So-net無料ブログ作成
検索選択

映画評 「宇宙兄弟」 [映画評]

漫画原作の映画化が花盛りである。
このゴールデンウィークも、テルマエと「宇宙兄弟」が正面衝突。
どちらを観るかプチ迷った末に、こちらに。
結果、後悔。

私は、原作の漫画を読んだことがない。
しかし、きっと面白いのだろうと思う。
長く続いていて、何百万部も売れる漫画が面白くないためしがない。
だから、映画化もされるのだろう。
だから、しっかり原作の良さを描ければ、いい映画にもなりえるだろう。
たとえば、曽利文彦監督の「ピンポン」では、原作の良さを残しつつ、映画のとしての良さも十分に伝えてくれた。

別にくさすためにわざわざお金を払って映画を観に行っているわけではないので、できれば楽しみたいし、映画評でもほめたいのだが、「宇宙兄弟」の場合、どこをどう愛でればいいのか、ちょっと途方にくれる。
主演の小栗旬と岡田将生のお二人は、まあちゃんと演じられていた。
ただ、あの脚本では、いかに頑張って演じられても、感情移入にはほど遠い。
特に致命的なのは、兄の人物造形。
才能も努力もきちんと描かれていないなかでハッピーエンドを迎えられても、感慨の持ちようもない。

なんとか探せば、プライマルスクリームによるオープニングはよかった。
森下愛子さんに久々に会えたのもよかった。
しかし総合的には、とても残念な映画だったと言わざるを得ない。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「僕達急行 A列車で行こう」 [映画評]

私がはじめて森田芳光という映画監督に触れたのは、鴻上 尚史さんのオールナイトニッポン(金曜2部)であった。
1983年か、1984年ごろだったろうか。
鴻上さんは、売り出し中の劇作家だったが、まだまだ知名度は低かった。

当時受験生だった私は、午前3時から始まるオールナイトニッポンの第2部を楽しみに聞いていた。特に、鴻上 尚史さんの金曜日はお気に入りだった。
森田さんはゲストとして出演され、鴻上さんと深夜ならではのディープな会話をされたと記憶している。森田さんは、メディア評論で有名なマクルーハンを持ち出し、鴻上さんも負けずに対抗された。
もう30年も前のラジオの放送であるのに、なぜかそこまで覚えている。

それから森田さんは、才気あふれる映画監督としてずっと気になる存在だった。
デビュー作の「の・ようなもの」は、ビデオで見たのだと思うが、非常に印象的な作品で、私の中での、忘れられない日本映画の傑作のひとつである。
その後も、「家族ゲーム」で映画賞を総なめにしたり、「失楽園」で社会現象を起こしたりと、大いに活躍されたのだが、正直、もっと遠くまで行かれるかと思っていた。
巨匠にもならず、鬼才にもならず、職業映画監督のような位置にとどまられたのは意外だった。
それも美学だったのだろうか。

さて、その森田監督の遺作となったのが、「僕達急行 A列車で行こう」である。
個人的には、わざわざお金を払って見ようと思うような題材ではなかったのだが、あの森田監督の最後の作品とあっては、見逃すわけにはいかない。
若き鴻上さんと斬り合うような議論をされた森田さんが、最後にたどり着いた境地はどこなのか、知らないわけにはいかないと思った。

しかし、まあ、なんというか・・・・。
端的に言って、実に退屈な映画であった。
反語でも逆説でもなく、ストレートに退屈した。
ストーリーはあるのだが、正直、どうでもいいような筋であり、これに感情移入するのはあまりにも難しかった。
いろいろ批評もしたかったのだが、そういうレベルではなかった。
三十年以上かかってここに到着してしまった森田さんの映画人生って一体なんだったんだ、とまで考えてしまった。
もちろん、わかっていてゆるく作っておられるのだろうが、それもぶっとい芯があってはじめて生きてくる。
この映画でのゆるさは、ただ、ゆるい。

美空ひばりさんが、伝説となって語り継がれる理由のひとつは、最後の曲「川の流れのように」が、彼女の人生を象徴するかのようでもあったからだと思う。
森田さんの最後の作品は、「僕達急行 A列車で行こう」。
森田さんらしいといえばらしいのだが、あまりといえばあんまりである。
いまだにからかわれているのだろうか。
nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「ドラえもん のび太と奇跡の島 ~アニマル アドベンチャー~」 [映画評]

映画ドラえもん のび太と奇跡の島 ~アニマル アドベンチャー~」を観た。
映画ファンだが、これを一人で見に行く勇気や元気はなく、娘のリクエストに応えた形で。
公開初日ということもあって、劇場はほぼ満席。
さすがの人気を再認識した。

作品は、常に化ける可能性を持っている。
あえて作品、としたのは、映画に限らず、テレビ番組でもすごいものが生まれる可能性があるからだ。
だから、子ども向けの映画だからたかが知れているなどということは絶対にない。
いい作品を作り上げようという思いさえあれば、決してあきらめることはない。

今回のドラえもんに大きな期待はしていなかったが、作品である以上、よき映画である可能性にも思いをはせ、感動する準備もしていた。
しかし、やはり裏切られた。
作り手の思いや執念は、残念ながら全く伝わってこなかった。

この頃のドラえもんの映画はほとんど毎回そうなのだが、似たような設定、似たような展開、似たようなラストである。
観る子ども達側が新陳代謝していくから、この程度でいいと思っておられるのだろうか。
それとも、懸命に作って、いつもこんなふうになってしまうのだろうか。
どっちにしても、残念なことである。

ほめる要素はどこをどう探してもないのだが、毎回このようなつくりだと、批評するのも野暮かなという気にさせられる。
なぜもっと執念を持っていい作品を作ろうとしないのだろうと、嘆かわしいというより不思議に思うが、まあ、そんなことを言ってみてもせんないことであろう。

ドラえもんは、国内だけではなく、世界にも有名な、ある意味日本代表のコンテンツである。
済んでしまったことは仕方がないとして、次回以降は、是非執念を持ったつくりをして欲しい。
「トイ・ストーリー」と比べても、負けないような映画を作ってほしい。
少なくとも、そうした気概は持ってほしい。決して無理な要求ではないはずだ。
映画を作れる喜びを忘れないでほしい。
子ども向けであることを言い訳にしないでもらいたい。
ドラえもんの映画であることを逃げ道にしないで、誇りにしてもらいたい。

ドラえもんのメッセージを真に受け止めなければいけないのは、作り手かも知れない。
そんなことを思った。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―」 [映画評]

「聯合艦隊司令長官 山本五十六  ―太平洋戦争70年目の真実―」を観た。
人間ドラマを中心に描くのかと思っていたが、戦闘シーンもそれなりに。

海軍の中での派閥争いや、政府トップと海軍との温度差など、当時の日本政府内のいざこざもそれほど深くではないが描かれる。
山本五十六の人間的背景にはそれほどふれられておらず、五十六像がいきなり提示される。もう少し司令長官に上りつめるまでの苦労についても描いてほしかった。

退屈はせず、2時間興味を持ってみることができたのだから、悪い映画ではない。
ただ、この興味は、映画的な興味というより、ドキュメンタリー的な関心といったレベルに陥っているのではないだろうか。
そうすると、映画としては成功しているとは言えない。
失敗と断罪するほどの落ち度ではないが。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:仕事

森田芳光さんの訃報に衝撃 [映画評]

今年もいろいろな人がお亡くなりになった。
スティーヴ・ジョブズの死は、アップル製品の好調さとその後に出版された伝記もあいまって、社会現象のようになった。
直近では、金正日総書記の死が、世界を揺さぶっている。

昨日も、映画監督の森田芳光さんが亡くなったとの報道がなされた。
個人的には、総書記の死去よりも衝撃的だった。

森田監督のデビュー作、「の・ようなもの」は、私の大好きな映画。
落語家の卵の日常から、「の・ようなもの」というレベルの宙ぶらりんな存在を、うまく描き出していた。
主役の伊藤克信が演じる志ん魚さんが、深夜から夜明けの下町を歩くシーンは、映画史に残る名場面だと勝手に思っている。

森田監督には、才気走った先鋭的な人であるイメージがある。
それを決定付けたのは「家族ゲーム」だと思うが、改めて経歴を見ると、受け入れやすい、わかりやすい作品も多かった。
しかし、わかりやすい映画を作り、ヒットを生み出しながら、どこかギラギラとこちらを見つめている視線を感じたものである。

比較的近年の作品で、私が一番驚いたのは「黒い家」。
森田さんの作品だから、くらいの気持ちで見に行ったのだが、もう怖いのなんの。
映画で怖がることはあまりないのだが、私の中では「ローズマリー赤ちゃん」と並ぶ恐怖だった。

映画監督は、死んでしまっても作品が残る。
森田監督も、この先ずっと見続けられ、語り継がれていくだろう。
さらに、来年には「僕達急行 A列車で行こう」という作品が公開されるという。
ご本人が、この作品が最後になることをご存知であったかどうかは不明だが、どんな映画になっているのか楽しみである。

とんがった森田監督が好きだった。
寂しくなる。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

映画評「けいおん!」 [映画評]

話題アニメ映画「けいおん!」を観た。
寒いなか、公開直後でもないのに映画館は、8割程度の入り。
改めて人気のほどを思い知った。

アニメの映画化には、「誰でもウェルカム」ものと、「一見さんはご遠慮ください」ものがあると思う。
「けいおん!」は、どちらかと言えば、一見さんにはキツイものだと思う。
私のように、テレビにもマンガにも一度も触れたことが人間が見に行くと、そのなんにもなさに驚かされる。

ただ、「なんにもない内容を映画にするな!」などと野暮なことは言わない。
これが「けいおん!」の世界観であり、それが支持されているのだ、ということくらいは了解している。
暗がりのなか、大スクリーンの前で、2時間にわたって見せるものなのか、ちょっと「?」の感はなくはないが、それを一見さんが言ってはいけないだろう。

いい映画、悪い映画。
優れた映画、そうでもない映画。
そうした評価は、「けいおん!」に関しては意味がないように感じた。

映画の中では、誰もがやさしく、誰も苦しまない。
ロンドン旅行に行こうと誰かが言い出せば、すぐに実現する。
「お金がかかるから、親がなんと言うか」
などという子はいない。

あたたかく、ほんわりとした時間。
ゆるければゆるいほど、賞賛を浴びる、そんな空間。

私は、少し痛々しさを感じた。
高校生時代が一番いい時代、という暗黙の了解に切なさを感じた。
女の子たちは、「今がピーク」などと思っているのではないだろうか。

そんなことはない。
大人の方がずっと楽しい。
なんとなれば、アニメの作り手にだってなれるのだから。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

映画評「怪物くん」 [映画評]

子ども向けの映画にも、いいものはいくらでもある。
ちと古いが「学校の怪談」シリーズはよかったし、「ガメラ」も好きだった。
テレビ局が作った映画にも、いいものはいくらでもある。
「こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 〜勝どき橋を封鎖せよ!〜」は、今年のベストムービーである。

だから、「怪物くん」に全く期待していなかったわけではない。
いい映画であるように願った。
しかし・・・。

こういう映画を観てしまうと、なんと書けばいいか難しい。
褒めるところがちょっと見つからないので、書けば悪いところだけになってしまう。
こうした映画を作ってしまった製作サイド、監督、脚本家には、冷静になって自分たちの映画をご覧いただきたい。
本当に胸を張って、世に問えるものに仕上がっているだろうかと。
自分の子どもに、誇りをもって見せられるだろうかと。

とにかく、脚本がよくなかった。この脚本でいいところを探すのは、日本の男子マラソンが次のオリンピックで金メダルを取るくらいに難しい。
演出も冴えなかった。笑えもしないし、熱くもなれない。
役者はそれなりにやっていたのかとも思うが、この映画では誰がなにをやっても、という感じだろうか。

こういう映画を作ってしまうから、
「子ども向け映画はつまらない」
「テレビ局が作る映画はダメだ」
ドラマを映画化してもろくなものはできない」
などとレッテルを貼られてしまう。

「怪物くん」は、残念というより、悔しささえ感じてしまう映画であった。
繰り返すが、作った人たちは、一映画ファンとしてこの映画を見返してほしい。
胸を張れるだろうか。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

映画評「ステキな金縛り」 ~ 今回はやっちゃったか・・・ ~ [映画評]

もはや三谷作品はひとつのブランドである。
映画にしても、ドラマにしても、芝居にしても、ヒットすることがほぼ約束されている。
だから、安心して宣伝にも力を入れられる。
三谷さんの飄々としたたたずまいも人気の秘密であろう。
なにやら、底知れない感もある。

ラジオの時間」から始まる三谷映画を、私も楽しみにしている。
笑えて、楽しくて、熱くなって、ほろりとなる。
日本の喜劇の新しい王道を見ている気持ちになれる。
そもそも、三谷幸喜という人間自体が大好きである。

だから、当然「ステキな金縛り」も面白いのだろうと思った。
しかし、これが案外・・・。
驚きがなく、熱さがなく、だから当然ほろりもなく。
散々流されている予告編を超えるものはほとんどなかった。
残念と言うか、拍子抜けと言うか。

三谷さんの作品のよさは、人間への愛やその仕事への情熱を感じられるところだったと思う。
「ラジオの時間」におけるラジオ人への思い、「みんなのいえ」における建築士や大工への思い。
そうしたものが映像にあふれ、熱となってこちらに伝わってきた。
今回の「ステキな金縛り」には、そうしたものがなかった。
コメディのためのコメディ、というか。
30分のドラマで十分だったように思う。
敬愛する三谷監督の作品に、こんなことは言いたくないのだが。

十割打者がいないように、どんな人も外す場合はある。
だから、次回作に期待したい。
連続では外されないと信じて。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「はやぶさ/HAYABUSA」 [映画評]

はやぶさについては、3本もの映画化が予定されている。
いくらなんでもかぶりすぎとは思うが、それぞれに違った描き方があるのだろう。
先に公開した方が有利な気はするが。

今回観た「はやぶさ/HAYABUSA」は、堤幸彦監督によるもの。
BECK」にはまった私としては、見逃すわけにはいかない。

上映時間140分。短い映画が好きな私が、この時間、退屈しなかったのだから、面白くはあったのだと思う。
オチを日本中の人が知っているなか、架空の登場人物(竹内結子さんが演じる)のエピソードを盛り込みながら、映画的に引き込んでいく。
主演の竹内さんは、主人公として映画を引っ張っていく。垢抜けない人を演じるのだが、何をやっても竹内さんは竹内さんである。彼女を見ているだけで、楽しいと言えば楽しい。

しかし、期待していた大きな感動はなかった。
無事に還ってくるのは知っているのだが、それでも感動するという展開を望んでいたが、それはあまりなかった。
もっと、「アポロ13」的に、いろいろなピンチを知恵で乗り切っていくところを強調するとか、
プロジェクトX的に、リーダーを中心にした苦闘を中心にするとか、
盛り上げるパターンにしてもらいたかったところである。

竹内さん演じる主人公の成長過程についても、定型的で面白みに欠けた。
他の人物の描き方も、掘り下げはあまりない。

堤さんとしては、当たり前のパターンは嫌だったのかも知れないが、少なくとも私のニーズは、ある意味単純な感動モノであった。
楽しみにしていただけに、ちと残念。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

映画評 「大鹿村騒動記」 [映画評]

阪本順治監督の「大鹿村騒動記」を観た。
本作は、個性派俳優として人気を誇った原田芳雄さんの遺作となったことで、特別な作品となった。
観る側も、ストーリーや映像以上に、原田さんにひきつけられる。

ネットなどでの評を読むと、概ね好意的に受け取られているようである。
300年の歴史を誇る伝統行事である村歌舞伎を軸に、大人の恋のドタバタや、出演者の人間模様が描かれるという内容は、実に日本映画っぽい。
大楠道代さん、岸部一徳さんといったベテラン陣に、大御所三國連太郎さんが絡み、佐藤浩市さん、松たか子さんといった人気どころに、若手俳優瑛太さんも少し顔を出すと言う俳優さんたちの頑張りも見所である。

しかし、観終わったあとの感慨は、残念ながらそれほど深いものではなかった。
予定調和が予定どおり終わったという感じだろうか。
そのなかでの突き抜けた感動もなかった。

高齢化が進むなかで、歌舞伎を毎年やるだけでも大変だろう。
体力的にも精神的にもきついだろう。
それを普通に描いてもよかった。
また、それを観る側も、一年間ずっとそれを楽しみにしているだろうから、そのドキドキを出してもよかった。
ドタバタがなくても、村の一大イベントだから、それを普通に描いてくれれば、きっと心は動いた。

喜劇だから、しんみりさせても仕方がないのだが、喜劇というには笑える箇所はなく、だったらもっとベタに感動させてくれてもよかったのに、と思う。
原田さんのことがあり、また題材的に批判しにくい映画ではあるが、私としては、あまり面白く観られなかったのが正直なところである。
期待しちゃっただけに、なおさらだろうか。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事
メッセージを送る