり「ALWAYS」シリーズだろう。
「ALWAYS」の原作は漫画だが、現在公開中の 「DESTINY 鎌倉ものがたり」も同じく漫画原作。
作者も同じ、西岸良平さんである。
この2作は、舞台もストーリーも全く異なっているが、なんとなく流れるあたたかい空気が共通している。
本拠地に戻った感じで、山崎節も快調である。

私がこの映画を観終わって、最初に感じたことは、
「これで、十分」
ということだった。
もっと感動した映画もあったし、もっと興奮する映画ももっとハラハラする映画もあったが、この作品はこの作品で十分できていた。
これ以上の作品もあるが、それはある種の幸運が重なってのことであり、これ以上を求めるのも違う気がした。
本作で十分楽しめたし、心も揺さぶられた。

「ALWAYS」の家族愛に対し、こちらは夫婦愛が中心。
何か所か泣けるシーンがある。
思い切り泣いていい。
山崎監督お得意の特殊映像も楽しかった。

主演は、堺雅人さん。
いつものしっかりした演技で映画を引っ張る。
共演の高畑充希も芸達者。
堺さんに一歩も引いていない。
役者陣で特によかったのが、死神役の安藤サクラさん。
「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」でもいい味を出されていたが、彼女が演じると、すべての役に魂が吹き込まれる。

「DESTINY 鎌倉ものがたり」は、誰もが楽しめる娯楽作。
かたいこと、ややこしいことを考えず、家族で、友達同士で、恋人同士でご覧いただきたい。
ストーリーやら設定やらにツッコミどころは少なくないが、細かいことは言いっこなしである。

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